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車輪の下 改版

  • 出版社:新潮社
  • サイズ:16cm/234p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-200103-4

車輪の下 改版 (新潮文庫)

ヘッセ (著), 高橋 健二 (訳)

  • 全体の評価 41件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:3409pt
  • 発行年月:1983
  • 発送可能日:1~3日

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商品説明- 「車輪の下 改版」

ひたむきな自然児であるだけに傷つきやすい少年ハンスは、周囲の人々の期待にこたえようとひたすら勉強にうちこみ、神学校の入学試験に通った。だが、そこでの生活は少年の心を踏みにじる規則ずくめなものだった。少年らしい反抗に駆りたてられた彼は、学校を去って見習い工として出なおそうとする…。子どもの心と生活とを自らの文学のふるさととするヘッセの代表的自伝小説である。【「BOOK」データベースの商品解説】

ユーザーレビュー- 「車輪の下 改版」

全体の評価
4.0
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2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2008/06/28 13:59

振り回される人生も、ころがる人生も、周っている。

投稿者:佐々木 昇(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ヘッセ自身の経験をもとに書かれた小説ではあるが、時代の背景や場所は別にしても現代の日本にも十分に通じるものがあるのではないかと思う。
 天性の頭脳と努力の結果、神学校という頭脳集団に選抜された少年たちが集められ、将来の大学教授、役人、牧師というエリートコースを歩むことになる。その登竜門ともいうべき神学校に入学した主人公ハンス・ギーベンラートの心の葛藤を描いたのがこの作品だが、それはヘルマン・ヘッセ自身の心情をそのまま映し出しているといっても過言ではない。

 本人の意向よりも神学校の教師、少年たちの親や関係者という大人たちの名誉のために過酷な勉学を少年たちに強いていくが、それは「お前の将来のため」とうそぶく。
 そして、詰め込み教育の最中、わずかな疑問を心に抱いた少年たちの中から一人、二人と落伍者が出てくるが、ハンス・ギーベンラートも抜群の成績優秀者であったにもかかわらず、その一人に加わってしまう。現代においては「うつ病」は市民権を得た病のように思われているが、すでにこの時代においても症例があり、主人公もその範疇に加えられ強制的に帰郷させられている。

 少年の一時期、社会の底辺に生きる人々を軽蔑の目で見過ごすことがあるが、神学校を放り出され、社会のお荷物として故郷に戻ってきてからのハンス・ギーベンラートのそれらの人々を見つめる視線に変化が生じている場面は現代社会のどこにでもある光景と重なっている。
 そして、思春期の少年らしく、異性に対する心の葛藤も。

「車輪の下」という題名と内容との共通項をさぐると、大人たちが敷いたレールの上を進む主人公を車輪になぞらえたというべきだろうか。もしくは、仏教に詳しかったヘッセが輪廻転生の象徴ともいうべき「法輪」にも重ね合わせたのか。
 いずれにしても、晩年になって落ち着きを得たものの、ヘッセ自身、悩み苦しみ、波乱の生涯だったことを思うと、彼の人生行路の原点がここにあるということになる。

 ちなみに、巻末の解説を読んでいて、ヘッセが初めて見た日本人が新島襄であったということに驚いた。

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