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童話物語

  • 出版社:幻冬舎
  • サイズ:20cm/545p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-87728-292-0

童話物語

向山 貴彦 (著)

  • 全体の評価 52件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:2,10060pt
  • 発行年月:1999.4
  • 発送可能日:購入できません

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商品説明- 「童話物語」

永遠の世界からやってきた妖精・フィツにとって、何もかもが移りゆく地上世界は不思議な場所だった。ここで最初に話したひとりの人間を観察し、「地球は滅びるべきか」という問いの答えを見つける使命を負ったフィツは…。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「童話物語」

向山 貴彦

略歴
〈向山貴彦〉1970年アメリカ生まれ。フリーのクリエイター集団「スタジオエトセトラ」を設立し、多数の翻訳、ホームページ製作を行う。現在、慶応義塾大学文学部在学中。

ユーザーレビュー- 「童話物語」

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2001/09/05 23:31

マイ・ベストファンタジー

投稿者:讃岐P太(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 帯にでかでかとした文字で、「M・エンデ+J・クロウリー+宮崎駿を連想させる圧倒的な筆力 !!」と巽孝之さんの解説からの引用が載っているのですが、まったくその通りの印象です。

 特に、場面の描写が非常にうまいのが印象的。使っている文章量は多くないのに、ありありとその情景が頭に浮かぶのが驚きです。場面のイメージに引っ張られるように、キャラクターたちも実在する人物のように生き生きと動いてます。これほど小説のキャラクターイメージに魂を感じたことは初めてです。

 場面描写だけでなく、ストーリーテリングに関しても一級品です。ぐいぐいと引っ張られるようにしてページをめくっていくことになりました。「次は一体どうなるんだろう」とワクワク、ドキドキ、ハラハラが毎ページ
のようにちりばめられていてすごく読み応えがあります。

 そのおかげで、主人公ペチカが楽しいときは微笑み、ペチカが悔しいときには歯を食いしばり、ペチカが悲しいときは涙ぐむ……。ぐいと本の中の世界に引きずり込まれて、ペチカと一緒に旅をしている気持ちが味わえます。

 ペチカ、フィッツ、ルージャン、ヴォーなどなど、登場するキャラクターも魅力にあふれていて、先へ先へと引っ張られていきます。旅の先々でペチカが出会う人たちも、心の中に暖かいものをいっぱいもっている人たちで、ペチカの心と共に読み手の心まで癒してくれるようです。
 みなしごで、周りからいじめられ続けたせいで人間不信におちいり、かたくなだったペチカの心の氷が、次第に溶かされていくのが、物語の王道とは言え、やはり胸にくるものがあります。ペチカはそんな人たちの想いに支えられて、クライマックスでは自分で自分を閉じこめていた檻を取り払うことができたんでしょうね。

 ペチカとフィッツのやりとりも、最初はケンカばかりしていたのが次第にお互いのことを思いやる間柄に変わっていくのも見どころです。

 これはもっと若い、学生の時期に読みたかったですね。学生さんには特におすすめしたい一冊です。

 「誰だって、自分が思っているよりはすごい人間だよ」

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2001/03/07 17:59

旅の途中

投稿者:seimei(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 永遠の世界からやってきた妖精フィツは、9日間という、その限られた時間で、最初に話したひとりの人間──母に死なれ、いじめられ、つねに追い込まれながら、たったひとりで、つらい世界を生き、そのために、人への恐れ、不信、憎しみといった尖った感情と、亡くなった母への思慕と悲しみを抱いている、女の子ペチカ──を観察し、答えを出さなければならない。“世界は滅びるべきなのか”

 そしてふたりの旅が始まり、困難、追手、様々な出会いと成長、“生きていくこと”が描かれていく。

 こどもの頃、私たちが出会っていた空の蒼と、風の優しさ、暖かい手、照らす光り、空想の世界、そんなことを思い起こさせる物語です。

 最初の展開は、とにかくつらいです。ペチカ自身も、周りも、殺伐とした世界、憎しみを持つ人々に取り囲まれています。しかし、ペチカがフィツと共に旅に出て、ふたりの気持ちが近づいていくことで、高まっていく暖かさを徐々に感じられていきます。

 物語の後半になると、優しさといたわりを持った人たちが、ペチカと関わっていくことで、彼女の頑なな“感情の檻”から、素直さ、優しさ、変わっていこうとする生きる力が、彼女から溢れ出していきます。彼女を苛めていた男の子ルージャンの後悔、冒険、成長、永遠の命を持つ妖精、だからこそ得ることのできなかった、体と心が傷つくことの恐れ、心の変わりゆく、成長していくこと、みんなが傷ついて後悔して、でも前に進む力と、変わりゆくこと、生きることを描いていく様は、これが"物語"なんだな、と納得させるものがあります。

 “妖精の日”“炎水晶”といった道具仕立て、通貨や環境設定も良質のファンタジーとしての作品に寄与していて、物語に入り込みやすいものに仕上がっています。

 優しさ、世界の広さ、空、光、景色、守るもの、いたわること、そして、「アンティアーロ・アンティラーゼ」全てが魔法のように語り掛けてくれます。わたしたちの“旅の途中”を、この物語が照らしてくれるでしょう。

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