紙の本
いい子でいる事に疲れたケサに共感。
2002/03/18 21:39
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投稿者:ルルド - この投稿者のレビュー一覧を見る
私も主人公のケサと同じくバレエを習っていて家族構成も似ているせいか、とても共感できた。私も普段の生活で人間関係や物事うまくいかなかった時、体重を減らすことで満足感を得たりする。ケサの場合は、それが度を越して病気になってしまった。この病気は、身近にある問題だし、病気の事だけじゃなくて、精神的な問題も描かれていてとても深い作品だった。
ケサは、ニューヨークの高級住宅街に住み、学校でも優秀、家でもいい子。そんな何の問題もないような子でも心の奥には、両親の愛情不足などで孤独を感じていた。それが拒食症という問題になって表に現れたのだと思う。
心の中だけの問題が拒食症として現実の問題となった時、ケサは問題児になって家族を降り回した。でもそれは結果的にケサにとっても家族にとってもプラスになり、ケサは少しずつ変わり始め、周りもケサに対する考えが変わってくる。ケサを取り巻く環境が少しでも変わったことに感動したし、小説の最後には自分も勇気をもらったような気がした。
この本は、子供がよく理解できない大人の人にも読んでもらいたい。きっと10代の女の子の気持ちが理解できるだろう。
紙の本
心にささる一冊
2001/09/18 02:00
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投稿者:いるか - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は現在小児精神科医を目指して勉強中である。私の目標はこの本に出てくる心理療法家「シャーマン先生」だ。この本を読んだ高校生のころ、私は家族のことで何かもやもやしたものをかかえていた。当時は気付かなかったが今思うとそういうことなのだと思う。この本を読み、まるでシャーマン先生が私の心を理解してくれているようで、少しほっとした。その頃から漠然と医師になりたいと思い医学部に進学した。この選択は間違いなかったようだ。
テレビではよく思春期の心の闇についてとりあげている。小児精神科はこれからもっと必要とされるだろう。筆者の スティーブン・レベンクロンは皆がさけたがるこの難しい問題と真正面から向き合った素晴らしい人間だと心から尊敬する。
紙の本
少女が殻を破る時
2020/07/23 16:17
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
バレリーナへの憧れから、拒食症になっていくヒロインが痛ましいです。迷えるフランチェスカを導く、シャーマン先生の言葉が胸に刺さりました。
紙の本
自分中の不安。
2001/06/11 12:17
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投稿者:なな - この投稿者のレビュー一覧を見る
私も以前、拒食症だった。毎日、寂しくて、辛いという思いの中、自分と向き合い、自分と戦う事がこの病気を治す近道だと思う。その過程がこの本に書かれている。心を打たれるくらい、共感でき、自分の中のもやもやした不安が解決したように思う。
頭の中では、なんとなくわかっていても、いざ表現しようと思うとできない。それが上手く表現されていて、自分のなかの問題を整理するのに助かった。今、摂食障害で悩んでいる人には、ぜひ読んでもらいたい一冊である。
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中1のときに手にした文庫。バレエが大好きな少女が拒食にはしる過程を記述。
続編として『鏡の中の孤独』もあり。こちらは拒食から過食に陥ってしまう彼女とその家族、セラピストの物語。
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この本を買ったのはずーっと前。
摂食障害になる前だった。
1987年初版だから、ちょっと現代の認識とは違うところとかあるかもしれないけれど。
私が初めて摂食障害(拒食症)を知ったのはこの本を通してだったと思う。
まさか、数年後に自分が同じ道を歩むことになるとは思ってもいなかった。
なんでそんなに痩せたいのか。
本当の理由。
フランチェスカは見つけれたけれど、私はまだ見つけられない。
そもそも、私には理由なんてないんじゃないだろうか。
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レベンクロンのこのシリーズは痛々しいほどの思春期が溢れてます。拒食症の少女の話ですが、それだけではないところがこの本のすごいところ。自分を化け物のように感じていたケサがWSSのマリアのように鏡に映った自分を美しいと思えるようになった瞬間、こっちまで心の靄が晴れたような、そんな気持ちになりました。
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拒食症の女の子は、ただバレエのためにやせたいのではなかった。その心の奥には本当の理由が隠されていた。本人の気付かないままに。
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バレリーナを目指す優等生の「いいこ」な女の子が突然拒食症になる話。
食べることを拒絶して、骨と皮だけになってもまだやせたい。全然足りない。もっと痩せなきゃ。もっと。でも本当に足りないのは…。
サイコセラピストの優しさと、主人公の孤独さがすごくしみます。
入院後、母親に叫ぶ場面で号泣しました。
高1のときにこれを読んで、サイコセラピーというか臨床心理学に興味をもつようになりました。
(結果的には認知心理学に行っちゃったけどさ!)
主人公が拒食症と戦いながら初めて恋をする、続編も切なくていいです。
まったく別の主人公で、リストカットをやめられないフィギュアスケーターの話、「自傷する少女」も、オススメ。
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自身摂食障害で悩んでいたのでこの本は自分のやりきれなかった「想い」を自己投射というか吐き出させてくれて、読んだ後になんだかスーッとなる本でした。
本にもあるように、お父さんお母さん、それに思春期の女の子たちに是非是非読んで貰いたいです。もちろんそれに限らず誰にでも。
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拒食症、過食症、リストカットなどの現場を良く知り良く理解する大人・レベンクロン。この人の小説は一読の価値があります。壮絶な内容が、すごく受け入れ易く書いてある。続編の『鏡の中の孤独』も是非。
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摂食障害に陥った少女の物語です。
家族や思春期の自己否定感などを考えるうえで、とても参考になる1冊です。
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表紙がこれで合ってるか分かんないけど。
教室にあった本だから拒食症の女の子の内容だなんて思ってもみなくて
最初辺りはおもしろかったけど半ばは恐くなってくる程だった。
この本を読みながら食事なんて絶対できない。
ウィルソンだっけ?ケサの拒食を治した先生が登場した時から
『あー、この先生好きだなー』て思った。から最後まで登場してきてビックリ。
食べ物を拒否することは生きることやその他もろもろ様々な事を否定することだ
ってことは聞いたことがある。
だからケサは関心を引きたいがためにやったと分かったとき、
このことが自分自身でも分からなかった、【恐ろしいこと】なのかなあ、と思ったりもした。
私は普通よりも多めに食べる人だから、拒食症の人の気持ちは全く分からないし
この本を読んで『そこまで・・・(酷くなるんだ)』と衝撃を受けたぐらいだから
そんな世界で生きている人もいるんだなあと頭に入れておきたいと思った。
なにはともあれここまで読んでくれた人に感謝。つーか真面目に感想書いちゃったYO
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私にとっての「面白い小説」は「リアリティの感じられる小説」だ。
自分の実生活とはかけはなれたSFやファンタジーであっても、登場人物の考え方や感情にちゃんとリアリティは感じることができる。
このような「自分の実体験と直接かぶってはいなくても感じることのできるリアル」を特に顕著に感じたのがレベンクロンの『鏡の中の少女』だった。
これは拒食症になってしまったニューヨークの中流階級の少女の話だ。少女がなぜ食べるということを嫌悪するようになったのか。なぜ痩せているということに執着したのか。そして彼女がどうやってそこから立ち直っていったのかという話だ。
私は人生のあらゆる楽しみの中でおいしいものを食べることが一番好きだ。だから「食べることを嫌悪する」この少女と気持ちを共有することはできっこない。でもこの話はスゴイ。すごいリアリティ。食べることが何より大好きな私が、食べることをひたすら嫌悪するこの少女の気持ちをとてもとてもリアルに感じることができた。
突然、彼女がフォークに乗った食べ物に唇が触れることが気持ち悪いと感じ始めた瞬間。
突然、彼女が自分の「細くてとがった骨」が何よりも美しく思えるようになった瞬間。
この本の原題は『THE BEST LITTLE GIRL IN THE WORLD』という。
母親にさえ自分をあだ名や愛称で呼ばせなかった「誰よりも良い子」のフランチェスカ・ルイーズが、「食べないということを貫き通す勇気」を持った大胆で反抗的で「誰よりも特別」なケサという少女になった瞬間を、私はとてもリアルに感じた。
リアリティとはなんだろう。
感覚の共有ももちろん主要な条件ではあるけれど、でもそれだけだったらリアリティを感じられるSF小説やファンタジー小説なんて存在しないことになってしまう。
つまり問題は、それを実際に見たり体験したことのない読者にさえリアリティを感じさせる書き方ができるかどうか、ということなんだろう。
私がいつも読みたいと思う話は「説得力のある話」だ。その説得力というのが「読者にその話をリアルだと感じさせる力」なんだと思う。そしてその説得力を、この物語は間違いなく備えていると思う。
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中学生の頃に読んで衝撃を受け、大人になってから再読。
読み始めると止まらない。
両親の間違った接し方は、誰でもやってしまいそうな危うい過ちで、それゆえに摂食障害になってしまった少女の心の闇が分かりやすく描かれている。
正しい(と思われる)カウンセリングにも引き込まれる。