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トオマス・マン短篇集(岩波文庫)
  • みんなの評価 5つ星のうち 3.8 11件
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この著者の新着情報

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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:1979
  • 出版社: 岩波書店
  • レーベル: 岩波文庫
  • サイズ:15cm/393p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-00-324334-X
  • 国内送料無料
文庫

紙の本

トオマス・マン短篇集 (岩波文庫)

著者 トーマス・マン (著),実吉 捷郎 (訳)

トオマス・マン短篇集 (岩波文庫)

972(税込)

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幻滅
墓地へゆく道
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みんなのレビュー11件

みんなの評価3.8

評価内訳

紙の本

低血圧文学

2013/06/09 14:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

何か人生の悩みを深刻に語っているような作品たちだ。描かれるのはいつも、繊細で、傷つきやすい人たち。彼らは情熱的で活動的、細かいことは気にせずに前向きに生きる周囲の人たちに付いていけない。そのため時に奇矯な振る舞いに及んでしまう。そういう人たちの心情を丹念に綴っているのだけど、これ読んだ人は共感し、真実味があると思うんだろうか。
病気がちだとか、障害があるとかでないし、運動が苦手でもない、ただ熱が高まるのに時間がかかる、虚弱というよりは血圧の低い人である。あるいは感受性が強い、とにかく誰とも分かり合えない人だ。当時は医学的な知識も現代と違い、そういう体質・気質が一定の比率で存在するとも知らないから、ただ自分自身の問題と思い込んで孤独に苛まされていく。
それでも彼らはいわゆる有産階級の人間で、傷つきながらも成長し、ある物語では挫折と諦めの生涯に向かうが、またある物語では人生を頓挫させる。
「飢えた人々」「鉄道事故」では貧しい人々の視点も織り交ぜられ、「衣裳戸棚」「予言者の家で」では幻視に溺れる人々が登場する。この初期作品集の中で、作者の視座が広がっていくことを見ると、その後作品世界がどのように展開していくのか気になる。
ここでの人物達は多く芸術的才能を媒介にして、世の中に関わろうとする。一方で世間がその才能にどれほど褒めそやしたところで、本気で関心があるわけでなく単なるお追従に過ぎないことも徐々に自覚する。彼らに与えられるのは、行き止まりの道筋だけだ。しかし芸術でも科学でも、世の中全体が水準が上がっていれば、それを活かす場所も生まれて来るのが歴史の流れであって、それが存在するはずだと予感しつつも、未だ見つけられないだけだ。
新しい時代の到来を期待するがゆえに、もがき苦しむ若者達。だがほんの微かの希望があるだけでも、彼らは救われていることにいつか気付くだろう。

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紙の本

インサイダーとアウトサイダーの対比

2001/09/12 10:57

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:上善如水 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 太宰の『人間失格』のモデルかと思われる『道化者』が出色。作品全体のテーマとして、社交性に富むインサイダーと自閉的なアウトサイダーとの対比が多く描かれている。

 特に若者に読んでもらいたい短編集。『道化者』に登場する主人公や『小フリイデマン氏』に登場するフリイデマン氏。彼らの中に自分の一面を見つける人も多いのではないだろうか。また、彼らの心の痛みを感じることができる社会であれば昨今の痛々しい、いじめ問題などはありえないはず。

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2007/04/12 21:45

投稿元:ブクログ

人間的な苦悩を芸術的情熱の火で浄めてゆくシラーの姿を浮き彫りにした「悩みのひととき」。精神的には優れたものを持ちながら、実生活の上ではみじめな馬鹿おどりをしているにすぎぬ「道化者」。その他「幻滅」 「幸福への意志」 「予言者の家で」など清新な創造意欲の息吹にみちたマンの初期短編から17編を収録。(表紙の解説から)

2006/10/25 21:26

投稿元:ブクログ

とりあえず『トリスタン』だけ読みました。やっぱり自然描写がステキ。あと、音楽が聞こえてきそうですね。

2009/10/18 21:51

投稿元:ブクログ

マンの初期作品集。
やはりうまいなぁと思わされたかと思うと、
急におもしろくなくなったり。
おそらく自分の集中力不足が原因です。
古典や名著はかなり神経も想像力も使うからよい訓練になるよね。

●道化者
【人間の内的体験というものは、その人間が外的に束縛されていない超世間な平穏な生き方をしていればしているほど、ますます心を疲らすようになりはしないか】
【活動の人になることを避けたところで、どんなに閑寂な荒野へ引っ込んだところで、人生の転変は内面的におそってくる】
【俺は作中のどんな人物をも感情で理解して、その中におれ自身を認めようとする】
【俺は豪も社会に奉仕することなく、あえて己自身の生活を行くことにしたとき、無論社会とは絶縁し、社会をあきらめてしまった。もしおれが幸福であるために、世間の人たちを必要としていたなら、今時分は立派な商売人になっていたはずだ】
【おれは低いところに座ったなり、あの貴重な及びがたい人が、あんなくだらないやつと、しゃべったり笑ったりしているのを遠くから闇の中からうらやましく眺めるばかりだ】
【この恋はずっと前から、苛立ち悩んでいるおれの虚栄心が生んだものではなかろうか】
【社会の蔑視と黙殺とをこらえるのはあまりに見栄坊だし、社会の喝采なしには暮らせない、このおれは】
【世間の人たちは、自分のことをあまり熱心に没頭しているから、本気になって他人についての意見を持つ暇がない。】
【みんなは、君が安んじて君自身に表するその尊敬の度合いをそのまま喜んで受け入れてしまう】

●小フリイデマン氏
【いっさいが享楽に値すること、そして幸福な体験とか不幸な体験とか区別するのがほとんどばかげていることを彼は悟った】
【こんな香りがいまさらなんであろうか。今まで自分の幸福をなしていたもの、それをみんな自分にとっていまさらなんであろうか】
【心配しそう警告するすべての声をそれこそ筋肉を働かせて、心に中に押し付けながら彼はきっぱりと決めた】

●幸福への意思
【こんなに長い間死を征服してきたのは、ただひとえに幸福への意思のおかげだった】

●ルイスヒョン
【いったい自分で自分を軽蔑しているくせに、卑屈と虚栄から愛想を良くしよう、人に気に入られようと思っている人間ほどみっともないものはない】

●飢えた人々
【自分のあこがれている人をほんの一瞬でも暗い気持ちにさせ、これはと考え込ませ同情させたいというひそかな望みとともに、黙って昂然としてすてばちに逃げ出すことに慣れきっていた】
【地上のすべてが迷誤なのではあるまいか】

●ある幸福
【自分が今どんな気持ちでいるかそれを夫がみてくれればいいのに。そうすれば自分に関係のある感情が、せめて夫の胸に宿るわけだから】
【幸福というものが、その間を憧憬があちこちとさまよう二つの世界がしばらくの間、おぼつかなく相よっては一つになるときに限るのだから】

●預言者の家で
【みんな言葉の値打ちを知っているので黙っている】

●悩みのひととき
【自分が苦悩と試練の時代だと思っていた、あの貧弱と無名の年月こそ実は豊かな多産な時期だった】
【混沌の中へ陥らぬことだ。すくなくともそこに停滞せぬことだ】

●殴り合い
【他人から尊敬されるには、ただ自分で自分を重んじればよい】

2009/07/04 01:40

投稿元:ブクログ

マンの初期短篇17篇。最後の「鉄道事故」が、私には最も印象的でした。私が初めて手にしたマンが、この本だったはず。誰か或る作家のものを読もうとするとき、最も有名なものからか、そうでなければ短篇集か詩集から入る、というのが、いつのまにか私の習慣になっていました。いきなり長篇、は、敷居が高すぎるような気もして(それで挫折したら悲しいし)。「今、何を読んでるの? と訊くと、貴女は必ず、何々を読んでるじゃなくて、誰それを読んでる、って答えるんですね」と言われて初めて、気づきました。たしかに私は、同じ人の書いたものを、まずは少なくとも2〜3冊以上続けて読んでみます。それで気に入ったら、そのとき手に入る限りのものをまとめて読むし、その後も新刊が出たら手にとることになる。いつのまにか、そういうことになっていました。さて、この短篇集はもちろん、ヴェニスに死すとかトニオ・クレーゲルに至るため、勝手に「入門」と決めた1冊でした。20年以上前に読了したというサインが入っています。

2011/03/21 00:17

投稿元:ブクログ

難しい感じがして、途中で集中力が途切れた。
けれどそれは、本の問題というより、自分の問題なのだと思う。最近の本の書き方とは違う気がするので、慣れていないだけだと。

そこはかとない狂気だなというのが最初の印象。それぞれの短編を読んでいくうちに、印象がころころ変わる。哀れだったり、自分に照らし合わせてひやりとしたり。

時間をおいて、また読んでみたい。

2012/11/14 23:29

投稿元:ブクログ

ううん…面白いのかなぁ?古典系は文体で好き嫌い出ますよね、もしかしたら訳者が合わないだけかもしれないけど。

「神の剣」の「知とは深刻な苦悩ですよ~…」ってくだりが好き。何も考えない方が愉快かもしれないけど、最後の最後で救われないかもしれないことを(いろいろ考えても悩むもののようにも思いますが)「知=煉獄の火」っていったのですかね。

「小フリイドマン」に妙に心惹かれた。オスカー・ワイルド的ななにかを感じる。

2011/01/23 21:09

投稿元:ブクログ

サウンド文学館・パルナス「トーマス・マン 衣裳戸棚 幻滅」北杜夫訳
退屈だった

衣裳戸棚:短い人生に絶望した男が死んだ。
幻滅:利己的で残酷で何もかもに幻滅している男の話。追い求める物を間違えているから幻滅しか手に入れられないんだ。

2014/05/28 23:36

投稿元:ブクログ

幻滅、神の剣は本当に素晴らしい。幻滅は言葉が心に響き、神の剣はひたすら美しかった。訳が古いのが、逆に味があって良い。
救われない、沈鬱な物語が多く、短篇であっても、実にトオマス・マンらしい。

2016/03/02 14:35

投稿元:ブクログ

長編「ベニスに死す」と同じく、短編も途中で哲学的な方向に暴走するのがトオマス・マン難点。愛犬家が読んだら激怒しそうな「トビアス・ミンデルニッケル」と、乱歩や夢野久作を思わせる幻想的な「衣装戸棚」の二編が傑作。