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ゴールデン・フリース

  • 出版社:早川書房
  • サイズ:16cm/303p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-15-010991-5

ゴールデン・フリース (ハヤカワ文庫 SF)

ロバート・J・ソウヤー (著), 内田 昌之 (訳)

  • 全体の評価 42件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:73521pt
  • 発行年月:1992.11
  • 発送可能日:購入できません

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ユーザーレビュー- 「ゴールデン・フリース」

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2002/04/24 11:18

一気に読めるエンターテイメント

投稿者:しょこ(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 犯人が殺人を犯すシーンから始まるミステリー。刑事コロンボや古畑任三郎でもおなじみの形式ですが、犯人が一万人を超える人たちが乗っている調査宇宙船を操るコンピュータであったら…。
 この設定だけでもSF好きにはたまりませんが、中身がすべてコンピュータの一人称でかかれているというのもすごいです。
 船内の状況を一度に把握し、すべてのオンライン情報を管理し、個人個人の体調や気分まで読み取る。こんなことはとても人間では出来ません。この第十世代システム「イアソン」が女性科学者を手にかけます。しかも彼女が自殺したような工作を施して。
 彼女の自殺を信じられない元夫が、やがていくつかの矛盾に気がつきます。
 イアソンが殺人まで犯して守ろうとしたものは? 遺体に隠された謎は?
 人間くさい「イアソン」に引きずられ、とにかく最後まで一気に読まされました。いかにもSFといった設定のもかかわらず、ミステリーとして楽しめたのは「イアソン」の功績ですね。
 ロバート・J・ソウヤーの小説では短いほうですので、入門編にはちょうどいいかも。彼の本は読まないと損ですよ。
 

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2001/04/26 00:48

コンピュータの一人称で書かれた、倒叙手法のSFミステリの傑作。

投稿者:Y.Kanzaki(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この作品は、犯人の視点から物語を描くという、ミステリではお馴染みの倒叙と呼ばれる手法で書かれた作品です。が、SF作品らしく、「人間ではない存在」が「人間達の行動や推理」を冷ややかに観察してゆくという、実にスリリングな、SFミステリの傑作として仕上がっています。

 コンピュータ《イアソン》は、一万人の乗組員を乗せた、移民宇宙船《アルゴ》の全機能を管理している電子頭脳。だが、ある日、ある理由から、一人の女性科学者をコンピュータ・システムを利用して殺害する。自殺に見せかけたその方法に、乗組員の誰もが騙されるが、ただ一人、彼女の前夫であるアーロン・ロスマンだけが疑いを抱く。「彼女には自殺する理由なんてなかった筈だ……」

 独自に真相究明を始めたアーロンを、コンピュータ《イアソン》は、様々な方法で攪乱する。船の全てを管理している《イアソン》は、コンピュータ・システムのデータを改竄することは勿論、乗組員全員の健康管理システムを通して、人間達の心の動き、生理的な反応までモニターできるのだ。そのような、神の如き能力を持つコンピュータに立ち向かえる手段はあるのだろうか? そして、《イアソン》が乗組員を殺害した動機とは?

 何となく懐かしい感じがあって、明るいユーモアに溢れた作風が魅力のソウヤー作品ですが、本作もその魅力が存分に発揮されています。コンピュータ《イアソン》の一人称で書くという手法がうまく効果をあげており、SF作品ならではの、《イアソン》のアーロンに対する、あっと驚く対抗策も読みどころの一つ。
 倒叙ミステリではありますが、犯行の動機だけは最後まで隠されているので、それを知りたいという欲求から、読者は物語の中へ、ぐいぐいと引き込まれてしまいます。

 活字SFというと、何となく小難しそうだと敬遠ぎみの方にも、安心してお薦めできる一作です。《イアソン》の飄々とした魅力に乗せられているうちに、結末の謎解きまで気持ちよく誘導されてゆく快感を、ぜひ味わって頂きたいと思います。

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