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ナシスの塔の物語

  • 出版社:ポプラ社
  • サイズ:20cm/218p
  • 利用対象:中学生
  • ISBN:4-591-06011-X

ナシスの塔の物語 (青春と文学)

みお ちづる (作), 田村 映二 (画)

  • 全体の評価 44件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,26036pt
  • 発行年月:1999.2
  • 発送可能日:購入できません

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商品説明- 「ナシスの塔の物語」

【椋鳩十児童文学賞(第10回)】【児童文芸新人賞(第29回)】砂漠の小さな町ナシスに生まれ育った少年リュタ。リュタは人々に侮蔑と親しみをこめてトンビと呼ばれる男に密かな連帯感を抱いていた。ある日、町に現れた商人によって、ナシスの町が、そしてトンビが変わっていく。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「ナシスの塔の物語」

みお ちづる

略歴
〈みお〉1968年埼玉県生まれ。日本大学文理学部心理学科卒業。「季節風」「にじゅうまる」「天気輪」同人。

ユーザーレビュー- 「ナシスの塔の物語」

全体の評価
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2002/02/26 06:08

小粒だけれどよくまとまった作品

投稿者:かけだし読書レビュアー(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 派手なドラマがある訳でもなくて、楽しい、面白いというよりも、小粒だけれどよくまとまった作品。新しい文化をとりいれて変わりはじめる街。愚か者と馬鹿にされながらも石を積み重ねて塔を築くトンビ。変わる街で淡々と変わらずに生きる彼の生き方が印象的だった。そんなトンビ同様、石を積み重ねるように経験を重ね、職人として一人前となる主人公の少年もよく描けている。作者が書きたいことを書いた、といった気持ちが伝わってくるような物語。文章も丁寧で読みやすい。

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2002/03/23 16:16

忘れてはいけない大切なものって…

投稿者:山村まひろ(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 砂漠の町・ナシスに、隊商とともにやってきたはぐるま屋のドロス。
 ロバやラクダなしに、はぐるまを利用して動く車や、重い石を運ぶための石運び機などを次々に売り出し、町はどんどん様変わりしてゆく。
 パティー職人ラルドの息子・リュタは、パティーのタネこねもはぐるまでできることを知り、熱心にドロスのもとに通い始める。
 次々に隊商が訪れ、人も移り住んでくる中で、大切なものが失われていくことに気がつかない人々。やがて、町を砂嵐が襲う!?

 風見をする巫女のタリムばあさんに育てられ、石大工の親方のもとで石集めをする愚鈍な男・トンビの存在がキーポイントとなるこの物語は、パティー職人見習い修行中のリュタの成長を描いてゆきます。
 架空の町の物語であるはずだけれど、私たちが今生きているこの世界、この時代にも通じるメッセージが、込められているのです。
 変わることなく、ただただ石を選び、積み上げてゆくトンビの姿を、忘れてはいけないと思います

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2001/08/31 16:57

1999年度の大型新人作家の登場です。

投稿者:赤木かん子(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

1999年度の大型新人作家の登場です。
つまりこの物語が初めての作品だということなのよね。
で、まず表紙がカッコイイ!
文句なくカッコイイ!
表紙というのは一番の宣伝材料ですから、あっ、読んでみたい!と思わせることができた、ということはそれでもう半分クリアしたといってもいいでしょう。
編集者の勝利だね。
そうして、お話はといえば、砂漠に一番近い小さな町、ナシスを舞台に主人公は、ナシスで一番おいしいと評判の昔ながらのパン屋の息子です。
彼は、父親と父親のパンを自慢にし、自分も当然それを受け継ぐつもりで働き始めたのですが、来る日も来る日も下働きばかり。
当たり前だよね。そんな子どもに大事なパンを焼かせるわけがない。でも彼はそんなこともわからないおバカさんなわけでちょうど不満を持ち始めた時に、町に“はぐるま”つまり機械が入ってきます。
こういうバカさ加減とか、自分の実力も本当にわからないのにプライドだけは高いのって子どもだよね。
そうしてこれは手づくりにこだわる父親と新しい機械を入れて大量生産しようと思う息子との争いになっていくのですが、それだけでなく、砂漠という悪意はない、けれど暴れだせば恐ろしい大自然とどう折り合いをつけてナシスという町自体が生き延びるか、という問題や、はぐるまを作り出した男にもそれ相応の理由があって・・、などというテーマがお互いからみあって魅力的な物語になっています。
もちろんそれほど手慣れていないせいもあって、欠点はありますが、それ以上にこの不思議な町の物語に魅了されることができるのです。
ただこの話の続編を書くというのは難しいでしょう。もしやるとしたら、主人公を町の外へ旅出たせざるを得ないだろうと思います。
というわけで、二冊目を、急がなくていいですけど、そっと期待。
あっ、この物語は児童文芸新人賞をとりました。

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2001/03/29 10:59

ただ石を積んで…

投稿者:桐矢(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 さらさらと流れる砂の乾いた音が聞こえてくる。ナシスという砂漠の辺境の架空の街が舞台。
 昔ながらの職人の家に育ったリュタは、父親の様にりっぱな職人になることを目指して、修行の毎日を送っている。だが、その一方では、より早くより大量のものを魔法のように作り出すことの出来る、ドロスのはぐるまにも、憧れている。
 辺境の街は、はぐるまによって、変っていく。馬の代りに車が走り、砂漠を切り開き、新しい家が建ち並ぶようになる。はぐるま…人知の力は、砂漠…不毛の地を楽園に変えることが出来るのだろうか?
 愚者として登場するトンビは、最初から最後まで変わらない。街の外、荒れ果てた丘のうえに、ひたすら石を積み、たった一人で、高い塔を作り続けている。結果的にトンビは人々を救うことになるが、それはトンビがそうしようと思ってしたことではない。トンビはただ、空の上にいる死んでトンビになった母さんに会いたくて、ただその想いだけで石を積み続けたのだ。
 街を大きく住みやすくしていこうとしたドロス。昔ながらのやり方のなかに人としての幸せを探した職人たち。どちらが善でどちらが悪だと、言い切れるだろうか? 真実に一番近いところにいるかもしれないのが、愚者のトンビだった。
 架空の街のようすと暮らしがていねいに描写され、しっかりしたバックグラウンドがあることで、骨太のファンタジーになっている。

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