紙の本
山風版八犬伝
2020/09/24 20:51
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投稿者:honto好き - この投稿者のレビュー一覧を見る
「忠孝悌仁義礼智信」の八顆の珠が「淫戯乱盗狂惑悦弄」にすり替えられた。里見家取り潰しを防ぐため、服部半蔵率いる八人のくノ一に八犬士の子孫が挑む。が、そもそも八つの徳目にうんざりしていた八犬士たちは、忍法修行をしていた卍谷を抜け出し、江戸で自由気ままに過ごしていた。そんな彼らは里見家のためではなく、聖女のような村雨の御方のために命がけでくノ一たちに挑んでいく。ご先祖様と正反対の性格で、忍者としては半人前の八犬士たちが活躍する山風版八犬伝。
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「南総里見八犬伝」が「事実」である世界の江戸時代、八犬士の子孫の出来損ない忍者達が、一人の姫を守るために繰り広げる死闘。ホントに出来損ないなので、あっけない死に方をしますが、その散り際が悲しくも美しい。山田風太郎忍法帖の中でも、秀逸の出来です。
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八犬士のメンバーがとにかく魅力的でおもしろいです。ラストもなかなか風流(?)がある終わり方で好きです。
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まず滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』を読んでから見ることを進めます。何故ならこの物語は『南総〜』が実際あっったことになっている時代のお話だから。『南総〜』の八犬士の子孫が初恋の姫君のために八つの玉を取り戻すために死闘を繰り広げる。だけどこの子孫てのが忍者の修行が辛くて途中で止めちゃった出来損ないだからどんどん減っていっちゃう。でもラストが一番グッと来る。
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ちょっとコメディタッチなところが最高です。毛野と小文吾の関係が気になって仕方ないんですが、角太郎もかなり好きです。四角い。
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八犬伝を元ネタにした忍法帖。素晴らしく傑作です。
八犬士のキャラの立ち加減がいい感じにコミカルだし、村雨挟んだ変なラブコメ風味とかも絶妙に面白い。
そんでもって後半の二転三転のどんでん返し。恐るべし風太郎。
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山田風太郎作品にずずいっとはまり込む原因になった作品。
犬が乗り物になって町を北へ南へ駆け抜ける!
あの八犬士は隠居して、その息子たちが繰り広げるという設定に感服。
とにかく好き。
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うわー、面白いってー。色っぽいし憧れの忍法をバンバン使うし兎に角すんごい面白いんだよ。そしてこれが八犬伝を元に作っているとあるんだから、夢中になるのも道理でしょう。
なんで、今まで読まなかったのだろうと思うほどに、山田風太郎氏好きになりました。
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「風来〜」と似たテイスト。とてもスピーディー。命を投げ出す犬士たち。わかってても泣けるぅ。でも虚無感がただようのがいかにも山風だ。
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滝沢馬琴「南総里見八犬伝」の設定を借りた山田風太郎流八犬伝。
忠義のない、やる気のない八犬士の子孫たちが、里見家を襲う陰謀に立ち向かいます。
「南総里見八犬伝」を詳しく知らないわたしでも十分に楽しめました。
登場人物達のキャラクター、物語の展開がぶっとんでいるのは忍法帖シリーズでは毎度の事ですが、本作では更に里見家の宝、伏姫の珠をあんなに風にしたりこんな風に扱ったりして度肝を抜かれっ放しです。
鍛え抜かれた伊賀忍者たちに対するのは忍者修行を途中で放り出した未熟者たちですが、実力の差を埋めるほどの個性を爆発させ、奇想天外な行動で惑わせていく姿が痛快。
美しい奥方、村雨の気を惹こうと命をかける八犬士達の戦いは潔く凄烈で手に汗握ります。
一方で、お互いに恋のライバルとしてけなしあい、嫉妬し合う八犬士たちのやりとりはかわいらしくほのぼのしました。
ド派手で前代未聞の戦いを繰り広げた後の、静まり返ったような虚しさ漂うラストが胸に沁みる一級品のエンターテイメント小説です。
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忍法帖シリーズ読了第2弾。何となく山田風太郎の作風というのが分かってきました。なんてフリーダム。
忠義のかけらもない(そもそも忠義の念を起こさせない里見家バカ殿だけど)八犬士の子孫たちがバカをやりながら可愛い思い出の君のためだけに半死半生になっていいところを見せようとする命がけのラブコメ。
山田風太郎も「皆殺して大団円」な作家だったんですね。
勝手気ままな子孫たちとはいえ、村雨さまのためなら本望と言わんばかりに進んで死んでいく様はちょっと切ないものがありました。特に犬田小文吾と犬坂毛野。
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あまりに有名な伝奇小説「南総里美八犬伝」をモチーフにした忍法帖、里美家断絶のピンチに八犬士の子孫が活躍するのですが…
名前こそ同じものの末裔たる彼等は揃いもそろってグータラで、彼等の父君が自害をもって招いたる危惧の責任をとったのに、彼等は知らん振り、しかしながら美貌の姫君村雨(やや天然)の頼みをもって立ち上がらざるを得なく…本当の動機は村雨に、いいとこ見せてやる!という、スケベ根性によるだけで、ここらへんないかにも忍法帖テイストに溢れていて好きなところです。
ところが黒幕たる本田正信き下、服部半蔵とくのいち達は強敵!奪われた珠を奪還すべくもその都度あっさりを犬士達は倒れていきます。もともと修行に出された甲賀卍谷を忍術修行が嫌で逃げ出してきた彼等なので、度胸とハッタリ出たとこ勝負に頼る故、繰り出す忍術も出したら己もそこまでよ!で、いいとこ見せたい!でそんなにやるのかよ!と思いつつも、その潔さが忍法帖2大潮流の一つだと思いました。
オリジナル八犬伝のキャラを踏襲しており、そのグータラふりもとても個性的です。また敵くのいちも同名のキャラ立ちがあって楽しめました。
そしてラスト…倒れ散っていく者の描写を、これほど叙情的ロマンに満ちた筆で描くとは!日本語の修辞と著者の技にただただ感激いたしました。
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八犬伝の息子たちが戦う話だった。……よね?
夜中だから取りに行けない、また修正します。
痛快でエロなのに切ないオチでした。
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困ったときの風太郎様で、まずバズレはない。
今回も超人忍者が出てきて、
エロいくノ一が出てくるんだろうと想像したら
まさにその通りでござった。
なんも考えずに読め、楽しめるでおじゃる。
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八犬伝である。安房里見家、伏姫に由来する八つの珠が、バカ殿のスケベ故にすり替えられてしまう。取り返すべし、甲賀で修行を積んだ八犬士の末裔よ! というアウトラインだが、実はネオ八犬士たちは、修行なんてかったりいこと出来るかよ、と既に甲賀を逃げ出して、思い思いの暮らしを満喫中。珠大事、忠義大事の古い家柄に辟易としていて、さてコイツらをどのようにして引っ張りだしたら良いのか。けれど里見家の仕掛けでは、彼らを動かすどころか、見つけることさえ出来なかった。
彼らを突き動かしたのは何か。何を隠そう、彼らには共通のアイドルがいたのだ。彼らが出奔することになった原因でもあり、それ故にこの使命を果たそうと決意をするだけのアイドルが。
さあこのアイドルがどんなエロい目に、と期待した人、忍法帖に毒されすぎですよ。例によって8対8の能力バトル、ではあるけれど、直接能力よりも、バトルを有利にするための背景の仕掛けに妙がある。兎も角、アイドル村雨姫に萌えろ(違うぜ)!