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大工よ 屋根の梁を高く上げよ シーモア−序章−

  • 出版社:新潮社
  • サイズ:16cm/241p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-205703-X

大工よ 屋根の梁を高く上げよ シーモア−序章− (新潮文庫)

J.D.Salinger (著), 野崎 孝 (訳), 井上 謙治 (訳)

  • 全体の評価 3.52件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:58016pt
  • 発行年月:1980.8
  • 発送可能日:7~21日

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ユーザーレビュー- 「大工よ 屋根の梁を高く上げよ シーモア−序章−」

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2003/05/01 00:29

グラース・サーガを愛読する者にとって、何度でも立ち返りたくなる出発点。

投稿者:こたにりこ(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

まれに見る繊細な感受性を備えたグラース家の七人兄妹を描くシリーズの中でも、ずばり核心に踏み込んだ一冊、台風の目の部分だ。ついに、長兄シーモアの物語が始まった。

自らの結婚式を欠席し、ミュリエルと旅行に出てしまったシーモア。反対を押し切る必要もないのに、式当日になって花嫁その人を伴って「駆け落ち」を成立させてしまう。弟バディは冷や汗たらたらだったろうが、ミュリエルの関係者たちとの歯車がたぴしの会話も、『大工よ〜』ではまだユーモラスに見えなくもない。

だが、噛み合わない歯車を無理に回そうとすると、とてつもない負荷がかかるわけで。問題は『シーモア−序章−』で噴出する。

シーモアとミュリエルのその後は、先に発表された『バナナフィッシュにうってつけの日』に引き継がれたかたちである。そこで、バディは「グラース・サーガ」と『バナナフィッシュ〜』の連結作業に着手。シーモア自殺の要因について語るにかなりの枚数を費やす。これがひどく回りくどい調子なのだが、話をあちこちに飛ばすこんにゃく打法が、次第に心地よくなってくる。

バディ含め兄妹はあまりにもシーモアを神格化しすぎており、強い崇拝の色に巻かれた真相は、浮かび上がるよりも霧がかっていく。
実際には、シーモアは「神童」の延長線上に生きようとしながら、彼が嫌悪する卑俗さに首まで漬かったミュリエルとの結婚を決めた。ところが、土壇場に来て自らの決断から逃走、更には自殺。全く噛み合っていない歯車を無理に引き回した結果、引きちぎられて果てたのである。
残る六人は生きていく限り、噛み合うはずもない「俗世」を相手に苦しまなければならない、という恐るべき命題を突きつけられたことになる。

誤解を恐れずに書けば、引きちぎられる前に際どいところで小さな勝利をおさめたのが、『フラニーとゾーイー』だと思っている。繊細なフラニーが俗者のレーンを恋人にした点は、シーモアがミュリエルを選んだことと奇妙に符合する。シーモアやフラニーの精神を引き裂くような悲劇が起こり、後を受けたバディやゾーイーが愛をこめて言葉の曲芸を披露する、というパターンも符合するのだ。色濃い遺伝を感じずにはいられない。

徹底的に痛めつけられたフラニーを救うにあたり、ゾーイーはシーモアの伝説性を拝借する。生身のシーモアその人は救われなかったけれど、彼は死によって弟妹たちを答えに導く「伝説」の存在に昇華した。今後、弟妹たちが鋭敏すぎる神経で自分自身を傷つける時、シーモアの名が心の寄りかかれる柱になっていくことを遥かに想像させる。

「序章」というからには出発点に過ぎないのだろうが、「著者が生きているうちにグラース一家の謎を解き明かせ!」と意気込むのは、それこそ危険な「純粋の性急さ」(『薔薇の名前』のウィリアムの台詞)かも。迷宮から脱出しようとする時、入口を出口に使う方法がある。将来、「グラース・サーガ」の続篇が登場するかも分からないが、少なくとも目的の一つは既に果たされているような気がする。本書は「グラース・サーガ」を愛読する者にとって、何度でも立ち返りたくなる出発点である。

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2000/08/16 03:41

隠遁生活って楽しいのかな?

投稿者:katokt(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 急にサリンジャーが読みたくなっちゃいました。この人ってまだ隠れてるのかな?隠遁だっけ?きっとライ麦畑でかなり儲かったんだろうな、なんて思っちゃうよね、ふつー。かえって隠れたり するから、興味をそそって目立つんだよ。ふつーにしてれば、目立たないのにね。意外と新手のプロモーションだったりして、ZARDみたいな。(なんかダークサイドな考え方だ、笑) 。この本は、書き出しが好きなわけ。詳しくは

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