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神樹

  • 出版社:朝日新聞社
  • サイズ:20cm/595p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-02-257428-3

神樹

鄭 義 (著), 藤井 省三 (訳)

  • 全体の評価 42件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:3,990114pt
  • 発行年月:1999.10
  • 発送可能日:購入できません

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商品説明- 「神樹」

中国山西省で、樹齢数千年の「神樹」が突然開花した。神樹が甦らせた八路軍の亡霊たちは、過去を再現し、語りはじめる。危機感を覚えた共産党政府から神樹を守るため、村人は亡霊の八路軍に加勢し、戦車隊に立ち向かうが…。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「神樹」

鄭 義

略歴
〈鄭〉1947年生まれ。中国の文革世代を代表する作家。79年「楓」で文壇にデビュー、「古井戸」で声価を確立。89年の天安門事件の後、地下に潜行、93年に妻と共にアメリカに亡命。

ユーザーレビュー- 「神樹」

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3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/01/14 21:21

死人に口あり。

投稿者:求羅(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

すさまじい一冊である。
樹齢数千年の〈神樹〉の突然の開花から始まる物語は、近代中国の歴史と過酷な運命に翻弄されてきた民衆の姿を鮮明に映し出す。もっとも、「鮮明に」とは、上品過ぎる表現かもしれない。ここで描かれる情景はあまりにも生々しく、いまにも血と涙が流れ出してきそうなのだから。
北京五輪の開会式で繰り広げられた、中国五千年の歴史絵巻が記憶に新しい。文字の発展や大航海の始まりなど、あちらが中国の輝かしい歴史だとすれば、こちらはいわば影の側面を描いたものといえるだろう。

この作品の根底にあるのは、強い怒りなのだと思う。
「死人に口なし」という嫌な慣用句とは逆に、作者は死者に声を与えることで無念に散っていった民衆ひとりひとりの魂を悼んでいるのである。権力者によってねじ曲げられ、時の流れとともに風化する歴史に、一本の楔を打つかのような烈々たる気迫を感じる一冊である。
戦死した八路軍の兵士たち、土地改革で虐殺された地主、大躍進政策の失敗によって餓死した村人。神樹開花とともに亡霊たちが甦り、立体映画のように過去を再現し、語り始める。
「世界は混沌として夢の如し。」とは本書の書き出しだが、まさに生と死、過去と現在、虚と実が渾然一体となった世界である。

ラストにガブリエル・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』を想起したのだが、あとがきによればやはり意識しているとのこと。
もっとも、マジック・リアリズムはひとつの手法であって、作品を語る全体ではない。これは好みの問題かもしれないが、飢餓の生々しい描写や現在と過去を巧みにとけ込ませた構成、神樹伐採のために戦車部隊が出動してからラストまで走り抜ける緊張感ある筆の運びといったスケールの大きさでいえば、むしろ本書の方が上だと思う。

作者の鄭義(チョン・イー)は、1947年四川省生まれ。
文化大革命時代に毛沢東思想に対して批判的だったというのだから、後の苦境が推し量れるというもの。天安門事件以降三年間に及ぶ逃亡生活の末、アメリカに亡命。プリンストンで長篇小説『神樹』を書きあげた。
本書に登場する作家・武斌は、鄭義の分身なのだろうか。村人たち当事者とは距離を置き、起きた出来事をつぶさに見届ける観察者としての眼。これは、祖国から離れ、文化も言葉も異なる異国に身を置いたからこそ、書けた世界なのかもしれない。

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2002/04/16 19:55

一気に読ませる大河ドラマ。

投稿者:ame(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本が敗戦から立ち直り、高度成長期・バブルと調子よく過ごしてきた間に、中国は共産国になり、文革などの過酷な経験をしてきた。
「いま」を生きている中国の大人たちが乗り越えてきたものの過酷さや、その子供たちが受け継いでいるものが、小さい村の、神樹をめぐる出来事から見事に描き出されている。

物語は、事件の傍観者である主人公が、神のように、時に皮肉を交えて解説していく形で進められる。主人公はわたしたちに通じる現代的知性の持ち主であるが、その考察は皮相である。ひょっとするとそれも作者の狙いの一つであったのかもしれないが、物足りなさを覚えた。

その減点分で星三つとした。

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