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箱男

  • 出版社:新潮社
  • サイズ:16cm/219p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-112116-8

箱男 (新潮文庫)

安部 公房 (著)

  • 全体の評価 43件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:46013pt
  • 発行年月:1982.10
  • 発送可能日:購入できません

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ユーザーレビュー- 「箱男」

全体の評価
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評価内訳 全て(3件)
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2004/09/23 21:29

ムーヴィング・ボックスの苦痛と快楽

投稿者:脇博道(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

なんでまたよりによって箱のなかに入って街を徘徊しなければならない
のか一般の人々には理解に苦しむ事ではあるものの作者がそのような設
定をしてしまったのであるからとりあえずはその卓抜なアイデアを素直
に受け入れて読み進むしかないのであるがよくよく考えてみると暗箱か
らの視点というものはつまりカメラ・オブスキュラのピンホールから外
界を凝視している事とほとんど同義でありしてみればなかに入っている
男は映写機のメカニズムそのものに変容しているわけであり古くはラ・
メトリの人間機械論に忠実であり現代思想に照らして考えればドゥルー
ズ・ガタリの器官なき身体の逆説的実践とも考えられるわけでもあるし
文学的な類似性を思いおこせばカフカの変身にも安易には対比できるわ
けであるがこのような事を思考していては先に進まないので視点を変え
て視るという行為そのものに限定するならばこの視点の高さはちょうど
小津安二郎のカメラの視点の高さに近似しているではないかということ
は日本家屋の和室を視ればちょうどフィットするかもしれないのだがそ
のような場所を男は視るはずもなく街という視点がかなり高い場所をロ
ケーションの場所に選んだのであるから視えるものは夾雑物以外の何者
でもないのであるがそもそも街に存在するモノはそのようなモノがほと
んどであって対象としてのモノが面白いモノばかりであるはずはなく裸
形の事物そのものが視えてくる事はきわめて必然的ではあるものの掲載
されている写真は日常私たちがよく眼にするモノのみであるにもかかわ
らずどことなく異形性をまとった事物に感じられるのはやはり箱から視
ているという尋常ならざる事態ゆえかそうではなく本当はこう視える事
のほうが真実であるのかまったくもって定かではないがさて箱男はひと
りではなく転用されていろいろな立場にいる人々によって箱は使用され
るという事態になるわけでこうなってくると視るモノがおのずから異な
って来る事もまた必然性を帯びてくるのであって例えば現在において超
高層ビルのみを仰ぎ視たいという願望のみによって箱男に志願したなら
ばどのような工夫を凝らせばよいのだろうという本筋からはずれた空想
さえ浮かんでくる始末であるがとにかくこの文章においては箱男が遭遇
する具体的なストーリーには一切触れていないことにいまさらながら気
付いた始末であるのでぜひ本書を読んで頂いてその喜悲劇の数々を堪能
して頂きたいと切に願う次第である。

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2001/09/25 14:41

箱男

投稿者:ゲップ6号(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 安部公房の傑作。人間の実存の不確かさが箱男という寓意をつかって奇妙奇天烈に描かれている。作品の途中に写真が挿入されているのも魅力的。
 ダンボール箱を被って箱男になった男が見た世界とは? 気になる人は買うべし。

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2002/07/22 14:58

これって小説じゃないな

投稿者:りさこ(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

これって小説じゃないな。じゃあなに? 半分ホント、で半分は作ってる。
だって途中に写真がはさまってるんだけど、あれなんて別に撮った写真じゃなくて、絶対箱から撮った写真だと思うもん。
すごくリアルなんだ。
私の印象として、読者に本物っぽく思わせて書いたっていうんじゃなくて、どうしても自分で箱に入ってみたくてやってしまったちょっとねじのはずれたおじさん、しかもちょっと独自の哲学を持っているような薄気味の悪さ。そういうのがぷんぷんする。
箱男は町をさまよう、街を観察する、女を探しまわり、偽者登場…。
変な本だけど、一度は読んだことある人に感想を聞いてしまいたくなるような魅力もある。一度読んどいて損はないでしょう。

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