- 出版社:講談社
- サイズ:20cm/404p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-06-209819-9
渡邉恒雄メディアと権力
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- 税込価格:1,995円(57pt)
- 発行年月:2000.6
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商品説明- 「渡邉恒雄メディアと権力」
力ある者は籠絡し、敵は必ず叩きつぶす。東大の共産党時代から読売新聞社長にのぼりつめるまで、稀代のマキャベリストはいかに権力を奪取したか。総理を動かし、世論を操る「一千万部」の独裁者の裏面史を徹底取材。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「渡邉恒雄メディアと権力」
魚住 昭
- 略歴
- 〈魚住昭〉1951年熊本県生まれ。一橋大学法学部卒業。共同通信社入社後、司法記者クラブに在籍し、リクルート事件などの取材にあたる。96年退社。著書に「特捜検察」がある。
関連キーワード- 「渡邉恒雄メディアと権力」
ユーザーレビュー- 「渡邉恒雄メディアと権力」
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2006/01/07 05:01
良心的ジャーナリズムに期待する
投稿者:良泉(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
「読売新聞を一代でダメにした男」といえる渡邉恒雄氏の言動は常に気になっていた。
彼の思い上がった態度や反動的姿勢そして読売新聞社内の全体主義的体質や退廃したジャーナリズム気質に、われわれ一般の者が気付くようになったのは、あの有名な1984年の元旦社説の頃か、もしくは読売新聞社が独自に改憲試案を打ち出した頃からであろうか。
彼が台頭してからの読売新聞社は、新聞社の財産ともいえる民主的なジャーナリスト達を切り捨てながら、たった一人の独裁者が社論も編集もすべて牛耳るワンマン体制を確立していった。彼と意見を異にする黒田清氏や本田靖春氏といった「本当の意味での新聞記者」達から社内での席を奪い、独裁者に従順な物言わぬ「自称新聞記者−中身は自分の意志を持たぬ物書き」達を優遇することにより、読売新聞社を屈折した情報集団に貶めてしまった。
渡邉恒雄氏については、これまでもあちこちで論じられ、彼について書かれた文献も数多い。そういった中には、彼を、特に若かりし時代の彼をとらえて「優秀な政治記者であった」とか「才能のある物書きであった」とか「卓越した情報収集能力を持っていた」とか賞賛する見方も多い。
そうであれば,なおさら「なぜ?」と思う。「優秀なジャーナリスト」と「言論統制されたジャーナリズム」はどう考えてもマッチしない。
本書は渡邉恒雄氏がメディア界の中で権力を掌握していく過程を丹念に追った評伝である。彼が、ただただ“メディアの帝王”の座を目指し、時には自分より強いものに迎合しながら、また自分の将来にとって妨げとなる人物は裏で追い落としを図りながら、どす黒い権力の階段を一歩一歩上ってきた様が如実に描かれている。
本書を読み終えて納得する。渡邉恒雄氏に関し、これまであったもやもや感が、ある意味解消される。
そもそも彼を“ジャーナリスト”として見るから間違っていたのだ。いかに彼の情報収集能力が優れていようと、いかに彼が上手に文章を書くことができようと、彼はジャーナリストなどではない。ただの企業人なのだ。しかも、強権的体質を持った悪い意味でのワンマン経営者なのだ。個人としての権力と名声のみに執着する猜疑心の強い独善主義者なのだ。
読売新聞社はいつまで彼のような独裁者の存在を許しておくのか。読売新聞社内の良心的ジャーナリズムは完全に死に絶えたのか。
そしてこのような独裁者に操られた新聞を販売部数日本一にする一般購読者達の責任は。読売巨人“軍”のページばかりに目を奪われているすきに、他のページでは帝国日本“軍”復活の準備が着々と進められる。そんな新聞を許すのか。
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2001/03/07 16:10
メディアの怪物を真正面から分析
投稿者:塩津計(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の社会は基本的に減点主義で変わった奴が出てくるとみんなで足を引っ張って引きずり下ろそうとします。しかし、こうしたいじめにも屈せず、しかも能力と運を兼ね備えた人物がこういういじめをベースとしたチェックアンドバランスのバリアーを突破すると誰も止めることの出来ない絶対権力を握りやすい。渡邊恒雄もそんな人物。
マスコミに登場するのは横暴な権力者のイメージばかりですが、それがかつては白面の美男子で共産主義にかぶれたロマンチストだったとは知らなかった。奥さんもすごい美人。
ロマンチストと権力欲を合わせ持った青年がどうやって日本の政治家をたらし込みながら讀賣の頂点に登りつめていったのか、この本を読むと良く判ります。
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2002/05/28 20:27
ナベツネこわい
投稿者:白井道也(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
ナベツネは想像以上に恐るべき人物だ、というのが本書を読んだときの印象。旺盛なバイタリティ、狂気に近い野心、あふれんばかりの行動力。彼がメディアの王者となるまでを描いたこのノンフィクションは、とにかくドラマチックだった。
といって、ナベツネの在り方を僕は肯定はしない。プロ野球を私物化し、政治に必要以上の影響を及ぼす。彼の存在に、戦後日本の歪みのようなものが象徴されているような気もした。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2004/06/19 14:56
渡邉恒雄という男とその時代を知るために。
投稿者:aguni(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
もちろんこれはノンフィクションとはいえ、著者の主観が入っているものであるから、ある程度は割り引いて考えなければならない。しかし、公称1千万部以上を売り上げる新聞メディアのドンを描いたこのノンフィクションに書かれている内容のほとんどが事実であるとしたら、幼い頃からTVやその他のメディアで洗脳されてきた我々にとっては、カルチャーショックを受ける内容であろう。歴史上のお話としてならまだ納得できる。しかし当の本人は今も尚、その巨大な力で新聞・TV・スポーツの世界で大きな影響を発揮し続けているのだ。
簡単に言うとこの本は、渡邉恒雄という男が東大の共産党時代から読売新聞社社長にまで上り詰めるまでを描いたものである。しかしとはいえ、サクセスストーリーかといえば、決してそんな雰囲気はない。著者はこのノンフィクションの主人公であるナベツネをマキャベリに例え、その歩みをたんたんと追っていく。政治部時代に培った人脈。そこに出てくるのは鳩山、大野、中曽根といった名前。日韓条約交渉や、国から読売新聞社への土地払い下げの際の暗躍。読みながら、マジかよ、と何度もつぶやいてしまった。これがつい最近の出来事であることがどうしても信じられなくなるのだ。政権との癒着によって権力を握っていくネベツネ、その結果として生じる読売新聞の右傾化、結果としてはじき出される黒田清率いる「黒田軍団」たち。または、巨人軍の人気を支えた長島茂雄、江川卓など、伝説のプレーヤー達。この本の魅力は、メディア形成史の中で、そんなよく知られた人物が登場していながら、あまり表立っては出てこないような話をきちんと語ってくれるところにある。戦前戦後の混乱期ではなく、時代にただ従わせられているような「現代」にもし、ナベツネが生まれていたら、彼はいったい何をしでかしただろうか?
もちろんこの本で書かれているような、言論と政界、政界と財界の癒着がいいことだとは思えない。しかし、良くも悪くも時代を創っていくのは強烈な人の思いなのである。これが現実の姿であるということを理解することも、メディアリテラシーの一環なのではないだろうか。個人の趣味をとやかく言うつもりはまったくないが、日本テレビをよく見るという理由だけで、読売新聞を取っている結果として、いつのまにか巨人ファンになってしまったあなたにこそ、読んでおいてもらいたい一冊である。







