- 出版社:新潮社
- サイズ:16cm/394p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-10-106403-2
火宅の人 上 (新潮文庫)
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(3件のユーザーレビュー)
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- 税込価格:660円(18pt)
- 発行年月:1982
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- 本
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ユーザーレビュー- 「火宅の人 上」
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2002/07/27 11:38
モデル小説なんてことばじゃ表せない
投稿者:るる(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
こりゃ面白い。
無頼派の書いた私小説。
非日常を描いた私小説。
すなわちそれ小説。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2001/10/15 12:40
自分がいる場所から逃げ出そうと転居や旅、浮気を繰り返した豪放磊落な男性の生活は、辿っていくだけで確かにお尻に火をつけられた心地する。無頼でいることは大変なのだ。
投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー)(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
檀一雄が檀ふみのお父さんであり、死後ベストセラーになった代表作『火宅の人』が昭和の文学史に残る大作であることは知っていたが、直接この本を読みたい、読まにゃと思ったのは、沢木耕太郎の『檀』がきっかけである。それは檀一雄の妻であるヨソ子さんの語りの形式をとった不思議なルポルタージュで、『リツ子その愛・その死』で亡くなった前妻とのことが書かれ、『火宅の人』で愛人とのことが書かれた「正妻」の気持ちが、興奮による熱もなく恨みがましい冷ややかさもなくフラットに表現されていて面白かった。
が、ようやくこの『火宅の人』を読んでみて、「あっ、こりゃあひどい。奥さんや子どもにはあんまりだ」と呆れてしまった。 太宰治などという実名が登場するが、本人や家族、愛人の名は小説としての名を与えられている。しかし、ヨソ子さんに言わせれば、小説として歪曲されていたり誇張されていたり創作の部分が多いのだが、それが却って何でこんな風に書くのだろうという失望やら怒りにもつながっているようで、それがなるほどよく分かる赤裸々な放蕩と情痴の告白になっている。
主人公の桂には4人の子がいる。進んでいくと1人増える。長男は前妻の子で不登校を繰り返した上、ちょっとした窃盗事件を起こす。次男は日本脳炎で全身に障害が残って、ほとんど寝たきりである。
そんな家庭の事情がありながら桂は家を出て、同郷の女優の卵とホテル住まい。仮宿にいることで、歯止めをかけていたつもりであるが、経済的な問題も出てきてアパートを借りることになり、やがて転居もする。
係累を食わせるためと新聞連載はじめ小説を書きつづけるが、ビールやウィスキーをがぶ呑みしたり、人と交わりながら騒ぐことも好きな<宵越しの銭は持たない>気質ゆえ、お金は入っては出て行き、原稿料を前借する場面も多々ある。家にはときどき帰るが長居はしない。学校から帰ったら遊ぼうと思っている子どもたちを裏切ったりする。子どもたちも、そんな風来坊の「チチ(呼び名)」に慣れていってしまう。
執拗までに書かれるのは、女という性に対する情欲と、うまいものは自分の手をかけて食べたいという食欲である。親子ほどにも年が違い少女の頃には娘のように面倒をみていた愛人の体をどう求め、公演や稽古で彼女が留守のときに湧いてくる性欲がどのようなものであるかが記述される。
ふたりの関係に区切りをつけたいということもあって受けた海外旅行の間も、偶然知った彼女の元の愛人に嫉妬の炎を燃やす。おまけに、米国で知り合った女性と行きずりのランデブーに及ぶのだ。
情欲に突き動かされる合い間には、買い物カゴを下げて食材を仕入れ、野性味あふれる料理を人びとに振舞う。
沢木耕太郎も指摘しているが「常に自分がいる場所から逃げたい」男の、煩悩を真っ向から引き受けた生の記録である。無頼として生きるしかない人の切実さがすごい勢いで迫ってくるし、だからこそ周りの人間を魅了し続けたことがよく分かる。
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2001/06/09 08:08
煩悩の極み
投稿者:典子(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
死の床にありながら、20年がかりの大作の最終章を、口述筆記してもらって書き上げたとい本書。まさしく煩悩の極み「火宅」であった。
愛人と情事にふけり、ニューヨークのホテルで自殺の真似事をする。これは小説にも出てくる太宰治のことが羨ましかったのではないかという、檀ふみの談話があった。
檀一雄は引っ越した先で食料を買い漁るのが好きで、「食べるのが好きなのではなく、料理するのが好きなのである」というのが何度かでてきて愉快に思った。
本書に登場している愛人「恵子」が書いた「檀一雄の光と影」という本もある。







