紙の本
言葉の言い間違い?
2017/07/29 13:17
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投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ふんとに」「ずさましい」等々言葉遊びなのか、この言い換えに何か意味があるのか中々わからなくて、すらりと内容に入っていきづらいところがあった。もうひとつヒロインのやたらと発する「おしっこ」も、どうにもいただけなくて中盤まではかなり読むのがしんどかった。
ただ「おしっこ」にはトリックにつながるところがあったので、必要性ありだったらしいが、それでもちょっとつらい。
トリック的には「招かれざる客たちのビュッフェ」のほうがよほど面白かったというのが正直なところか。
ラストはクリスティの「鏡は横のひび割れて」を彷彿とさせる展開だった点が救いかもしれない。
紙の本
主人公に難あり
2017/05/17 21:46
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投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公のサリーは明らかに精神の均衡を欠いているので感情移入しにくかった。彼女と彼女の友人たちが嘘つきばかりで、実はこうだった、本当はああゆうことだった、ということが後半にポンポン出てくるので謎ときに関してはあまりフェアじゃないかも。
紙の本
とにかく怖いまでの筆力を持った作者による、本格犯人捜し
2002/03/01 01:54
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投稿者:キイスミアキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
たった一作だけ映画に出演しただけで、女優としてのキャリアを終わらされてしまった美貌のサリー・ムーンは、主演した映画のリヴァイバル上映を観た帰りに、見知らぬ男性と車を交換することになる。交換した車にはあるものが載せられていて…。
物語の冒頭に明記されている9名の登場人物のうち、1人が殺され1人が犯人という犯人探しの本格ミステリー。
まずは登場人物の一覧という形での読者への挑戦状にクラリとさせられた。次には、事件現場の図面を見て、作者の本気を知ってクラクラ。登場する探偵役の警部が口にする、事件とはいくつもの破片を集めたコラージュだという台詞で、もうグラグラに。
ときには論理的な弱さが指摘されることもあるブランドだが、怖い情景を描ける作家としての力量が作品全体を包む込み、独自の雰囲気を醸し出せる、数少ないミステリ作家の一人であることは間違いない。
終局間近になってから二転三転する構成も見事。
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物語的にはなんかメインになってる人が気に入らなくて読みにくかったんだけど最後の真相はさすがブランドといったところ。解説に書いてあったイギリス版「黒いトランク」ってのも理解できる。しかし全く感情移入の出来ないメイン人物だったな。もしかしてこれもミスディレクション?
全体的に出来はまあまあ。やはり他の傑作群と比べてしまうのはしかたないことなのかも。
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嵐の中の車の交換、尾行されているかもしれないというヒロインの恐怖感。映画的な雰囲気を醸し出しております。
また、キャラクターの一人一人がとてもよく描かれていて(これはブランド作品全作にいえる)、その辺りを楽しむことも可能。それが、終盤に差し掛かると、物寂しい気持ちにさせる演出とつながってくる。
どんでん返しも健在!! やはりブランドの作品、はずれはないなとつくづく感じました。
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真相だけを取り出せば案外あっさりしたものだと思うけれど。そこに至るまでの過程がなんともトリッキーで凝った構成。二転三転、整理しながら読まなきゃわけが分からなくなりますよこれは。もちろん、読み応えはばっちり。ちなみに最初の方にあるのって言うなれば「読者への挑戦」みたいなものですよね。
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自分の命が狙われていると怯える元映画女優のヒロイン、ゲイの衣装デザイナー、出自の不明なイタリア人などエキセントリックなキャラクターが次々と登場し、最初から最後までサスペンスフルな展開に、映画を見ているようなミステリだった。どちらかというと「イヤミス」ですw
これが遺作なんですね。
ラストに畳みかけるように襲いかかるどんでん返しにはさすがブランド!といった感じですが、なぜか非常に読むのに苦戦しました…。
なぜだろう。訳文のせいかしら…。
「チキンサンドイッチ」の事だと思うのだけれど、それを「チッキングサングウィッチ」とか、いかにも発音ベースっぽい表記になっている記述がちらほら含まれていて、非常に読みにくかった。
何か、原文の方でこういう表記をしなきゃいけない、「訛り」的な記述になってたのかなぁ。。。謎。
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嵐の夜、倒木に行く手をふさがれたサリーと見知らぬ男は仕方なくそれぞれの車を交換した。
翌日サリーが交換した車のトランクから知人女性の死体が見つかって…。
本格でサスペンス。
冒頭に登場人物一覧があって、「この9人の中に被害者と犯人がいる。共謀はない」と読者に挑むかのような提示がなされている。被害者はすぐにわかるので、問題は殺人犯。
エキセントリックな主人公サリーと、彼女の7人の取り巻きの誰が犯人なのか。
基本的にサリーの目線で話は進むのだけど、とにかく読み難かった。
オチを読めばその理由も納得だし、そう思わせる手法も巧いと感じるのだけれど、そこに行き着くまでが辛かった…。
話全体でサリーの人間性を表しているようにも感じた。
最後にいくつもの真実を薔薇の花びらのように重ねて、犯人を浮かび上がらせる場面は読み応えあり。
犯人はなんとなく読んでる途中でわかるんだけど、事件を混乱させた各人の役割がよく練られているなぁと。しかしそれも計算のうえでのことだと思うけれど、なんかアンバランスさの際立つ作品だった。
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ミステリーとして有名なブランドもの。
その名の示す通りブランド品で庶民にはちょっと手の届きにくい内容・・・どたばたなんだか、本格なんだか。
それでも格調高いって訳でもないけれど不思議な翻訳本。
個性豊かな登場人物たちにシテヤラテタ感はありました。
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東京創元社の2015年復刊フェアにて購入。
元映画女優でやや(かなり?)エキセントリックな女性をヒロインに据えたサスペンス。どうもこの主人公のヒステリックかつエキセントリックなところに引き摺られて、相対的に周りの登場人物が微妙に霞んでしまうのが残念だった。ストーリーの盛り上がりやトリックは面白かったのだが。
最後まで読み終えると、どうも彼女は独り相撲で全てを失ったのでは……と思えてならない。
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登場人物のほぼ全員が奇天烈な言動。そのせいで滑稽な喜劇を観ているような気持ちになるのだが、最後の最後で、実はこれは悲劇だったのだと気がつく、そんな話。
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倒木で車が通れなくなり、倒木の反対側で停車していた同車種の車両と一時的に交換、翌日その交換した車両から死体が発見されるという冒頭のエピソードは非常に面白い。
最初のページに「配役」の一覧表があり、「以上の九人のなかに、殺人の被害者と犯人がいる。この殺人には共謀はないものとする」と宣言されているので、当初は犯人当ての本格もののように思ったが、最後まで読むと、正直肩透かしといった印象。最後の数ページになるまで犯人はわからないし、曖昧な書き方で終わっている。
犯人偽装のトリックが使われてはいるが、あまりパッとしたものではないし、論理的な推理もない。
複数の登場人物が隠し事をした結果、真相が見えにくくなっている事件。それを解きほぐすのが主眼のミステリだが、真相を知っても納得感はなかった。
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晩年のブランドの作品
車の入れ替え、死体の発見という序盤の展開ですごくワクワクする
最盛期には及ばないものの、謎やプロットの錯綜のさせ方にブランドらしい切れ味が光っている
個性ある登場人物たちも楽しい
本格好きなら十分満足できる作品