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宇宙消失(創元SF文庫)

宇宙消失 (創元SF文庫)

グレッグ・イーガン (著), 山岸 真 (訳)

  • 全体の評価 44件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:94527pt
  • 発行年月:1999.8
  • 発送可能日:24時間
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ユーザーレビュー- 「宇宙消失」

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2001/03/03 11:07

驚きのテクノロジー世界へ

投稿者:桐矢(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ばりばりのナノテクと量子論のハードSF。
 2934年、地球の夜空から星が消えた。完璧な暗黒の球体が一瞬にして太陽系を包み込んだのだ。球体は「バブル」と呼ばれ、世界各地に恐慌がおこったが、その正体はわからないままいつしか人々は星空のない日常をとりもどしていく。物語は、その33年後にはじまる。元警察官の主人公は、行方不明の女性の捜索依頼を受ける。その女性は幾重にも厳重に警戒された病院から忽然と姿を消していた。
 著者が描き出す2068年のテクノロジー世界に驚く。データの送受信が頭の中で出来るだけでなく、手軽に脳を操作して五感を強化したり感情をコントロールしたり出来る。探索用の遺伝子改変「蚊」。紫外線を防ぐためのメラニン増強。どのアイデアもすきのない科学的な描写に支えられているからリアリティーがある。
 ラストは量子力学的世界観にもとづいた驚くような結末が待っている。

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2000/08/17 16:03

久々のSFらしいSF

投稿者:みつき(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人生において、ある選択をするということは他の可能性を捨て去ることだ、という思いにかられる人は多いと思う。でもそれを、量子論をバックボーンにした科学的(?)説明付きで、具体的な事実として(物語内での、だけれども)描くというのがすごい。まさしく、他のジャンルではできないやり方で人生を描く、という意味で、これぞSF!と思わされます。

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2001/03/16 23:58

量子力学とナノテク

投稿者:やまだまさ(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 様々なところで既に書かれているように、このグレッグ・イーガンという作家の作品にはどこか哲学的なテーゼが通奏低音として物語に絡まっている。

 この作品では量子力学的不確定性から作り出される波動方程式の拡散した宇宙から、ある定常状態へと収縮することによって可能な宇宙を選び取るという技術と、脳内に常駐するナノロボットによって意識状態を意図的に変更する技術(mod)のふたつがメインとなっている。「順列都市」でもそうだったし、「祈りの海」のなかの短編にもいえることだが、「自己」の在り処が不定となった状況下における人間の行動の描写というテーゼがこの作品にもある。ぶっとんだ感じは「順列都市」程ではない。

 私はこの作品を読んだとき、むかーし「ファミコン通信(ファミ通)」に連載していた「2001のゲームキッズ」(多分)の中にあった、「ボンバーマン」という話を思い出した。この話も可能世界もので、脳内に爆弾を仕掛けておいて気に入らないことが起こったら爆発させて他の可能世界にいる「自分」に未来を託す、みたいな話である(うろ覚え)。他にも「ドラえもん」の中の「もしもボックス」も可能世界へジャンプするような道具であろう。多元可能世界ものというのはそう突飛なアイデアでもない気がするのだが、私が面白いと思ったのは、人間が波動関数を収縮させるために拡散した状態を保てなくなってしまうことを危惧した宇宙人がバブルという太陽系を隔離する構造体を作ったのだろうというエピソード。このスケールの大きさは好きだ。

 原書でも読んでみたが当然というか、3割程度しかわからなかった。邦訳版は400pもありちょっと長すぎな感じ。アイデア勝負ならもっと圧縮してもいい気がする。

 そういえば、ドイッチェが多元世界解釈について本を書いていたはず。「世界の究極理論は存在するか」

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2003/02/22 21:46

編集部コメント

投稿者:東京創元社編集部(不明|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

『SFが読みたい!2000年版』ベストSF1999 第1位!

2034年、夜空から星々が消えた。正体不明の暗黒の球体が太陽系を包み込んだのだ。世界を恐慌が襲い、球体について様々な仮説が乱れ飛ぶが、決着を見ないまま歳月が流れた。ある日、元警官のニックは、病院から失踪した女性の捜索依頼を受けるが……。20世紀末のSF界に颯爽と現れた鬼才作家イーガンの、記念すべきデビュー長編が本書です。量子論的がもたらす戦慄のハードSF。

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