- 出版社:新潮社
- サイズ:20cm/302p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-10-441401-8
寺山修司・遊戯の人
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- 税込価格:1,680円(48pt)
- 発行年月:2000.11
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- 本
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商品説明- 「寺山修司・遊戯の人」
【新田次郎文学賞(第20回)】謎の出生、華やかな登場と盗作疑惑、称賛と非難を浴びつづけた作品群、のぞき魔事件、47歳での早すぎる死…。スキャンダラスな男の生涯と作品をデビューから身近で接してきた著者が精緻に描く。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「寺山修司・遊戯の人」
杉山 正樹
- 略歴
- 〈杉山正樹〉1933年東京都生まれ。『短歌研究』旧『ユリイカ』などの編集長を経て朝日新聞社に移り、退職後は執筆に専念。著書に「かぐやひめ」「郡虎彦」などがある。
ユーザーレビュー- 「寺山修司・遊戯の人」
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2001/01/12 18:15
今も高い人気と関心を持たれつづけている寺山修司の決定的評伝。傑出した本能と時代のかかわりの徹底解読
投稿者:大笹吉雄(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
死後二十年近くになろうというのに、寺山修司の人気は一向に衰えない。生前どんなにもてはやされても、死ねばたちまち顧みられないのみならず、早急に忘れ去られるのが普通になった現在、これは例外的な「現象」である。
そればかりではなく、寺山の戯曲のみを手掛ける若い劇団もあり、寺山の作った映画の特集や寺山に関する回顧展も後を絶たず、寺山修司と寺山が主宰した演劇集団「天井桟敷」についての著作も次々と出る。あえて言えば、ちょっとした「寺山修司ブーム」である。
そういう中で刊行された本書は、寺山修司の評伝である。寺山の評伝もまたこれまでに何冊かあるが、本書はそれらを凌駕して、読者に寺山の「実像」を納得させる。その意味で決定版と評していい評伝である。
周知のごとく、寺山の仕事は多岐にわたった。寺山修司伝のむずかしさはまずここにあるが、著者の慧眼はそうせざるを得なかった寺山の本質に焦点を当て、結果としての仕事の広がりを周辺に置いて、全体像の見通しをよくしている。
もっとも、これは編年体で編まれた評伝ではない。寺山の生涯とその作品のあらかたを知っている著者に、修士論文として寺山を取り上げたいという女子学生から問い合わせがきて、それに答えるという形を採っている。つまり、書簡体の評伝で、「さかさまもの」を得意にした寺山の手法にならい、『あしながおじさん』をさかさまにして、著者が女子学生に手紙を書くというスタイルを採る。本書がとても読みやすいのは、この趣向が成功しているからである。
それにしても、寺山修司伝の筆者として、著者が最適任者の一人であることはページを開けばすぐわかる。
「私は寺山修司と三度かかわりを持っています。最初はかれが『チェホフ祭』で『短歌研究』の〈五十首詠〉に入選し、歌壇へデビューする十八歳のとき。つぎは〈演劇実験室・天井桟敷〉旗揚げのころで、文藝雑誌の編集者だった私はその立ち上げを見せてもらい、そして三度目は、未完に終わったかれのドキュメント『路地』と不運なあの覗き事件に、新聞社にいた私がかかわっていたのでした」
まるで知らなかったことだから、わたしなどはこれだけで驚くと同時に、天井桟敷の公演を見つづけた一人として、また、ささやかな寺山修司論を書いた一人として(光栄にも本書に引用がある)、著者にも深い関心を持った。結果は前に書いたように、著者の記述にほとんどまったく納得している。
著者の寺山観の根幹は、現実よりも虚構を信じ、虚構による現実の変革が可能だと思考していたという点にある。作品と私生活をコラージュしてそれが論証されていくが、その手さばきが鮮やかで、時に快感を覚えるほどだ。同時に寺山修司への愛情が行間ににじみ出ている。希有の才能とそれを生んだ時代を読み解く上での最上の道標として、本書を広く、強く推したい。 (bk1ブックナビゲーター:大笹吉雄/演劇評論家・大阪芸術大学教授 2001.01.14)







