紙の本
タイトルに注意
2019/07/23 21:06
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
あとがきにあるように、タイトルは著者の意向とは少し異なる形でつけられたもよう。ローマ帝国の衰退のみではなく、少し退廃的な「ローマ人の反吐」を紹介してくれる。でももう少しローマの滅亡に触れてほしかった。
紙の本
ローマはなぜ滅んだか
2014/04/29 21:17
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投稿者:yoshiteru - この投稿者のレビュー一覧を見る
古代末期とまた違う角度から読めました。
紙の本
古代ローマの社会を知る一冊
2018/12/31 18:16
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投稿者:さらさばく - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者はフェリス女学院大学学長で経済史、古代ローマ市の専門家。
「ローマはなぜ滅んだか」は、編集部の案だそうです。
当初著者は、「このような問いには簡単に答えられるものではない」と抵抗するのですが、「何度か話し合ううちに、この表題は、専門のローマ史家が専門の知識を総動員して厳密に執筆することを期待して私に与えられたものではない、ということに気づいた」(あとがき)。
そこで、「先進国に生きている普通の人びとが漠然と、しかししだいに強く、懐いている先行きに対する不安」から大国の興亡の理由を知りたいという関心に応えようと書き下ろしたといいます。
専門家と、編集者の意図のずれが読み取れて興味深い一文でした。
西洋史を体系的に学んだことがないわたしは、固有名詞にもなじみがないものが多く、文字を追うだけで精一杯でしたが、もう少し勉強が進んだら読み返したいと思っています。
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「ローマ帝国の衰退とは、ローマによって現実的な歴史的世界たらしめられた『地中海世界』が、世界史の舞台での『中心』(大中心)の位置から降り、『周辺』たる『蛮族』世界(今やこれを第三世界と比喩的に言っても理解されるであろう)が中心の中に入りこみ、拡がり、やがて新たな『中心』がかつての『周辺』の中に生まれ、かつての『中心』が『周辺』となる、という世界史的な過程なのである」──本書より
かつて巨大文明を興し、『世界のローマ』をうたったにも関わらず、じわりじわりと滅亡にいたったローマ帝国。その興亡の過程を、歴史・文化・道徳的観念から透かし分析した書。これはベストセラーにもなったそうな。
同作者の、講談社から出ている『世界の歴史〈3〉永遠のローマ』という本かありますけど、この本はソレをもっと読み安く書き直したもの、のような印象をうけた。
『世界の歴史〈3〉永遠のローマ』→ http://detail.booklog.jp/asin/B000J9F1TM
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現代の文明化、環境破壊の問題にも繋がる部分が多い。塩野さんの書く内容とのギャップがあるので少々戸惑い中ー。
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だいぶ前の本ですね。これを買ったのは。それで書棚の中で埋もれていたのを整理した拍子に読んでみたところおもしろかったのでつい、ハマってしまいました。ローマ帝国の空前絶後の繁栄は、本書の出版当時のバブル期の日本とだぶります。ローマ帝国の最盛期には貧富の差が激しくなっており、これも日本に迫りつつある超階級社会の到来を予感させます。それに、裕福なものは競って、宴を催し、次の宴に出席するためにわざわざ、吐いてまで、空腹にして出かけた、というではないですか。唖然とします。しかも吐き捨てられた食物は路傍に捨てられ、貧しい民衆の眼前にさらされていたのです。ドンチャン騒ぎの果てに崩壊していくモラル。これもバブル期の日本と重なるように思えます。一般に五賢帝時代をローマの平和というそうですが、どっこい、その平和の裏には、大規模農園でコキ使われる奴隷の存在が支えていたのです。私はギリシャ時代にあこがれを持っていましたが、奴隷制を容認していた当時の哲人たちもローマ人とは変わりません。古典もそういう視点で読み返してみると、考え方が変わるかも。こんどはセネカあたりの著作を読んでみたいなぁ。
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夏休みの宿題で読みました!
ローマ人の生活って、こんな風になりたってたんだ―
と、理解することができました。
しかし6・7章に興味を持てなかった(;_;)
他の章は面白かったです。
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タイトルと内容が同一かといわれると疑問だけど。
中間部分で紹介されてる、女性解放とか性とかの話が何気なく一番面白い!
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[ 内容 ]
全世界から巨富を集め、繁栄の限りをつくしたローマ帝国。
食卓をにぎわす珍鳥・珍魚、文学に、スポーツに進出する「自由な女」、文化となった愛欲――。
「永遠」をうたわれた巨大文明の興亡の中に現代の超大国・日本の姿を透し見る。
[ 目次 ]
●権勢の絶頂にあって没落の日を思う
●現代世界との構造的類似性
●ローマ帝国の繁栄とは何か
●「そのとき人類は最も幸福であった」
●すべての道はローマに通ず
●最大の富豪――皇帝
●「食べるために吐き、吐くために食べる」
●性の自由を謳歌して
●ローマを支えたゲルマン出身者
●「周辺」と「中心」の逆転をうけいれられるか
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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あとがきを先に読んだ方がいいかも。
ローマ滅亡につて、歴史的な根拠をあげて論証する本ではない。現代の先進国と第三世界を当時のローマ(中心)と属州・蛮族(周辺)に重ねて、その関係を論じている。中心と周辺が逆転しつつあるとき、周辺に対し危機感を持ち排除を試みたのが「滅亡」の一因であるとしている。
没落の原因をローマ史からひもときたい人にはおすすめしない(私もその一人だった…)。ローマ史にはあまり触れられず、時系列も無視した構成なので読みにくい上、「なぜローマは滅んだか」結局よく分からない。そういう主旨の書ではないと気づくのに時間がかかった。
主旨が分かると、なかなか面白い。ローマ自身の拡大が刺激となり、軽んじていた周辺が脅威となる様は正に先進国と第三世界。避けられないグローバル化の波の中、各国はどう存在感を示していくのだろう。また、人間ひとりひとりはいかに振る舞うべきだろうか、考えさせられた。
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まずローマ帝国が成立している基盤を解説し、その爛熟した文化を紹介し、どのように衰退して行ったかを追う。帝国が維持されるためには整備された道路網が重要であったこと、経済は農業が中心であったことなどに説得力を感じる。序−「ローマはなぜ滅んだか」となぜ問うのか1 ローマ帝国の反映とは何か2 道路網の整備3 ローマ帝国の経済構造4 経済大国ローマの実体5 爛熟した文明の経済的基礎6 悪徳・不正・浪費・奢侈・美食7 性開放・女性解放・知性と教養と文化8 ローマ帝国の衰退とは何か9 第三世界(周辺)への評価の岐れ道10 ローマはなぜ滅んだかしかし、当時の資料を延々と引用し続けており、結局筆者が主張したいことが何なのかが分かりにくい。特に第7章はほとんどが資料の引用で埋められている。ローマが滅びた原因についても余りかかれていない。ローマが没落してゲルマンが台頭してきたことを繰り返し比喩的に表現したり、当時のローマ人の意識がどのようなものであったかを紹介することに力点が置かれている。これは「あとがき」によれば意図したものであるという。「私に求められているのは、専門のローマ市研究の経験と若干の蓄積を踏まえたうえで、一人の人として、人々と同じ不安を懐いている者として、自分に対する処方箋を書く、という一種価値的な選択をすることであろう。」「(ローマ没落原因論の)既存の原因論を、唯の一つも紹介せず、従ってあげつらうこともしなかったのは、同じ理由からである」として、ローマ史に興味を持つ人のために参考文献をまとめてある。どうやらローマ帝国の世相を通して現代を考えてもらう事を狙い、そのとおりに世相に絞って書かれているようだ。人文系の論述に特有なものなのではないかと思われる傾向も気になった。旧い勢力が新しい勢力にとってかわられることを「中心と周辺の位置が逆転した」と、持って回ったように表現することに意味があるのだろうか。他に、次のような書き方にどうも引っかかってしまう。・キーワードを思いつくまま並べて、接続詞で繋いでいく。接続詞の意味は問わない。・関連トピックを前後の流れやメインテーマとは関係なく挿入していく。文中にも「()」で挿入していく。・文を続けていって、思いついたところで「。」を打って終える。文としてのまとまりは気にしない。・文がある程度たまったら小見出しを付ける。小見出し以下の内容は必ずしも小見出しに対応しているわけではない。小見出しが表す内容はその前後にちりばめられている。こうした傾向が現在も慣習として続けられているのかどうかは分からない。しかし人に理解してもらおうとする文章を書く習慣が無いのではないか、という疑念が残る。
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80年代末期に書かれたので若干古いが、最近の日本の退廃文化はローマに通じる(文藝春秋 12年3月号)にも載っており、もう一度再評価されてもよいのではないだろうか?
内容は、前半でローマ帝国が周辺の地中海文化の中で、道路網、経済構造から奴隷なども含めた産業構造、そこでどのような文化が流行し、そしてほろんだかを説明する内容となっている。
やはり古いこともあって、内容が分かりやすい文体ではないが、著者はローマ帝国について数々書いてあるだけあって、内容には信ぴょう性が高いと思う。
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久々に読んだ弓削氏の著作。
歴史は「中心」が「周辺」を取り込むことを繰り返してきたが、ローマの取り込み方は、やはり逸脱。
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ローマ滅亡の原因の一つはゲルマン人蔑視を乗り越えられなかったことであるというのは、異民族への「寛容さ」と併吞がローマの興隆につながったことと併せて興味深い指摘だと思った。東ローマ帝国はゲルマン人を排除して残った「ローマ」だが、その差別意識によって後のユスティニアヌスの征服と維持は失敗したのかもしれない。
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『~なぜ滅んだか』というタイトルが気になった本。富が集中し、退廃的な生活のローマの上層社会と歴史の従属理論とを結び付けた構成。ただ一国の没落とその原因を語るだけではないので、歴史とはどう動くのかということを''知る''というよりは''感じる''ことができた。ローマに詳しくなくても、前提となるローマ社会への言及があったので、理解しやすかった。20年以上前に出た本とは思えないほどに、分かりやすく面白い良書。