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  • カテゴリ:中学生 高校生
  • 発行年月:1998.7
  • 出版社: 理論社
  • サイズ:19cm/275p
  • 利用対象:中学生 高校生
  • ISBN:4-652-07163-9

紙の本

カラフル

著者 森 絵都 (作)

【産経児童出版文化賞(第46回)】いいかげんな天使が、一度死んだはずのぼくに言った。「おめでとうございます、抽選にあたりました!」 ありがたくも、他人の体にホームステイす...

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カラフル

税込 1,650 15pt

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商品説明

【産経児童出版文化賞(第46回)】いいかげんな天使が、一度死んだはずのぼくに言った。「おめでとうございます、抽選にあたりました!」 ありがたくも、他人の体にホームステイすることになるという。ぐっとくる、ハートウォーミング・コメディ。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

森 絵都

略歴
〈森絵都〉1968年東京都生まれ。日本児童教育専門学校を卒業後、シナリオライターの仕事をはじめる。90年講談社児童文学新人賞受賞作「リズム」でデビュー。著書に「宇宙のみなしご」など。

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みんなのレビュー581件

みんなの評価4.3

評価内訳

紙の本

『自分』も実は自分のものじゃない

2002/07/10 19:16

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あさの - この投稿者のレビュー一覧を見る

 期待されたどんでんがえしの物語。
 
 この世界は、たかだか数十年、この肉体をかりてホームステイしているだけの場所だ。痛みも猜疑も、すべてこの狭い肉体から覗くから捕らわれる。失敗を恐れ、一歩を踏み出すことも、自分のやっていることの意味も見えない、なら。
 どうしてそこまで自分を愛するのだ、と思う。
 このちっぽけな肉体一つ、そんなに愛してどうする。
 そこにやどっているまだやわらかい心を、そんなに冷たい風から守ってどうする。
 世界はこんなに好奇心をくすぐるのに。
 どうしてそこに縮こまっているの?

 瓦礫の下に埋まっても、きっとキャンバスに置く一色を探している。暗闇の舞台で、叫ぶ言葉を復習っている。それは好奇心だ。世界が何色なのか、一切れのパンより、心をとらえて離さない。

 アブナイからやめなさいと言う言葉を紡ぐのは『おかあさん』だ。自分に呟いてどうする。

 たとえホームステイでも、殴られる痛みも、人を傷つけた痛みも、受けるのは自分だ。理不尽なホームステイ。だけどリタイアは許されない。ボスは勝手だからね。このゲーム。プラプラがゲームセットの笛を吹くまで、しゅっと、魂が消滅するまで、その痛みだけが、そのゲームの駒が自分だという証。

 このゲームができることを、この世界を『見る』ことができることを感謝しよう。それはそれこそ、『抽選』にあったったことと同じことなんだから。

 個人的なツボ。
 けっこうなキャラクターのお母さん。
 だけど。
 おかあさん、って、『あなた』を愛する全能の神じゃない。
 一人の人間の、おんなで、大人で、そして世界中の誰よりも、『あなた』を愛してる。
 未熟だけどとってもかわいい存在。

 そう思うだけで、世界はほんの少し違うはず。

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紙の本

私はこの物語に出会えたことが、嬉しい。

2002/03/08 16:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひこ・田中 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 大きな過ちを犯したため、輪廻のサイクルから外されるはずのぼく。ところがぼくの魂に「おめでとうございます。抽選にあたりました!」と天使がいう。
 なにそれ?
 悪い冗談? 
 ではなく、本当に、輪廻のサイクルにもう一度戻れるチャンスを与えてくれるらしい。そのためには、自殺を計り死にかけている中学3年生小林真の魂と入れ替わり、彼の家族とちゃんとやっていくこと。そうすれば、過去の記憶もよみがえって来て、犯した罪を許されるという。
 そこで当然ぼくは、小林真の体を借り、彼の家に魂のホームステイをすることとなる。
 なんだかふざけた設定みたいですが、そうではありません。
 天使のプラプラから与えられた情報では、真のところは平凡な愛情溢れる家庭のようにみえて、実はろでもない人々の寄り集まりの仮面家族らしい。
 真になってしまったぼくは、いやでもその裏の姿を見ることとなる。
 母親の不倫。自分のことしか考えていない父親。思いやりのない兄・・・。
 でも、この設定は、ロールプレイですから、家族や友人の裏と表を知ってもぼくは耐えられるようになっています。だって、ぼくは小林真じゃないから。
 こうして物語はある種の自由を得て、現代の「父親」や「母親」や「兄弟」、つまりは「家族」のカラフルさを描き出していく。
 果たしてこのロールプレイはゲームのようにリセットできるのか?
 そして、肝心のぼく自身は誰なのか?
 九〇年代、様々な家族の物語が書かれてきましたが、これがその中での代表的な作品になることは間違いありません。

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紙の本

7月17日今日のおすすめ

2000/11/14 16:22

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る

文学賞と言えば、芥川・直木両賞が有名だが、児童文学を対象とした野間児童文芸賞、路傍の石文学賞、椋鳩十賞児童文学賞などの存在を皆さんはご存知だろうか?

現在の児童書売上の低迷、特に児童文学におけるそれは凄まじいもので、これは児童文学賞の一般知名度にも影響を及ぼしている。その結果、児童文学賞は更にマイナー、というよりマニアックなものに現状位置していると言える。それ以前に、そもそも「児童文学」という言葉自体マニアックな響きになっている昨今だったりする。

 その児童文学界のトップランナー代表格の森絵都は、上記の賞を含め数々の児童文学賞を受賞している作家で、デビュー作(『リズム』(1991年 講談社))の時点で既に2つの賞(講談社児童文学新人賞、椋鳩十文学賞)を獲得している。これを一般文芸界で当てはめた場合どれになるかのはよくわからないが(一般文芸の文学賞自体乱立気味故)、相当彼女は児童文学界では注目作家なわけである。

 この作品は、14歳で自殺した少年の物語である。少年がどのような過程で自殺し、どのように再生していくかがテンポの良いサラサラとした文章で進んで行く。著者が書名『カラフル』に込めた意味は、普遍的なメッセージとして年齢層を問わずに伝わるものであろう。

 ちなみに『カラフル』は児童文学賞の類は受賞していないが、「本の雑誌」(編集長椎名誠 本の雑誌社)1998年のベスト10の第2位だった。

 大人の読者にも支持され、主人公と同じ年代の読者にも多く読まれている。これが現在のネオ児童文学のエッジである。まだ読まれていない‘本好き’は是非一読を。

(bk1児童書・絵本エディター馬場進矢)

--->森絵都新刊『ショート・トリップ』は児童
書・絵本サイトで紹介しています。

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紙の本

グレーもしくは黄色もしくは白

2004/08/14 22:36

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Sin - この投稿者のレビュー一覧を見る

正直オチがなぁ…とは思いました。
でも全体のストーリーは良いです*
普段見えないモノが見えるだけで人はこんなにも救われるのだろうか。
ならば何故普段から表現しないのだろう。
分かっているでしょ?と思っていても分かっていないものもある。
だからもっと表に出すべき。
飲み込んだ言葉も感情も大切なんだよ…

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紙の本

この体も人生も、「借り物」と思うと日々のしんどさがすこーしラクになれるかも。

2004/01/08 17:47

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:とじまき - この投稿者のレビュー一覧を見る

さくさく、と読めるジュニア小説。かな?
オチもそうくるしかないよなぁ、という結末。
「ぼく」の性格がこんなに開き直っていること、ちと大人びていること、が少々ひっかかるのだけど、必要なことなのかもしれない。

天使のアドバイスが沁みた。
いきづまった時、生きづらい時、「私」はこの体、この自分が今入っている体、この「誰か」の体にホームステイしている、と思ってみる。
そうすると、客観的に見られるからだろう。
ホームステイならば、いてる間は楽しんでやってみるか、と思える(時も、ある)。

長くてもたかだか数十年のホームステイ。
それならば「誰か」として、「私」はカラフルな世の中を満喫しちゃおうよ。

うん、そうしよう。

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紙の本

『宇宙のみなしご』とは違う良さ

2002/05/08 17:02

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:麒麟 - この投稿者のレビュー一覧を見る

森絵都さんの作品は、言葉の表現が巧いけれど、心に残るものがあまりないのでは、と『宇宙のみなしご』を読んだときに思ったのですが、本作品を読んでそれは誤りであったと思いました。

人はそれぞれに汚い部分を持っていて、でもきれいな部分も持っていて、あたり前のことだけれど、それを本作品の登場人物が、生きた形で表わしてくれています。
大人も子供も大変だ、男も女も大変だ、生きるって大変だ、と思いつつ、人生捨てたもんじゃないと、そんな風に思わせてくれる作品です。

話の展開が読めてしまうところもあったけれど、読めてもつまらなくなるわけでなく、最後まで一気に読めます。
個人的には『宇宙のみなしご』よりも、ずっとずっと好きな作品です。
心の奥まで、響くものがある作品です。
児童文学ですが、大人にも読んでほしい一冊です。

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紙の本

自分の色は輝いているんだろうか

2002/03/06 17:22

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:にこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 テンポよくすらすらっと読めるのは、主人公の性格が本当軽いから。だってそりゃ自分じゃない体を動かしているんなら、責任を取る必要なんてないもんね。
 だけれど読んでいくとちょっとずつ、いいかげんな主人公がその自分の入っている器に悲しみやあれこれを感じ始める。外から見るとわけがわからないと思える悩みや、深く共鳴できる悩み。友達や、女の子との出会い。だんだんと、何でこの体の本当の持ち主が自殺をしたのか、その気持ちも分かるようになってくる。

 私が個人的に感動したのは、兄が怒鳴るセリフだった。「どんな気持ちか考えてみろ!」自殺して、その後のことなんてきっと考えていなかった。それだけじゃない。自分が何かをして、その後周囲がどう思うかなんて考えたこともなかった。聞いたこともなかったのだから。口が悪くて、態度も荒いけれど、その兄の姿に厚い情を感じた。そして、主人公が家族が自分を、自分の色を大切にしようとしてくれる思いを前にして呟く。「初めての友達なんだ」。その小さいけれど、大きな一言はとてもとても深かった。

 生きることが輝いて見えない。そんな時この本をまた手にとりたい。ささやかな幸せや、忘れてしまった思いを思い出せる気がするから。

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紙の本

少年再生物語

2002/02/02 19:24

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:TAIRA - この投稿者のレビュー一覧を見る

 大きな罪を犯して死んだ「ぼく」が、最後のチャンスとして天使に与えられた課題は、自殺して死んだ「小林真」の身体を使っての下界生活だった。
 一見、平凡な普通の家族。けれど、人間を一色の色で表すことは出来ない。みんな色々な色を隠し持っている。汚い色も、美しい色も。親、兄弟、クラスメート、友人、初恋の人、そして小林真。複雑に絡み合う人間関係と、記憶をなくしている「ぼく」。カラフルなこの世界で、「ぼく」が見つけたものは?
 落ちこんでいる時に読むと、ほっとする話。頑張る力を与えてくれる1冊。

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紙の本

色まみれになって生きていこう!

2008/05/14 17:44

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:るるる☆ - この投稿者のレビュー一覧を見る

世の中のことってたった一色ではなくてよく見るといろんな色を秘めているのです。

自分だけで染めた単一な色の世界はとても落ち着くかもしれません。
主人公の真はそんな自分の殻に閉じこもる少年でした。
閉じこもるばかりで周りを見ようともしなかった。自分の思い込みで大事な人たちのことを誤解もしていました。

人との関わりで傷ついたり、苦しんだりもたくさんあるけど、人の力によって助けられることもまたたくさんあるのです。
それに自分だって人の力になっていることだってあるでしょう。

真は家族、クラスの友達、いろんな人とのかかわりの中でそう気付いていくのです。みんなと一緒に色まみれになって生きていこう!そう決心するのです。

肩肘張らないで、深刻にならないで・・
数十年間、今のこの体にホームステイさせてもらってるような感覚で、気軽に無責任に・・それくらいでちょうどいいんですよね。

自殺を図った少年の体にホームステイすることになったぼくの魂。
そんな奇想天外な設定を仕掛けて、実は森絵都さんは私たちにとっても素敵な生き方を教えてくれたのです。

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紙の本

出会って良かった本

2003/02/20 14:10

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る

物語は多分読者が願う方向のラストへと進むと思います。
子供の自殺というかなり深刻な出来事をテーマにしているのに重さを感じさせずに進む物語です。ただし伝えるモノは重く深いのですが…。

人は自分の人生を見つめるときにどうしても決めてしまった一色のカラーでしか物事が見えなくなりがちです。
自分の殻の中に閉じ篭り周りをちゃんと見れなくなる時があると思います。でもそこで塞ぎ込まずに周りを見渡せばそこには自分の気付かなかったカラフルな色で囲まれているのです。 私がこの本の中で一番好きだったのは辛い時は「ホームスティ」だと思えば良いという部分でした。 大人にも子供にもある意味人生の生き方を教えてくれる一冊です。

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紙の本

出会ったときの衝撃が

2020/05/02 14:08

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kazu - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本に出会って、初めて、時間を忘れて本を読みふける、という体験をしました。
こんなに、小説って面白いんだ。そう思わせてくれる作品で、私の原点でもある作品です。

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紙の本

本書に出会えたこと、幸福です。

2003/12/02 22:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オレンジマリー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 久々に弾んだ心で一気に読んでしまいました。
 近頃はまともにパソコンと睨み合う時間も持てず、本を一冊読み終えるたびにパソコンを恨めしく見つめ、嘆息をもらす。本を読むと、必ず何かしらの影響を得、感慨を持つ。そしてそれをこのbk1の場を借りて誰にというわけでもなく伝えたくなります。もうすでに、4冊分の感想が私の頭の中、胸中に舞っています…。そしてその一つを、今解放したいと思います。
 とは言ったものの、感情を文字に表すのは至難の業。こうしてbk1に書評を投稿する時は辞書を片手に、うな垂れる。なかなか思うようにぴたりと適切な言葉を見つけることができないのだ。言葉が変でも笑って許してやってください…。

 本書は罪を犯した魂が再びこの世に生まれ変わるチャンスを与えられるところから始まる。おかしな天使のキャラクターも好もしいですね。
 読み進めていくうちに、色々な思いやりや愛情が見えました。強い衝撃を受けると、その場一瞬の状況しか視野に入らず、大きな誤解をするという経験はみなさんもあるのではないでしょうか。後々冷静になって考えてみれば、早とちりしたなあ、あれにはきっと訳があるはずだと思えたりする。
 人は後悔なしでは成長できないと思います。生きている限り、数え切れないほどの後悔をし、苦悩する。そして後悔の苦さを胸に刻み、次は後悔のないようにと再び歩を進める。その繰り返しです。
 本書に登場する小林真、彼もまたホームステイすることによって様々なことを学ぶ。最初はやる気もなく陰鬱と毎日を過ごすが、少しずつ少しずつ日々が色彩豊かになっていく。不倫していた母親、まさかのハプニングで出世して嬉々とする父親、意地悪な兄。しかし視点を変えてみれば違う景色に出会える。モノトーンの世界だってカラフルになると知る。
 コメディ要素も目立つので、飽きずに読めます。
 クライマックスは最高でした。意外な結末で目を丸くしました。主人公は多大なものを得ました。そう、ほんの一歩踏み出しただけで世界は変わった。大事なのは、最初の一歩です。その先にはきっと待っている人がいます。
 失意のどん底にいる中高生、冷淡な感情で物事を見る中高生にぜひ読んでもらいたい。私も、もっともっと早く本書に接したかったです。「友情? そんなもの偽りだよ。愛情? そんなもの幻想だよ」そうでしょうか。きっと何かを見落としています。
 身近な物事、いつの間にか目を向けなくなってしまった物事を振り返るきっかけになりました。素晴らしい本だと思います。

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紙の本

この本を読めてうれしい!!

2002/11/06 08:54

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヨムヨム - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本を読めてうれしい!! 夢中になって最後まで読んでしまいました。思春期の暗ーい暗ーい悩みを明るく前向きに考えることの出来る一冊。果たして主人公は人生をリセットしてやり直すなんてうらやましいことができるのかどうか?
子どもたちが真っ直ぐ歩いていく力をわけてもらえる本だと思います。

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紙の本

だれかを嫌いになったときに

2002/06/12 22:48

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:柿右衛門 - この投稿者のレビュー一覧を見る

森絵都が書く作品はどれもすてきなメッセージが書かれている。
もちろん、この「カラフル」もしかりだ。
そして各所にちりばめられているエッセンスから何を読み取るかは人それぞれだと思う。

人にはいろんな面がある。しかし頭では理解しても、どうしても今見えている1つの面だけで他人を評価しがちである。
その人の全部の面をみることは不可能だとしても、自分にみせてる面がその人のすべてではないと思うことが大切だとおもうのだ。
それは自分についても同じで、自分自身についてもみえていない部分がまだまだ一杯ある。
今見えている部分だけを見つめて何かをあきらめていないだろうか?

そう、私たちは一色だけではない。
とってもカラフルな存在なのだ。

「ぼくらはみんないつも迷ってる
 どれがほんとの色だかわからなくて
 どれが自分の色だかわからなくて」

自分の可能性をひろげ、
人間を好きにさせてくれる一作である。

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紙の本

中学生くらいのときに出会いたかった本

2002/06/08 10:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:やまざきむひ - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公は前世に大きなあやまちを犯した魂。本来なら消滅し、2度と生まれ変われない運命だった。そこへいい加減な天使が現れて「おめでとうございます、見事抽選にあたりました!」。

再挑戦のチャンスが与えられ、借りものの体でめでたくもない下界生活に。魂の「僕」の修業ステイ先は、中学3年、自殺で10分前に臨終を告げられた小林真の体。奇跡、ということで生き返ったわけだが、前世の記憶をすっかりなくしている上に、新たなホームステイ先の様子がさっぱりわからない。
天使プラプラのガイドで何とかやっていくわけだが、仮の宿と思っているから、思ったことは言うし、やりたいことはやる。小林真の周囲はびっくり。こんなやつだったっけ? 

そのうち「僕」は気付く。小林真自身も、彼を取り巻く友人・家族も、この人はこう、と決めつけられるものではなく、様々な面を——色を——併せ持つことに。自殺の原因が見えてくる。自分をこうだと思いこむあまり、気持ちが縮こまり、身動きできなくなって死んでしまった小林真……。

「僕」は言う。
とりかえしがつかないことばかりなのではなく、お前が早まったんだよ。

さて、この後はお楽しみ、ぜひ読んで感じてください。「カラフル」というタイトルにこめられた作者の思いがうれしい。中高生くらいで読みたかったなあ、と切に思います。

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