紙の本
流れは読めずも話は読みやすく最高
2021/01/20 00:06
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
各章で異なる興信所の探偵が主人公となり進められる斬新なミステリー。謎の女の目的が全く掴めず、読み始めはこんな形で展開していくとは想像もつかなかった。探偵のキャラとアプローチ法が非常に興味深く、息を飲み、潜めてしまうような臨場感に溢れた作品
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次々と興信所を訪れては、およそ事件とは思われない奇妙な依頼をしていく謎の女・平林貴子。いったい、彼女の本当の目的は何なのか? やがて、それぞれの調査報告が、ひとつの輪のように繋がって隠された大事件の全容が明らかになっていく。斬新なスタイルで、読者に挑戦する華麗なるメドレー・ミステリー。 ――文庫裏表紙より
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サブタイトルは5W1H殺人事件。
WHO?――カメラの持ち主を探してほしい。
WHERE?――Vではじまる単語二つが書かれた緑色のマッチの喫茶店を探してほしい。
WHY?――車の後部シートがはずされた理由を調べてほしい。
HOW?――テープに録音された雑音としか思えない音の中に隠されたものを解読してほしい。
WHEN?――宇野茂男を岡本の空き地へ呼び出して「吉池礼司はいつ戻るのか」と訊いてほしい。
WHAT?――謎解き。
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平林貴子と名乗る謎の女の依頼にまず興味を惹かれる。一見大したことのない事柄のようなこともあるのに、連絡先も依頼の理由も何も明かさないのである。彼女は最終的に何を知りたいのだろう、と勘繰りたくなるのである。しかも、何軒もの興信所にばらばらに違う依頼をするわけも不明なまま物語は進むのである。一軒の興信所が調べ上げた事柄だけでは事件の真相に近づくことはできず、ばらばらに暴かれた真実を繋ぎ合せる手や目や頭がなければ 何も形にならないのである。それは刑事の役目である。だが・・・・・。
思ってもいなかった結末に、気が滅入る。
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次々と興信所を訪れては、およそ事件とは思われない奇妙な依頼をしていく謎の女・平林貴子。
いったい、彼女の本当の目的は何なのか。やがて、それぞれの調査報告が、ひとつの輪の
ように繋がって隠された大事件の全容が明らかになっていく。斬新なスタイルで、読者に
挑戦する華麗なるメドレー・ミステリー。
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探偵も、使い方次第では便利な小道具になるのだと感服した。まったく先の読めない展開だが、読者に与えるストレスは皆無。その逆で、作者の自信が透けて見えるシンプルな筆致に突き動かされるように、ページを繰る手が止まらない。それぞれの調査は微妙にリンクしてるのだが、そこに登場するパーツがてんでばらばらなので手がかりさえも掴めない。私は別の姑息な観点から真相に思い当たったのだが、それまで堪能していた展開の“先”がぼんやり見えてしまった時点で、徐々につまらなくなってしまった。真相解明のシーンはだらだらと長いし、お粗末なキャラや尻切れトンボ的なラストも気に入らないが、それでも、この特異なストーリーに振り回される快感は、経験してみて損はない。
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ミステリー長編。
次々と興信所を訪れては奇妙な依頼をする女。この謎の女の依頼を繋ぎ合わせていくとそこには驚くべき真実が待ち受けていた・・・!!
わぁお!!斬新な設定(*´ー`) さっすがですね。おもしろい。女が次々と興信所を訪れるので、章ごとに舞台となる興信所が異なります。銘々の興信所で奇妙な依頼をし、それが一応解決される。そして女は次の興信所へ行きまた奇妙な依頼をする・・・。これが幾度か繰り返されるうちに事件の真相が読者にのみわかってくるのです。
そしてラスト。びっくりです。そうきたかっ!!この意外性がミステリーの一番の見せ所。ここを外さないのはやはり岡嶋二人さんです。
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次々と興信所を訪れては、およそ事件とは思われない奇妙な依頼をしていく謎の女・平林貴子。いったい、彼女の本当の目的は何なのか。やがて、それぞれの調査報告が、ひとつの輪のように繋がって隠された大事件の全容が明らかになっていく。斬新なスタイルで、読者に挑戦する華麗なるメドレー・ミステリー。
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<内容>
次々と興信所を訪れては、およそ事件とは思われない奇妙な依頼をしていく謎の女・平林貴子。いったい、彼女の本当の目的は何なのか。やがて、それぞれの調査報告が、ひとつの輪のように繋がって隠された大事件の全容が明らかになっていく。斬新なスタイルで、読者に挑戦する華麗なるメドレー・ミステリー。
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一章一章で場面が変わり最後に全てが繋がって一件落着というドラクエ4みたいな物語。
一気に読まないと内容を忘れる(笑
ひとつひとつが歯切れ悪く終わっているので読んでいる人を引き付けるし面白い。
でもオチがこれまでの展開からすると少し読めてしまってがっかりした。
もっと登場人物を増やして容疑者をしぼらせないほうがいいと思う反面、これ以上登場人物が増えると覚えてられないというジレンマに陥る。
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『99%の誘拐』を読んだ直後に手にした作品。
個人的にはこちらの方がとても好き。
最後まで読むと、連作短編ってやっぱりいいなと思う。素晴らしい!タイトルも秀逸。
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次々と興信所を訪れては、奇妙な依頼をしていく謎の女・平林貴子。彼女の調べてる目的は、なんなのか?てんでんばらばらに見える調査報告書が一つの輪のようになり隠された大事件が明らかになっていく。
6つの章からなるこの作品は、一つの章に一つの興信所と言う感じで進んでいきます。個性豊かな興信所の探偵達が物語を作って行きます。
始めは、はて?と感じで進みますが、徐々に面白さが増していきます。
後半は、実に面白いです。途中で犯人が解る作品もありますよね〜。
この犯人は、最後まで読まないと解りません俺も解りませんでした〜
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次々と興信所を梯子して、およそ事件とは思われない依頼をする謎の女。
彼女の目的は一体?
最後に明らかになる真実とは?
岡島二人が放つ驚愕のメドレー・ミステリ!!
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うーん、さすがだ。共通するのは、数々の探偵事務所に奇妙な依頼をしていく謎の女。
ラストで畳みかける様な解決はさすがです。
カセットテープとか懐かしいな…!そういうのに記録するのあったよね。うんうん。
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奇妙としか言い様のない依頼をしていく女性。
それは全て違う興信所へのもの。
短編のつながりもの? と思ったのですが
そうでないような、そうなような…。
全てが繋がった先にあった終末に、驚くべきか呆れるべきか。
怪しい、とはかけらも思いませんでした。
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まるで関係のないように見える事件が、実は一本の線で結ばれていたと言うタイプの話。
こう書いてしまうと、よくあるパターンのように見えるけど、これは見事です。たいていの場合、途中でつながりが見えてきてしまうんですが、この話は本当に最後の章までつながっている線が見えないのですよ。
派手さはないけど、上手く練られてるなあと思いました。ちゃんと5W1Hになっていて、ほんと最後までどうつながるのかわからないんですよ。
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作品内では、調査によって得られた情報を集約できる立場の人間は殆ど登場しないのが、読者は文字通り特権的に集約できる。これは作者の真意は分からないけど、どう考えても「読者への挑戦」だと思います。推理小説好きとしては、何としても真相を見破りたいと思わせるような遊び心溢れる1冊。ちなみに、残念ながら私は見事に犯人を間違えました。