樽 (創元推理文庫)
フリーマン・ウイルス・クロフツ (著), 大久保 康雄 (訳)
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- 税込価格:777円(22pt)
- 発行年月:1981
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ユーザーレビュー- 「樽」
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2002/06/27 22:41
精神安定剤のようなものなのでしょうか
投稿者:矢野まひる(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
1920年代のミステリーが好きだ。最近読んだのはドロシー・セイヤーズとF.W.クロフツ。犯人探しをする探偵の動機がいいのだ(犯罪者の動機ではない)。彼らは犯罪者を裁くために犯人探しをしているのではないし、サイコパスの犯人の心理に分け入るつもりで捜査をしているのでもない。
彼らは、それがおもしろいから、やっているのだ。
サイコパスの犯人の心理描写にはもうあきあきしている。プロファイリング? それで何がわかるって言うんだろう。そんな話、わざわざ小説で読まなくたって、そこら中に転がっているじゃないか。精神分析で誰かを知ることはできない。私は、その人のやったこと・やらなかったこと、つまり行動で、その人がどんな人か知りたいのだ。
今日読み終わったクロフツの「樽」では、そういう探偵の視点に立った語り口がすごく新鮮だった。ボクはとことこ歩いて追いかける、だってそこに謎があるんだもん! これが歩かずにいられるものか! そういう視点。犯罪者を裁こうなんて少しも考えてないし、まして、プロファイリングの過程で犯人と同化してしまう自分自身を「人としてこれでいいのか?」なんて悩んだりはしないのだった。どうして犯人を追いかけるか? すごく単純で明快だ。なぜなら、そこに謎があるからだ! 私は、驚くべき犯人像を、犯人が仕掛けたトリックを探偵といっしょにとことこ追いかけることによって知ったのだった。たった一行の心理描写も必要ない。
フィクション(嘘の作り話)をおもしろがる・楽しむっていうのは、そういうことだと思う。おもしろいのは、人間の行動であって、人間の頭の中で起こっていること、ではない、と、最近、思う。
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2006/09/16 22:42
ミステリーの古典中の古典、今では、当たり前になっている基本の全てが詰まっています
投稿者:読み人(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーの古典中の古典です。
早川書房から、新訳で復刊されたので(大分前ですが)読んでみました。因みに、早川は復刊される確率がわりと高い版元だと、大森望御大も、雑誌「本の雑誌」で仰っていました。
みなさん、気長に待ちましょう。
イギリスの波止場で積荷を陸揚げ中のブルーフィンチ号、その一つの樽の中から、ソブリン金貨と、腕が、、、。というショッキングな幕開けで始まります。
その後、樽が二つになったり、三つになったり、はたまた、行方不明になったり、、。
兎に角、私たちが、今ミステリで当り前にしている、全てがここに
詰まっています、捜査する側の靴の底をすり減らしての地道な捜査、
証拠から色々推察される推論。そしてアリバイ崩し。
今となっては、ちょっと古ささえ感じられるこれらが、この本書「樽」から始まったわけです。
本書を読んで一番吃驚したのが、これ、所謂、派手なトリック、ハッタリやケレン味を全く廃したミステリで、不合理なものなど一切ありません。
(その分、退屈と、巻末の解説にも、ちらっと表現されていました)
普通は、なんでお前が捜査するんだ?と、いう突っ込みもろともせず、
主人公の探偵役が、越権捜査をして話は、進んでいくものですが、
本書では、三人も探偵役が、リレー形式で、捜査します。
そして、事実を、一つ一つ積み重ねて、犯人迫ります。
日本では、社会派というと違うジャンルを想像する人が違いると思いますが、全くその通りで全体的はな雰囲気は松本清張の社会派なんかに、近い感じですね。
昨今のアップテンポなミステリに比べると、
多少のんびりしている面もありますが、
90年近くも語り続けられてきただけは、ある作品で、大変力は、持っています。
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2001/05/07 23:27
渋い
投稿者:松内ききょう(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
葡萄酒のかわりに、死体と金貨の入った樽が荷揚げされ、しかも警察へ連絡中に忽然と姿を消してしまった。英仏両国にまたがって、大捜査網が敷かれるのだが果たして。
いわずとしれた、古典名作の一つ。クロフツの代表作とも言われていますね。舞台脇で光る脇役陣に比べると、入れ替わり立ち替わり推理を披露してくれる探偵役の地味さは、好き嫌いが別れるところらしいですが、私はこの飄々とした物語、結構好きです。







