モンテ・クリスト伯 1 (岩波文庫)
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- 税込価格:798円(22pt)
- 発行年月:1979
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ユーザーレビュー- 「モンテ・クリスト伯 1」
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2007/05/12 22:01
復讐は簡単なものじゃない。人間は単純なものじゃない。
投稿者:栗太郎(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
この物語は、やはり完訳版で読んで欲しい。作品によっては抄訳版でも充分面白さが伝わるものもあるけれど、「モンテ・クリスト伯」は厳しい。主人公の性格からして、違ってしまうのだ。
息継ぎなしで語ってみれば、「無実の罪で牢獄に入れられた男が7年の後、脱獄に成功し、手に入れた莫大な富をもって、かつて自分を陥れた男たちに復讐していく」話だが、この一見単純なストーリーの随所に捻りを入れて引っぱりまくり、文庫本7冊を長いと感じさせずに、読ませる読ませる。流石、巨匠アレクサンドル・デュマだ。
最終巻である7巻も半ばを過ぎた所で、一人の青年が主人公モンテ・クリスト伯に言った。
「自由な、思慮をもった人間にたいして、そうした専制的な権利があるものとお考えのあたなは、いったいどういうお方なんです?」
彼は人生に絶望し自殺しようとしたところを、モンテ・クリスト伯に止められたのだが、「お前は何様なのか?」この問いかけこそ、物語を読み進めていく中で、私が幾度となく胸に浮かべたものだった。
無実の罪によって人生を狂わされた青年エドモン・ダンテスには、確かに自分を陥れた男達に復讐する権利があっただろう。法律や国家が正義の助けとならないならば、なおのこと。
だが彼は、エドモン・ダンテスであることを捨て、モンテ・クリスト伯という別人の顔で復讐を実行にうつした。復讐も善行も、全てを金の力に任せて進める彼のやり方に、私はどうにも馴染めなかった。報いを受けるべき者にも家族はいる。それぞれの生活も、守りたいものもある。そして、それが善意からなるものであっても、神のごとき君臨する立場から押しつけていいものか、と。
青年の糾弾が直接の原因ではないが、物語の終盤、モンテ・クリスト伯は揺れる。復讐を続けることに迷い、運命の皮肉に葛藤し、自らの引き起こしてしまった悲劇に恐れ戦く。彼の中で、捨て切ることができなかった心優しき青年エドモン・ダンテスが蘇ってしまうのだ。
性格のよろしくない私は、(もっと悩め、苦しめ)と、モンテ・クリスト伯の姿を面白がって読んでしまったが、彼もあっさり改心したり復讐を諦めたりするほど柔ではない。
このあたりの人間ドラマが「モンテ・クリスト伯」の一番の読みどころなのだが、やはり抄訳版だと、軽く流されてしまう。人間の複雑さを堪能するためには、やはり完訳版がお薦めだ。いや、本当に、ジュニア版を読んだ時はのけぞった。主人公の性格が変わっている! なんだか、単純に良い人すぎて、落ち着かなかった。
アルセーヌ・ルパンもそうだったが(彼もジュニア版と完訳版だと別人だと思う)、影があって、厭らしい部分もあってこそ、人間は面白いのだ。そんなことをしみじみ思わせてくれる完訳版「モンテ・クリスト伯」は、やっぱり名作だ。
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2004/12/31 22:15
★10個ぐらいあげたい!
投稿者:うさしー(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
「モンテ・クリスト伯」、いわずと知れた「巌窟王」である。
余りにも有名すぎて逆に今まで特別読みたいとも思わずにきてしまっていたが、
ここにきてちょっと興味を引かれ、今更のように手に取ってしまった。
全7巻もある長編だが、読み始めると長さを感じることもなくどんどん読み
進めることができる。
詳しいストーリーについては「勿体無い」のでここでは割愛させてもらうが、
人間関係が入り乱れての復讐劇が繰り広げられ、とにかく面白いのである。
大人が読んでこれほど面白く、またハマッてしまう物語は他にないだろう。
さすがに永年読み継がれてきただけのものはある。
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2002/02/06 16:41
「物語」の原初的な魅力
投稿者:ひろぐう(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
長大なお話で、読み始めるのにかなりの決心が要るが、いったん読み出すと面白くてやめられなくなる。
主人公のエドモン・ダンテスは、同僚らの陰謀によって婚約披露宴の席で逮捕され、無実の罪で牢獄へ送られる。お話は、彼が苦心の末に牢から脱獄し、自分を陥れた人々に復讐を果たすまでの波瀾万丈の大ロマンだ。
この話を読んでいると、現代の洗練された小説を読み慣れた私たちが忘れていた、「物語」のもつ原初的な魅力を思い出させてくれる。次にこの話はどんな風に展開するのだろう、窮地に陥った主人公がどうやって危機を脱出するのだろうと、手に汗にぎりハラハラドキドキするようなあの楽しさだ。
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2001/08/17 22:19
小説の面白さは、すべてここに集約されている!
投稿者:子竜(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説とは何か、と論ずるつもりはないが、「モンテ・クリスト伯」という長編小説が、人に文章を読ませ(読まずにはいられなくさせ)、多くの人を心底から楽しませるという迫力において、おそらく世界中の小説の最高峰に位置する作品であるというと、少々大げさに聞こえるであろうか。
しかし、それが事実であると言わざるをえない。
小説には様々なタイプがあり、面白いと評するにもいくつもの角度からいえるわけであるが、この小説をして「面白い」、或いは人を「夢中にさせる」と言って、いったい何人が異論を唱えるであろうか。
だれもが素直に十分に堪能できる、世界の傑作である。
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2001/05/16 12:23
読書の楽しみ
投稿者:たむ(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
全七巻というのもすごいが、第一巻がイントロダクションだけで終わってしまうのもすごい。それが読みはじめたら止められない面白さなのだから、なおすごい。



