- 出版社:新潮社
- サイズ:16cm/206p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-10-109847-6
つねならぬ話 (新潮文庫)
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(1件のユーザーレビュー)
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- 税込価格:380円(10pt)
- 発行年月:1994.7
- 発送可能日:7~21日
- 本
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収録作品一覧- 「つねならぬ話」
| はじまりの物語 | 9-44 | |
|---|---|---|
| もしかしての物語 | 45-78 | |
| お寺の昔話 | 79-98 |
ユーザーレビュー- 「つねならぬ話」
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2011/09/12 16:04
つねならぬ状態となった作者が綴る物語。
投稿者:toku(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
粗いなぁ、といった感じ。
星新一作品の味わいは、人物の心理描写などを省いたシンプルさと、絶妙に組み立てられた物語の構成、ユニークな着想、意外な結末などが、高度にバランスされていること。
しかし、本書に収録の作品は、どれも、まとまった形を成しているが、文章や構成に、かなり粗い印象を受ける。
そう思うのは、「できそこない博物館」で紹介されている、作品にならなかったものの、それなりに物語として出来上がっているメモの文章と似ているからだ。そして、そこに共通するのは、思い浮かんだ着想と話の展開を、そのまま文章にしていった、という感じなのだ。
と、思っていると、それを示唆するようなものがあった。
「二月九日の夜、なにかが私に乗り移った。これらの話が、三時間半ほどのあいだに、頭のなかに語られた。……中略……作家生活は長いが、苦しまずにアイデアがひらめくなど、年に一作あるかないかだ。この十四枚のメモは、次の日になっても、書斎の机の上に残っていた。順序は、そのまま。私の文章になったのは、いたしかたあるまい」
これは、本書の最後に収録されている【話】(ささやかれた物語の章)という作品の一部である。
ささやかれた物語の章は、この話を除いて十四話。上の十四枚のメモと重なるし、ささやかれた物語という章のタイトルも意味深だ。きっと、つねならぬ状態になった作者自身を描いたに違いない。
この、なにかが乗り移って話を語り、それを記した文章スタイルが、収録作品全体にも感じられて、先の感想となる。
星新一作品の味わいが薄まって、なんとなく物足りない。
そんな中から、気に入ったものをピックアップ。
【夜空】
UFOを見ていないなんて、おかしいと言う友人。山のペンションに泊まり込み、UFO目撃を試みる。努力するものの、なかなか見えない。
悲哀感が不安に変わり、感情が揺れ動き、やがて、持ってゆきどころのない怒りがこみあげてきたとき、それを見た。
UFOを見た男への、友人の助言が面白い。小咄的。
【古い家】
迫力ある霊が現れるという幽霊屋敷の所有者の元に、コンサルタントをしている男が訪れた。
その男が提示した、その屋敷の利用法とは。
ブラックジョークのたぐいか、それとも迫力ある幽霊の有効活用か。お化け屋敷じゃ芸がない。
【筒】
海岸に流れ着いた太い竹の筒。口を当てて声を出してみると、理解不能な別の言葉が出てきた。使い方は分からない。
ある日、子供が妙なことを口にした「クカロレン、ソラキバツ」。思いついて、竹の筒を当ててみると、理解できる言葉が出てきた。「あすの夜、大津波」と。
この筒があったなら……。
【収録作品】
〈はじまりの物語〉
風の神話、表紙の神話、天空の神話、海の神話、やじうま神話、さざれ神話、ブガン神話、しらけ神話。
〈もしかしての物語〉
花も嵐も、旅情、海の若大将。
〈お寺の昔話〉
天狗、宿屋、古戦場、満月、花、門前町。
〈夢20夜〉
旅館、夜空、背中、老人、スパイ、ヨウカン、船、古い家、社会、花の女、災厄、夜の話、白い粉、風景、ネズミ、福、虫、営業、昔の話、部屋。
〈ささやかれた物語〉
壺、川、緑、雪、鳥、光、海、竹、鏡、筒、水、夜、寺、空、話。







