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科学者の自由な楽園(岩波文庫)

  • 発行年月:2000.9
  • 出版社:岩波書店
  • レーベル:岩波文庫
  • サイズ:15cm/460p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-00-311522-8

文庫

  • 国内送料無料

科学者の自由な楽園 (岩波文庫)

朝永 振一郎 (著), 江沢 洋 (編)

紙書籍

972 ポイント:9pt

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ユーザーレビュー

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本物の教養人とはこういう人

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2016/01/31 11:00

評価5 投稿者:ミカちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

朝永振一郎という名は知っていたが、こんなに魅力的な人だとは知らなかった。
頭脳明晰なだけでなく、教養が深く、科学の発展に尽力しようとする志のある人だ。
同世代の湯川秀樹氏と自身を比較し、しばしば、湯川は天才だが自分はそれに及ばないというような謙遜ととれる評価をしているが、決してそんなことはない。いや、本物の才能を持つこの人だからこそ謙虚に湯川氏の偉大さを認められるのかもしない。
この人は科学についても決して尊大な態度を取らない。
科学の道を志す人に是非読んでもらいたい。

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この本を読んでいると、何だか田中さんて言う人だけがおかしいわけじゃあない、ノーベル賞をとる人はどこか変わっているんだ、と納得するね

4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2003/04/02 20:13

評価4 投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

下手の横好き、めくら蛇に怖じずとでもいうのだろうか、易しい科学エッセイとか誰にでも分る数学という謳い文句の本をみると、買いたくなる。そして、読んで後悔するのもこれらの本。知りたいという欲求と、理解力との間の大きな溝。といっても、科学者や数学者が書いた自伝やエッセイは、哲学者のそれと違って不思議なくらい読みやすいものが多い。朝永振一郎のこの本も、そういう一冊だ。

全体として、病弱だった幼年時代から大学生活にかなりの頁が裂かれている。正直、何でこんなに体が弱い人が長生きし、ノーベル賞をとるまでになったのか不思議なくらい。また戦前、俊英が集ったという理化学研究所への朝永の度重なる言及に、日本の物理化学の青春時代への熱い思いを感じる。そしてノーベル賞の授与式の様子や講演旅行、バッキンガム宮殿での悪戯。今の私たちには、田中さんという格好の人がいるため、この本の記述が本当に身近に感じられる。

この本で感心した逸話が、オランダのゾルデ海の水防計画。海にダムを作るというのは世に疎い私には初耳、1918年にその検証のために、あの有名な物理学者ローレンツを委員長に起用したというから凄い。理由は、万一堤防の高さの設定を間違えれば無駄な予算を使い、逆の場合には国民へ計り知れない被害を与えるからだという。北方のワッデン諸島とダムとの潮位の計算に八年の歳月をかけ、その計算の正しさは暴風時に証明される。オランダ人のこの時間の使い方に感心する。しかし、そのダムは今もあるのだろうか。写真くらい載せて欲しかった。

「安全だから安全」「必要だから必要」という一言で推進されてきた現代日本の国家事業のあり方を思うと、彼我の姿勢のあまりの違いに言葉も無い。なんと言っても80年前の話なのだ。湯川秀樹博士との核問題への取り組みも、抑止論という政治家のことばに乗せられてしまう各国の物理学者たちの未熟な議論を描くことで、その限界と真摯さを教えてくれる。ここらは、ブッシュの好戦的な言葉に踊る自民党の発言と絡めてみれば、リアルタイムで面白い。年下の湯川秀樹の傍若無人ぶりは、ご愛嬌かもしれない。

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重要な問題の本質をズバリと抽出しているエッセイばかり

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2000/11/09 12:20

評価0 投稿者:佐倉統 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 もちろん直接会ったこともないのだが、朝永振一郎には何となく漠然と好感をいだいていた。その印象の拠って来る所以が、このエッセイ集を読んでよくわかった。専門分野に限らない幅広い教養、相手のことを慮る優しさ、誠実さと謙虚さに裏打ちされた知性、心地よいユーモア。
 おさめられたエッセイは、書かれた年代も1950年代から最晩年の1970年代末にまで及び、話題も物理学者の横顔から理科教育、科学と社会の関係、さらには紀行文と幅広い。しかし、何十年も前に書かれたものであるにもかかわらず、その内容は今なお新鮮で、重要な問題の本質をズバリと抽出しているものばかりだ。たとえば、知的好奇心をのばす教育の重要性を強調したり、科学と科学者が独善に陥ることを鋭く戒めたり、科学ジャーナリズムのあり方に苦言を呈したり。そのどれもが、今日でもそのまま通用する。朝永の慧眼を讃えるべきか、問題点を指摘されながら変わることのない社会の蒙昧を責めるべきか。
 ぼくがとくにおもしろく読んだのは「ゾイデル海の水防とローレンツ」。オランダの理論物理学者ローレンツが、ダム建設の影響を測定するプロジェクトを指揮した顛末が紹介されている。基礎科学は土木事業においても必要不可欠なのであり、そのことを喝破してローレンツを起用したオランダの政治家と行政の懐の深さは称賛に値する。このプロジェクトは、なんと8年もかかって困難な計算と予測を成し遂げ、暴風雨でも破られない堤防を、予定よりはるかに低廉な費用で可能にしたのだった。科学は社会のインフラなのである。

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評価4 投稿元:ブクログ

2008/08/15 00:10

朝永さんの人柄の温かさ、ユーモアに、読みながらにこにこしてしまいます。
柳のようにしなやかだけど芯の強い人、という印象。

評価5 投稿元:ブクログ

2007/02/01 14:14

好奇心について、「付和雷同であってはダメだが好奇心(mental curiosity精密あるいは精緻を好む)を持ち、知的な飢えを持つことが重要」
数学について「全体系を作り上げるのに何故一つ一つの定理がそういう順序で積み上げられねばならないのか、その数学が作られたときの数学者の心理に少しでも近づかないとわからない」

評価3 投稿元:ブクログ

2010/11/01 18:45

図書館で借りた。

『量子力学と私』よりも物理以外の話が多く取り上げられている。

『物理学読本』の記述にあたって、ではどのように物理を教えたらよいかについてカリキュラムのように書いている。こんな授業を受けられたら面白そうだと思う。

評価5 投稿元:ブクログ

2012/06/28 10:16

内容的に古いものもがるが,考え方は今でも参考になる。


2012/06/28引越しで整理した人からの貰い物;10/10からパラパラ読み始めた。途中1年くらい中断して,2013/10/16に読了

評価3 投稿元:ブクログ

2012/11/07 17:16

科研費の季節になるとこの本のことを思い出します。
「科学者の自由な楽園」ってなんだろーなぁ、と。

研究費が潤沢でもそうでなくても、自由な発想で研究したい。

評価0 投稿元:ブクログ

2014/07/02 18:24

*図書館の所蔵状況はこちらから確認できます*
http://opac.lib.kitami-it.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB50016005&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

評価3 投稿元:ブクログ

2014/07/14 04:35

中央図書館で読む。数学の部分は面白かったです。理解しなくとも、覚えてしまう。数学者は全て理解しているのでしょうか。平凡ですが、非凡な感想です。

評価5 投稿元:ブクログ

2014/09/04 15:23

オランダは度々大洪水に見舞われた。対策には北海と本土を繋ぐゾイデル海を堤防で塞き止める必要があった。堤防が低いと意味を成さないし,高いと国費の乱出になる。時のオランダ政府はPJの責任者に大物理学者ローレンツを据えるという大英断を下した。彼は潮の動きを様々な地点で観測し,モデルを作って実験実証し,少しずつ規模を拡げて,実際に必要な堤防の形状,高さを割り出して,政府に報告書を提出した。その間実に8年。地質学者の意見は無視され,原子力工学者は政府の御用聞き。原発再開に突き進む日本では朝永の言葉がどう響くだろう。
STAP細胞のみならず少し前のスパコン「京」問題など、理研が下世話な騒動に巻き込まれるのは今に始まったことではない。戦前と戦中は理研コンツェルンを作り、サイクロントロンも持っていた。GHQの命令で組織も機械も解体せざるをえなかったことは当時の研究者にはどんなに無念だったろう。朝永は仁科芳雄に招かれて理研へ入った。何故この研究所が作られたかを始め、弟子たちがノーベル賞を授賞することになる坂田昌一らとの交わりが語られる。いつの時代だって研究とは厳しいもので、ゆとり教育世代に責任とらせるのは酷だ。

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