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商品説明
知る人ぞ知るケンカの達人・遙洋子が、そのケンカ道にさらに磨きをかけようと、東大・上野ゼミに入門。今、明かされる究極のケンカ道とは? フェミニズムの真髄とは? 格闘技としての学問に分けいる。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
遙 洋子
- 略歴
- 〈遙洋子〉大阪府生まれ。武庫川短期大学卒業。タレント。NHK「生活笑百科」、TBS「スーパー知恵MON」などで活躍中。
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紙の本
目的を見失いそうな貴女に読んでもらいたい、力強い一冊。
2001/03/31 15:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:澤木凛 - この投稿者のレビュー一覧を見る
遙洋子ってだれ?って思う人もいるかもしれない。関西では有名な「しゃべりの上手なお姉さん」で「週刊トラトラタイガース」を川藤幸三と一緒にやっている。(この「週刊…」というのがおそらく関西人以外には胡散臭く聞こえるにちがいない…笑)で、そのタレントがなぜ上野千鶴子教授に教えを乞うたかということになるが、彼女実はかなり真面目に「フェミニズム」について勉強をやっていたようだ。そして、最後は日本の権威である上野教授について学びたい、という希望を実現させたのがこの本のきっかけである。
ここまでなら「タレントなのに頑張ったのね」という程度の話で終わるが、ここからが凄い。厳しい上野ゼミを三年間通して勉強していった過程が書き記され、その中で「フェミニズムとは」ということをさりげなく語っている。もちろん、一冊の本で語れるわけなどないことは著者が一番痛感している。それでもその側面をわかりやすい言葉で「さりげに」書き記す。そして読むにつれて芸能界という非常に閉鎖的で女性差別が当然のように行われている世界で生きているが故に彼女がこの学問を選んだと言うことも見えてくる。女性故に反論できないことが多々あり、それがまかり通る世界。そこでも自分の意見を言えるようにするにはどうすればいいか、それを彼女は3年間という時間を通して体得していったのである。
興味深かったのは上野教授の方針だ。とにかく議論をする。人間が知恵を振り絞って相手とやり合う。どこがおかしいのか、どこが正しいのか、なにが違っているのか、何にだまされているのか。道を切り開く手法はただただ論じることにだけある。そうやって他人と論じあうことは、すなわち自分を知ることでもある。それをゼミを通してみっちり教え込む。妥協は許されない。教授自身が受けてたつこともあるし、厳しさの足りない論議は教授によって徹底的に攻撃される。教授もまた真剣勝負であり、それによって成長しようとする。いや、常に論じることのみが「錆び付かせない」ための唯一の方法であるのかもしれない。
これはきっと我々の日常生活にも同じ事が言える。最後は他者との対話ではないか。日常の中でも論じ、考えること。それが自分が保つ唯一の方法なのだ。自分の生活の中にそういう論議の相手がいることは実はもっとも幸福なことである、ふとそう思えた本であった。これは是非、一読をすすめる。自分の目的が見失いがちの人にはきっと何かを教えてくれるはずだ。勇気を与えてくれる本というのはこういう本をいうのだろう。
紙の本
また大学に行きたくなる
2002/06/15 13:19
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投稿者:akira - この投稿者のレビュー一覧を見る
売上ランキングの上位にのってて、東大(??)でそれもケンカを、上野千鶴子(この本を読むまで存じませんでした、すみません)に学ぶってどんな本?と思って買っちゃいました。読み始めたらおもしろくって。作者の大学での勉強っぷりにも感動したし、あ〜またこうやって学問にどっぷりつかってみたい〜と思ってしまった。東大でお勉強してることも当然でてくるので、チンプンカンプンなとこもあるけど何となく理解してどんどん読めていける楽しい本です。
紙の本
「学問の一般社会への還流」例
2003/06/01 00:04
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投稿者:KAZU - この投稿者のレビュー一覧を見る
自然科学の学問の分野では、その高度な専門性と難解さから、学問の実社会への寄与がなかなか一般的に理解されにくい。新聞を読んでも、政治、経済、社会、国際、スポーツ欄はあっても、科学技術に関する簡易で端的な記事を目にすることはめったに無い。それは、メディアに関係する方々、特に科学技術ライターという科学の最先端と一般生活を結びつける役目の職業に就いている人が絶対的に少ないことも一つの大きな原因であろう。
人間に関する学問「社会学」では、そういった自然科学の学問領域では難しいとされる「学問と実社会の距離を縮める」機構なるものが存在し、比較的簡単に最先端の社会学が一般社会に直に反映され、認識されるものとばかり思っていた。社会学、そこには難解な数式や化学式表現があるわけではなく、確固たる絶対的な自然現象の「実験結果」があるわけでもない。人々の生きてきた社会、環境に影響された人間の思考、それだけで成り立っている学問であると思うからである。
しかしながら、本書を読んで、上記の私の漠然とした「社会学」に対する偏見は見事に粉砕されてしまった。遥氏の学問に対する取り組み、遥氏からみた上野教授の学問に対する姿勢、そこには自然科学を対象にした学問となんら変わりを感じなかったのである。本書は遥氏が提出した「エッセー風のレポート」を上野教授自身が積極的に推薦して出版されたものだそうである。人文系の学問が自然科学系学問と何ら変わらないものであるとすれば、それは逆に、最先端の学問を一般社会に還元することも、自然科学系学問同様、あまり機能していないのかもしれない。上野教授は、その役割を遥氏に託したのではないだろうか。
少なくとも、全く門外漢の私が本書を読んで、おぼろげながらも上野教授の取り組まれている学問の輪郭がイメージできたことは、その役割を少なからず果たしていることになるように思う。
紙の本
ケンカの仕方10か条は必読!
2001/12/28 16:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つる - この投稿者のレビュー一覧を見る
けっこうおもしろいけど、まとまりがないかなっていうのも正直な感想。ただ、上野教授の姿は生き生きと描かれていて、一度彼女の「ケンカ」を見てみたい気持ちになる。
最終章の「ケンカの仕方・十箇条」はかなりいけてる。必読!! たくましくなること間違いなし。
紙の本
他者認識と自己確立
2001/09/11 00:27
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投稿者:たけみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者がいうケンカとは当然言葉のケンカ、すなわち『議論』です。
女性タレントである著者は、テレビで議論していると次第に本題からずれ、いずれ「女はだまれ」「結婚してからしゃべれ」など女性に対する誹謗中傷が主な子供のケンカの様相を呈すことに、疑問と苛立ちを覚えています。その状況を打破するために、ジェンダー論・フェミニズムの大家である上野千鶴子教授に議論の構成を学びに行く。その勉強の成果のレポートとして著者が書いたものが本書です。
誰かと話をしている最中、ふと気付くといつの間にか自分自身に対する批判ではなく、「独身女性」「今時の若者」などという分類そのものに対する批判を浴びせられた経験は誰にでもあると思います。その度に、「それは今話してることと全然関係なーい」と思い苛立ちを感じる人も多いでしょう(私?)。
その一方で、「やっぱりピンクって女の子っぽい色なのかな」など特に理由もなく社会に蔓延している価値観に揺れる事もあるでしょう(私?)。 そんな人はこの本を読むと、同感と納得の嵐に襲われることでしょう(特に女性) 。
社会の中で、人間は色々な見方をされるし、色々な見方をするものです。 その「見方」の一つに「性別」というものさしがあります。これは生物学的な違いですが、社会的にはその違いに付加価値を持たせる場合が多いような気がします。
一つの事柄にもいろいろな側面があることを知る、一つの事柄に対して他の人がどのように感じているかを知る。たとえそれが自分にとって「エイリアン」であろうとも。
「オリジナルは自分1人では存在し得ない」と本書にありますが、著者は「フェミニズム」を勉強することを通じ、慰安婦問題・家長制度・女性の美の価値についてなど、「女性」というくくりだけに対する社会的な評価が行われている事柄に対してどのような見解があるかなど、様々な理論・見解をまず知る。
そしてその理論・見解の言葉を通じて、その理論・見解が女性に対する『思想』『固定概念』『決め付け』を女性に押し付けたものでないかを検証する。その思想が自分の持つ思想とどのように違うか、なぜ違うかを自分に問いかけ自己批判し、知ることにより、自分自身の「オリジナリティ」がはっきりとしてくると述べています。
自分のオリジナリティがはっきりと分かったときに人は本当の意味で様々な価値観から自由になれるものなんだろうなと思っている私は、この本を読んで「社会学勉強したーい」などと浅はかに思ってしまいました。
この本は著者が「言葉は感動をもたらす。学問は感動の宝庫だ」と語るようになるまでの過程が、生き生きと描かれている本です。学問って楽しいものだ、と私も思います。
紙の本
タレント本!とあなどることなかれ
2000/08/28 22:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読ん太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タレント本を敬遠するクセがついてしまっていて、最初は読む気がしなかったのだが、あまりにあちこちで評判になっているので読んでみた。 遥洋子が東大の上野教授から社会学を学び、学んだ事をエッセイ形式でレポートにしたもの。
フェミニズムやジェンダーについて多く語られている。自分もフェミニズムについて、もっと問題意識を持たないといけないのだなと気付かされた。と同時に自分には上野教授の言う「直観力」は備わってはいないのだろうと自覚して落胆もした。 「ジェンダー」に関しては、その言葉の意味すら知らなかった。新しい世界を垣間見ることができたようで嬉しい読書だった。
著者には失礼かもしれないが、内容以上におもしろいのが、天下の東大で悪戦苦闘する著者の姿。「教室で一番アホ」というコンプレックスを背負って、顔がしびれるほど文献を読みまくる。その結果、もっとわけがわからなくなって、賢く生んでくれなかった親を恨んだりしてみる。この本1冊を読み終わるまでに、どれだけ大笑いしたことか。
著者のがんばりを読んで、だんだんとこちらも元気が出てくる。学問をする楽しみや意味を教えてもらえた。「いつかすべてが一本の線に」なる事を信じる気持ちは自分にも絶えずあるので、「これでいいんだ」と思うことができた。
最後に、「ジェンダー」について少し解説…
○ジェンダーとは、セックス(sex)生物学的性別に対して、社会的・文化的につくられる性別。例えば、女性らしさ・男らしさ、男の役割・女の役割。
○ジェンダー・フリーとは、ジェンダーにこだわらない、性別にとらわれないこと。個人の内面、能力、性格、意欲を尊重すること。
○ジェンダー・バイアスとは、性別に関する偏見。
紙の本
「教育」と「議論」と「ケンカ」の間
2001/06/15 15:35
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:小田中直樹 - この投稿者のレビュー一覧を見る
不思議な本だ。関西で活動する女性タレントが、今も芸能界に残る「男尊女卑」に理屈で勝ちたいと思い、上野千鶴子さん(フェミニズム社会学者)の指導のもと、東大で勉強した三年間を描いた、それだけの本。そこで勉強した様々なフェミニズムのさわりを紹介し、ついでに「ケンカのしかた十箇条」をくっつけた、それだけの本。でも、読んだあとに何かが残った。そう、二つの違和感と一つの爽快感。なぜだろう。
まず、第一の違和感は「教育って何」。「上野さん」(この本の上野さんは「遙さんが見た上野さん」で、遙さんのバイアスがかかってるから鍵カッコつき)はよく学生を泣かせる。この本では、のっけから、遅刻した学生を泣かせる。僕は「遅刻した学生も格好悪いけど、それを泣かせる〈上野さん〉も格好悪い」って感じた。だって、泣かせる必要ないじゃんか。間違ってほしくないけど、僕が気になるのは「上野さん」の「人柄」じゃない。
「〈上野さん〉にとって、教育って何なんだろうか」ってこと。「上野さん」によれば、教育は「コーチつき自己鍛練」で「私を乗りこえる研究者を育てるという行為」。でも「コーチ」と「自己鍛練」、つまり教師と学生や生徒の関係って難しい。だって、これって「権力関係」、つまり実力だけじゃなくて立場の差がひびいてくる関係じゃんか。「上野さん」がゼミでしゃべると学生は「戦々恐々」するらしいけど、そんなの自慢にならない。まして「男と女の間には〈権力関係〉がある」って暴露したのがフェミニズムだったはず。それを「教える」んだったら、教師と学生の「権力関係」にも敏感でいてほしい。でも、「学生を甘やかせばいいか」っていうと、そうじゃない。「見下さないけど、甘やかさない」ってのが教育の難しいところじゃないんだろうか。
次に、第二の違和感は「議論って何」。学者と学者の間に「権力関係」はない(ことになってる)はずだから、「議論」が「ケンカ」ってのは「あり」かも。遙さんはあらかじめ「議論」イコール「ケンカ」って考えてるから、そのやり方を勉強するのも「あり」かも。でも、ちょっと待った。ほんとに「議論」と「ケンカ」はイコールなんだろうか。そりゃ学問の世界は実力勝負だろうから、「議論」で勝つか負けるかは大切。そのためには観客を味方につけることが大切で、そのためには「とどめをさす」んじゃなくて「相手をもてあそぶ」ほうが効果的。ふむふむ、なるほど。でも、「上野さん」は「学問は真理のためにある」って考えまで否定しちゃう。そうすると「議論はケンカ」、「勝てば官軍」、「勝った人の言葉が〈あり〉」、「支持率八割以上の人に文句いうな」ってことだろうか。政治の世界だったらこれも「あり」だろうけど、学者の世界も同じなんだろうか。「学者は協力しあわない」ってことなんだろうか。僕は守旧派だから、やっぱり「学問は真理のためにある」んじゃないかって考えてる。「支持率八割以上の人」に文句をいうためにも。昔々、強い者に文句をいうために誕生したはずのフェミニズムを知るためにも。
最後に、爽快感。遙さんは三年間で五百冊も読んだ。勉強しすぎて頭の中が真っ白になったこともある。そして、批判的に考える「こつ」を覚えた。これって、すごい。僕だったらできない。しかも、遙さんは「現役バリバリ」。普通、現役バリバリの人って「手のうち」は明かさない。こっそり勉強して仕入れた知識を、「いかにも」って顔で使ってみせる。そうしなかった遙さんは、とても潔くて爽快。ただし、この本の遙さんは上野さんと一体化してて、遙さんの肉声が聞こえない。だから、遙さんの本当の勝負は、自分の肉声で書いた「次の本」だと僕は思う。おっと、「次の本」も「次の次の本」も出てたんだっけ。
というわけで、「二つの違和感」に対して「一つの爽快感」なので、評価は難しくて「保留」。
紙の本
2000/3/6
2000/10/26 00:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日経ビジネス - この投稿者のレビュー一覧を見る
タレントである著者が、東京大学の上野千鶴子教授のゼミに3年間通って学んだ内容を綴ったエッセイ。フェミニズムの視点、知の最先端に位置する研究者の姿などを、読みやすい文章で語る。
「ケンカ」の対象は、性差別が裏に表に存在する社会だ。「僕は男女平等主義だから生活費は折半。ただし高収入の夫が生活費を多めに出し、その分家事は妻がやる」。ある男子学生の発言の裏に潜むのは、収入の差が権力の差を生む構造だ。善意の“隠れ差別主義者”ほど扱いにくいと著者は指摘する。結婚、母性本能など、何気なく使う言葉を見直すきっかけになる。
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