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  • みんなの評価 5つ星のうち 4.1 61件
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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:1999/12/16
  • 出版社: 岩波書店
  • レーベル: 岩波文庫
  • サイズ:15cm/251p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-00-323111-2
文庫

紙の本

不思議な少年 改版 (岩波文庫)

著者 マーク・トウェイン (作),中野 好夫 (訳)

不思議な少年 改版 (岩波文庫)

税込 858 7pt

不思議な少年

税込 726 6pt

不思議な少年

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目次

  • 不思議な少年
  • 訳者あとがき
  • 解説(亀井俊介)

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みんなのレビュー61件

みんなの評価4.1

評価内訳

紙の本

人間の存在が「夢」なのか、神の存在が「幻」なのか

2023/11/26 20:50

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:永遠のチャレンジャー - この投稿者のレビュー一覧を見る

「嘘ばかりついて、ありもしない道徳なんてものをふりかざしたがる」人間を嘲笑し、「残忍なことをやるのは、良心なんてものを持っている人間だけなんだ」(87頁)と糞みそに虚仮降ろす謎の美少年。

サタン(悪魔)を名乗る者と出遭えば誰もが十字を切って避けるか逃げ去る筈が、同じ年頃の少年三人組はお喋りを愉しむ仲となる。欲しいと願う果物、菓子、パンを何でも取り出し、粘土で造ったリスや犬や小鳥が本物同様に動き廻る「奇跡」に魅了されたからだ。

君は誰だいとの質問に、「天使だよ」と答える(26頁)。キリスト教の教義では、神に背いた堕天使を悪魔(サタン)と呼ぶらしい。「悪霊(デーモン)のお頭」たるサタンは、「天使のお頭」大天使聖ミカエルと張り合う構図のようだ。

人間を軽視する「サタンを改心させ」たい語り手「わたし」の「もっと思いやりを持って、人々を不幸にすることだけはやめてほしいと頼んでみた」試み(129頁)は、不発に終わる。

天使の愛は「天使同士だけに限られ」「天使がもし人間を愛した」なら、「たちまちその人間は灰になって燃えつきてしまう」から、「幸運と不運との区別がつかない」人間には「ただ冷淡、無関心であること」が必要との反駁(136頁)に遭ったためだ。

サタンに仲間の未来を無造作に変えられ、親友の寿命を縮められてしまった少年二人は、焦燥の二週間を過ごす。「人生のことは、その人間が生れてする最初の行為のときからすでに決っている」(168頁)との避け難い因果律が彼らを苦しめる。

「人生そのものが単なる幻じゃないかね。夢だよ、ただの」(229頁)と告げ、サタンは姿を消す。呆然と立ちつくす「わたし」に、別れ際の言葉が響き亘る。人間の存在が「夢」なのか、神の存在が「幻」なのか…。作家はきっと両方だと示したいらしい。

正義や慈悲を口にしながら地獄をつくり出し、創った人間の行動責任を人間だけに押し付け、自分はなんの責任もとらない「神」。すべては想像の産物でしかない(232頁)と。人間は「根なし草のようなはかない思惟」「永劫にさまよい歩く流浪の思惟にすぎない」(233頁)のだ、と。

楽天主義の作風で知られる作家マーク・トウェインが、実生活での不幸を切っ掛けに悲観主義(ペシミズム)溢れる人間観、人生観に陥り、「人間の境遇と環境」が機械的・運命的に決定されるとの想念と格闘し続ける毎日だったとは、なんとも驚かされた。

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紙の本

良心

2022/06/07 15:28

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る

オーストリアのある村にふらりと現れたサタン少年は、良心が悪をもたらしていることを「わたし」と仲間の少年に懇切丁寧に説明するのだが、「わたし」の理解が得られない。「なんとも機嫌のとりにくいやつらだねえ、人間ってやつは。」と言ってついに怒る。その気持ちは少しわかる。彼なりに工夫して「真実」を伝えようと頑張っている彼の努力を評価してやりたい。

ハックルベリーフィンの冒険にも良心の話が少しでてくるのだが、マーク・トウェインは良心について考え続けたひとなんだなぁと思った。難しいよね、良心。

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紙の本

目に浮かぶストーリー展開

2018/09/16 00:01

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:きょん - この投稿者のレビュー一覧を見る

マーク・トウェインと言えばハックルベリーがすぐに思い浮かぶが、この「不思議な少年」はそれとは全く違って、日常にフラッと現れた少年の不思議の物語。時空を操るかと思えば現実世界に不思議を起こさせ、上手に出来事を運んでしまう…世界観が面白いストーリーです。

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紙の本

天の視点からの俯瞰

2002/02/13 19:49

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みつかん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 主人公と友人はある時、不思議な魔法を使ってほとんど何でも可能にしてしまう絶世の美少年に出会う。
 主人公はその少年の魅力に夢中になる。彼は陽気に笑いながら残酷で非情なことをしてのけ、僕は罪を犯すことができない、なぜなら悪が何なのかを知らないからだ、と言う。驚く少年達の前で、自分は天使で、名はサタンだと彼は告げる。
 彼のすることは天使だけに何もかも人間の常識外れ。振り回される少年達は彼を何とか止めようとしたり、驚きおののいたりするが、サタンは卑小な人間たちを憐れむばかり。
 サタンの持つ天の視点から、人間の愚かしさや無知を眺めてみると、ときどき彼の言うことにも納得がいったりする。人間になまじの幸せがあるなどと信じていない部分があって、仏教思想にも通じるものを感じた。

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紙の本

おもしろい!

2019/01/26 11:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:メイチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

トウェインの知らない一面みれたようなきがします。大衆受けもしつつ核心を突いてくるのはすごい。
個人的には冒頭の文章がめっちゃ好き。物語がはじまるときの、静かな、でも確かな気配。

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2006/12/26 10:50

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2005/05/16 00:20

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2005/05/30 16:19

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2005/06/03 07:47

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2005/10/31 10:38

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2006/08/15 21:37

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2006/12/05 00:20

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2007/01/17 12:04

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2007/05/24 02:27

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2007/10/14 11:25

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