「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
気鋭の文芸評論家が、ミステリー&エンターテイメントと純文学の現役作家100人の、最新作を含む主要作品574点を、厳正かつ徹底的にテイスティングし、100点満点で採点した、究極のブック・ガイド。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
福田 和也
- 略歴
- 〈福田和也〉1960年東京都生まれ。慶応義塾大学大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。現在、同大学助教授、文芸評論家。著書に「喧嘩の火だね」「罰あたりパラダイス」などがある。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
「いまの時代に、何を読むべきか」
2001/12/11 03:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:econtaro - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代の文壇に登場する作家(純文学とエンターテインメント系両方)の作品を、100点満点で採点するという、いままでにない試みです。とにかく、おもしろい本です。
「いい本」、「悪い本」というのは、個人の価値観や嗜好と密接に結びついているので、単純な点数化は避けるべきだとは思いますが(そのことは著者も十分理解されています)、「何を読むべきか」ということを迷っているひとはもちろん、昔読んだ本をしみじみと思い出したい人の期待にも答えられる一冊です。日本の現代文学の案内役を務めてくれた著者には頭が下がります。
是非、タイムリーな改訂版を出して欲しいと思うとともに、日本の近代文学全般(明治以降)のレイティングにも挑戦していただきたいと思います。
紙の本
読書ガイドとして効果を発揮
2001/05/25 01:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジャク - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読んで読書量が増えた。
ぺらぺらと眺めていると、「これ読んでみたいな。」とか「これも面白そうだな。」と、本が読みたくなってくる。
元来、現在出版されている岩波文庫を紹介した「岩波文庫解説目録」を眺めていても楽しい質なので、そこに主観が加わったようで面白い。
人にススメられた本はやはり読みたくなってしまう。
現代作家100人の主要作品574点を、100点満点で採点したブックガイド。作品の評価を数値化してしまうというのは、賛否両論あるだろうが、やはり理解はしやすく、また数多く作品を扱う場合はわかりやすい。
低い得点をつけられた作品も数多く、つけられた当人やファンにすればあまりいい気はしないであろうが、作品は作家の手を離れたら一人歩きするものだと思うので、誰かにどう批評されようが、後は気にするかしないかという問題ではないだろうか。
低い点数までしっかりとつけていることによって、相対的に高得点の作品を、より価値のあるものとしている。どれも80点を越えているような点数のつけ方だと、結局どの本をいいと言っているのかわからなくなってしまう。
この本では60点を越えているぐらいで、十分に読む価値があるという点数のつけ方なので、80、90点を越えているような作品は、かなりのオススメ本ということ。
現在のように大量の本が出版されていると、その中から良質の本を見つけるのには、技術や運も必要となってしまう。何を読もうか迷っている時、オススメの一冊。
紙の本
ゴシップとガイドとドンキホーテ
2000/07/19 04:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴょん太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴシップ的好奇心を刺激し、なおかつ本の購買ガイドとして使える、となればやはり買う価値はあるんじゃないかな。
例えば、ゴシップに関して言うなら、作品評などについて著者に激しい反論をぶつけた柳美里の評価は何点だろう、とか、政治的姿勢が似ているように見える石原慎太郎はどんなふうに評価されているだろう、とか、こちら側が勝手に想像を逞しくして楽しむ要素は結構ある。そして、もちろんブックガイドとしたって使えないことはない。そもそもそのための本だしね。
ただ、僕が疑問に思うのは、著者があちこちのインタビューなどで語る動機のほうである。要約すれば著者は、文学というものに対する共通の審美眼の再構築を目標の一つにしており、この本もそのために投じられた一石ということらしい。
けれども、ホントにそんな価値観の再構築が起きるのだろうか? 崩れたものは残念ながらもどらない、という実感を持つ僕としては、そこが一番信じられない。まあ、それは考え方の相違ということなんだろうけれど。
ともかく、そんな著者のドンキホーテ的(サンチョを思い出すのは禁止)チャレンジとして、読めば、それはそれで面白い。
紙の本
そうかな?
2002/05/11 00:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:琴 - この投稿者のレビュー一覧を見る
疑問をもちました。発想はとてもおもしろいし、好奇心に負けて読んでしまいましたが、「これは、どうなの?」と思うところが多かったです。
なぜかというと点数のつけ方がよくわからないから。知名度や完成度、印象度など審査には様々な側面があるはずです。が、ここには答えだけがぽんとのっていて、本に対するコメントも短く、十分な評価になっていないのではないかという気がしました。なので、主観としてこれをやるなら読者もそうかあ、と納得できると思うのですが、「世界的に見て」とか書かれると、やっぱり足りないものがあると感じます。まあ、おもしろかったんですけどね。
紙の本
我々は本当に文学を読んでいるか?
2000/07/22 13:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:加藤四郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
文学作品を点数で評価することに対して、異議を唱える人は多いだろう。「文学の価値は読者によって決められるべきだ」とか、「じゃあ百点満点の小説っていったいどんな小説だよ」だとか。
しかし点数化によって失われるものを十分承知で、この本は書かれている。それをさせたのは、現実にはびこっている文学の中の権威主義だということが、筆者の言葉から読み取れる。既に体質化してしまったこの文学の状況を打開するためには、正攻法では駄目だということだろう。かといって、この本に書かれている点数を鵜呑みにしてしまっては、この本の主旨を理解したとはいえない。読み取るべきなのは筆者の姿勢である。
読者は実は弱い立場にある。実質的に文学の価値を決めているのは、既成の作家が審査員を勤める文学賞であり、高名な批評家である。読者はそれに従って読むものを選ぶ。もちろん何らかの形で価値は提示されなければならないと思うが、その「価値」は押し付けられる一方なのだ。われわれは本当にその作品の価値を認めて読んでいるのだろうか。そう疑うことを思い出させてくれたというだけでも、この本には値打ちがある。
紙の本
所詮、イデオロギーの人
2011/09/19 10:39
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トグサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
保守系の人とは、勿論、認識していたが、偶然、図書館で借りた本がよく、ほかに購入した主に海外の作品を扱った本も思いのほかよかったので、著者が文壇にケンカ売る覚悟で書いた、また並々なる決意で書いたというようなことを述べる本書を購入した。
購入して心外だったのは、まず扱われているのが日本作家のみだということ。
そして、何ですか、このペラペラの内容は??
そこらのHOW TO物程度しか書かれていません。
これが、究極のブックガイドですか??
別に、点数付けが悪いといっているのではありません。
点数付けのほうが、読者にはわかりいいとは思います。
が、添えられている文章が、この程度では何もわかりません。
で、石原慎太郎と大江健三郎の項目を見て、あ~、やっぱり、この人、イデオロギーの人なんだなぁ。
今の文芸評論家で、論文の真意をつかめず、皮相な部分のみ拝借する程度の知性の持ち主を擁護するのは、おそらく彼くらいでしょう。
ただ、石原、大江の各作品の点数は、なんだか正直に反映しているような・・・。
この手の論客、必ず、三島、川端が海外で高く・・うんぬんをいいたがるのですが、それは、単なる彼らのエキゾチシズムによるもので、文学の価値とは全く別のものである。
それが近代文学、現代文学に反映しているか否かは別にして、日本には『源氏物語』などの宮廷文学、『平家物語』などの、もののあわれを描いた作品、『今昔物語』と多種多様な形式の物語があります。
江戸時代にもあります。
いい加減、川端や三島に代表させるのは、やめてもらいたいです。
目次だけは、面白そうだった解説本まで買ってしまった僕は、全くバカを見た。
念のため言っておきますが、福田和也のほかの作品も読むに値しないなどといってるわけではありません。
紙の本
客観的説得性の欠如
2004/05/02 10:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:13オミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
点数で序列化は素晴らしい。きちんと序列化の意義を冒頭で論じている点は評価される。できれば偏差値のほうがわかりやすかったかな。標準偏差を出すのはかなり難しいけど、偏差値40じゃ売っても意味ないねとかって家庭で母親からさんざ言われる受験生の辛さがわかるかも。
ところで、蓋を開けてみると内容はお粗末の一語に尽きる。受験生がもし偏差値40しかなく偏差値60の学校に入学するためには学力をどこまで引き上げるのかを細かく指摘した上の指導をしなければならない。この生徒はどの科目が出来ないのか? どの単元が弱点なのか? 合格のためには、どれくらいの割合で解けなければいけないのか? もし、福田氏が文学の将来を憂うのであれば、そこに言及しなければならなかったはずである。
点数で序列化するのであれば一定の尺度に基づいた客観的説得性がなければならない。テーマの普遍性・論理構成の確かさ・キャラクターのユニーク度・独自性などといったような尺度内容の細分化がない。単なる福田氏の主観からくる感想で終わっている。これで作家の値うちを論じるなどとは笑止だ。主観偏向とはいえ、普遍的な論理の枠組みを押さえて言うのと言わないのとでは全く異なる。やるからには徹底してもらわないと。
この本で読みたい本を探そうと思っていたが、読みたいと思えるような指摘がなかったことも残念だ。書評ではなく作家の値うちを計るのだから仕方ないが、点数の高い書籍に関しては、読者が読みたいと思わせる言葉を連ねるべきだったと思う。
こうした採点は採点されたほうがカチンとくる。内容はどうしても皮肉の要素が強くなるが、笑いを散りばめるという所作が必要だと思う。バランスだ。それが全くないので救いがない。切り口は面白いのに、内容が面白くない。
時間はかかってもいいから以上のようなことを含めた作家作品の検証をどこかでやってもらいたいものである。
紙の本
この本の値うちは、なあ〜に、なんだろう?
2004/04/11 15:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栗山光司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書が出版されたのは三年前か、瞬間湯沸かし器のごとき事件性のあった本だったという記憶はある。その口上の「見えを切った」福田さんの身振りは、マジ?って声をかけたくなったが、作者本人の熱気はマッチョに伝わる。
ー文学作品を、「点数」で序列化する。/それが異例であるのみならず、きわめて野蛮な行為だ、という批判は甘受する。/にもかかわらず、このような形をとらなければならない、つまりこうした形の包括的かつ単純明快な「評価」を提示しなければ、批評家としての責任を果たせない、ー
批評家の責任意識で俎上にあげられた作家は百人で、各人一人六冊以上の作品を評価する。物故作家は取り上げず、現役に限ると、まあ、その度胸には感服する。そして、入手可能な作品と、流通市場にも目配りが利いている。そのために「一人六冊以上」の基準がクリア出来なかった作家もいる。レストラン・ガイドの『ミシュラン』に対して『ゴー・エ・ミヨ』があるように本書に対しても、対抗する評価ガイドが出現してしかるべきであろう。しかし、不幸なことに同じリングで闘ってくれる文芸評論家がいなかった。福田さんの方法、戦略は敵役を引き受けてもいいから、リングにあがってやりましょうと、声かけたのに、そうは問屋が卸さなかったということでしょう。bk1に縁の深いヤスケンさんが、時々、場外でやりあったみたいだが、作品を通してでなく、人事っていうか、作品外の人としての振舞云々でやりあったみたい。
ヤスケンさんは物故したし、せっかくの壮大にして野蛮な勇気あるこの本も、あとに続かなければ、意味がない。オリンピックみたいに、三、四年で更新すべきでしょう。
ただ、料理やワインの評価と違って、小説となると、端から本質的な困難さがあるのではないかとの疑問がある。
《だから小説は読んでいる時間の中にしかない。音楽は音であり、絵は色と線の集合で、どちらもことばとははっきりと別の物質だから、みんな音楽や絵を言葉で伝えられないことを了解しているけれど、小説もまた読みながら感覚が運動する現前性なのだから言葉で伝えることはできない。
批評家・評論家・書評家の仕事は「読む」ことだと思われているがそれは間違いで、彼ら彼女らの仕事は「書く」ことだ。音楽や絵を語るのと同じように、彼ら彼女らは書くものが、自分が読んだ小説と別物であることを承知で、それについて仕事として「書く」。
「読むだけでは仕事にならないじゃないか」と言う人がいるかもしれないが、仕事にしないで「読む」人がいる。読者とはそういう人たちのことだ。批評家・評論家・書評家は、書くことを前提にして読むから、読者として読んだと言えるかどうか疑わしい。書くことを仕事としない読者でも、最近はインターネットで自分だけの書評サイトを持ったりすることもできるから、その人たちがどこまで読者として読んでいるかもまた疑わしい。》ー保坂和志著『小説をめぐって(四)』雑誌新潮よりー
ぼくらのネットを利用した書評は「書くことの熱情」に支えられたものでなく、「読んだことの感動」を記す振舞にあるとは、思うが、時として、色気が出て、「自己表出」が前面に出る場合が多いのも事実だ。
プロだから出来ること、アマチャだから、やれること、その境界線は不分明ですが、ムツカシク考えないで、ばらばらの振舞で書評を書いてみる。ただ、そのことで、「読む」ことが疎かになると、本末転倒で、まず料理を徹底して楽しむことが困難になる。
福田和也さんは、もう「読む」ことが楽しめない方なのかもしれない。
「読む至福」を犠牲にした成果が本書であるとしたら、何と、皮肉な話であろうか?
【葉っぱがアフォード・阿呆ダンス】
紙の本
2000/4/11夕刊
2000/10/21 00:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者自ら「究極かつ前代未聞」と言い切る異色の文芸書購入ガイド。ワインのガイド本よろしく、現代日本の小説家百人の約六百作品をすべて百点満点で評価している。大家とされる作家に対しても容赦のない採点は、日本文学への愛情の裏返しでもあろう。対抗する書物の出現が楽しみだ。
(C) 日本経済新聞社 1997-2000