オスとメス=性の不思議 (講談社現代新書)
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- 税込価格:777円(22pt)
- 発行年月:1993.3
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ユーザーレビュー- 「オスとメス=性の不思議」
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2010/03/27 00:09
性と繁殖の世界の不思議を通して生物の生の世界を垣間見せてくれる良書
投稿者:Skywriter(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
身の回りの生き物を見ていると、オスとメスがいて、性を介して繁殖していることが当たり前のように見える。犬や猫やネズミといった哺乳類、ニワトリやカラスといった鳥類、カブトムシやクワガタやカエルといった他の生物も然り。
見ても違いが分からないとしても、交尾のときにメスがオスを食べてしまうと言われるカマキリ(実際はほとんどのオスは逃げるらしいが)、中々見る機会は無いが、女王アリとオスアリといったことも知られている。
それなのに、本書はまず性と繁殖は本来無関係、と説く。では何のために、こうまで性は多くの種に採用されているのか。その答えは、バクテリアの接合から見えてくる。言ってしまえば、感染症対策である。
意外ではあるが興味深いつかみに始まり、気がついてみれば生物の繁殖戦略を広く眺めるという、知的好奇心をくすぐる旅に出ていることになる。孔雀に見られるようにオスが過度に華麗になる理由は何か。魚類では、小さいときはメス、大きくなるとオスというように性転換をする種があるが、それは何故か。オスが子育てをする種がいるのは何故か。
これらは全て性戦略の問題で説明できることを、本書は示している。だが、本書の面白さは、この性戦略を通して、様々な生物種がどのような生を過ごしているかが見えてくることではないだろうか。繁殖こそ生の目的であり理由であるのだから、性を見つめることは生を理解することなくして語れない。だからそこに面白さがあると思う。
本書のラストにおいて、では人間社会において性はどうあるべきか、という問いかけを行っている。性差は作られたものという生物学的な差を認めない態度も、他の動物種の行動を安易に人間に当てはめる態度も、共に間違っている、というのが著者の結論になっている。それは私も賛成したい。
性をどうするかは、社会的な合意の下で営まれるのだから、自分の浮気を正当化するのに生物学的な理由を述べるのは正当ではないと思う。遺伝的、生物的な理由による性差を理解しつつ、互いを認め合っていければこれに越したことはないのだろう。
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