「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
紙の本
世界宗教事典 (講談社学術文庫)
著者 村上 重良 (著)
イスラム教徒とユダヤ教徒、スンニ派とシーア派、原理主義など宗教紛争の根にあるものとはなにか? 国際社会理解に不可欠な主要な宗派、教典、事件や運動などを地域別、系統別に整理...
世界宗教事典 (講談社学術文庫)
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
イスラム教徒とユダヤ教徒、スンニ派とシーア派、原理主義など宗教紛争の根にあるものとはなにか? 国際社会理解に不可欠な主要な宗派、教典、事件や運動などを地域別、系統別に整理した「読む事典」。【本の内容】
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
こういう内容の事典がハンディな文庫版であるんだもの。出版洪水というのも時には悪くない。トイレに置いて毎日一項目ずつ読むといいかも。
2001/05/28 13:16
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分じゃ積極的に買わなかった本かもしれないけれど、家人が買ったものをつらつら眺めていてすっかり感心してしまった。
世界にあまたある宗教のひとつひとつを知ることはなくても日常生活にはまったく支障はない。けれど、これは手元に1冊あれば確かに活用できる種類のものだ。
たとえば、何人かのロックスターが傾倒した「ブードゥー教」について、2段組で3ページが割かれている。祭壇と踊りの写真が載っていてイメージが湧きやすい。
アフリカの諸精霊を神とあがめた宗教で、生贄に特に好まれたのが黒いニワトリらしい。ああ、コンサートの真っ最中にニワトリを殺したクレージーなミュージシャンがいたのはそれだったかと、友人との飲み会での与太話のネタをひとつゲット。
たとえば、受験のときに世界史を選択して暗記したはずだったイスラムのスンニ派とシーア派の違い。今はきれいさっぱりと忘れてしもおた。この際だから、アサシン派とバハイ派というのもあるらしいので、ついでに読んでおくか…。
エホバの証人にものみの塔、モルモン教からシャマニズムのような原始宗教、仏教諸派や儒教・道教など、全体像をさっとつかむのに適量の説明がなされている。
本を読んでいて出てきた宗教についてちょっと知りたい、ニュース番組で耳にしたあれはどんなのだっけと確認したいなどというときに便利そうである。
著者は鬼籍に入られてしまったが、宗教学者として第一人者だった村上重良氏。
序文がとても感慨深い。
「宗教は、古今東西にわたるきわめて顕著な文化現象であり、こんにちの世界の動きに大きな役割を果たしている。…その歩みと特質を捉え、現在の動態を知ることは、現に世界で生起しつつある諸問題に対処するためには、不可欠であるといっても過言ではない」
「…世界の宗教は、歴史的にすでに日本人の血肉となって久しいし、現代においても、さまざまな外来の宗教が日本社会に根をおろし活動している」
確かにイスラム教一辺倒、ヒンズー教一辺倒の社会とは異なって、日本の社会だからこそ、このような事典の存在意義が大きいのだという気がする。
あいうえお順ではなく、地域別・系統別で約60項目が収録されており、日本との関連に留意されてまとめられた論考だという点が優れているかと思う。
姉妹編として『日本宗教事典』も発刊されているそうだ。そちらもより一層興味が湧くというものではなかろうか。