騙し絵の檻 (創元推理文庫)
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- 税込価格:840円(24pt)
- 発行年月:2000.12
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ユーザーレビュー- 「騙し絵の檻」
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2001/01/22 21:04
推理マシーンvs質問マシーン
投稿者:竹井庭水(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯には「戦後の本格ミステリのベストスリーに入るほどの傑作である」という森英俊の弁。解説では法月綸太郎が褒めちぎりまくり。そして日本語訳は『猿来たりなば』などを手がけた中村有希。なんて気になる本なんでしょう。
16年の服役を終え、仮釈放されたビル・ホルト。不倫相手の女性と私立探偵を殺害した罪での投獄だったが、しかし彼は無実だった。自分を罠に嵌めたやつは誰なのか。容疑者は5人。手がかりは当時の記録と曖昧な証言だけ。復讐の鬼と化す彼の元に、無実を信じていた元記者の女性が訪れた。
かたや復讐にために真犯人を追う推理の鬼、かたや記者の経験を生かしデータを集める質問の鬼。会話の役割がはっきり分かれてるので展開的には捻りがないんだけれども、しかしまぁこれが目が離せないのなんの。徐々に知られざる事実が浮かび上がってきて、事件が様子が千変万化。この「事実の小出し」の分量と順番が巧みだからサスペンスが続くんでしょう。
ラストの大円団も古風ながら効果絶大。とんでもない発想の転換で真相がひっくり返る様は圧巻。そこからあっという間に解決が終わっちゃうんだけど、これはかえってそれまで持続した緊張感を読後まで持っていく作用あり。 本一冊まるごとが、読後の酩酊感に浸るための滑走路みたいな感じ。ページをめくる手、止まりません。
(初出:いのミス)
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2001/04/15 23:25
解説だけでも読みたくなる。
投稿者:松内ききょう(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
法月さんが解説で褒めちぎっているときいたら、もうそれだけで、とりあえず手にしてみたくなったわけです。時間ないけど、まあ解説だけでも読みたいし、なんて邪道な気持ちも半分ありながら。それが、どうでしょう、この書きっぷりは。ちょっとずつちょっとずつ周辺部が明らかになっていく描かれ方は、焦らされ好きの心を擽るし、これだけ読めればまあいいかなんて、ちょっと斜めに構えるふりなんてしてみても、もう本を握る手が硬くなってるし、夜はどんどん更けていって、そして朝が来る前にいわゆる驚愕の展開が待っていたわけです。久しぶりに堪能させていただきました。
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2001/03/18 21:08
すごい作品ではあるのでしょう
投稿者:どしどし(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかく、最後の法月綸太郎の解説の絶賛ぶりは読みたくなること確実です。
書き出しが素晴らしく、その後すぐに過去と現在のシーンを行ったり来たりしながら、事件の姿を現しつつ関係者への疑惑が新たになるという展開。少しずつ明らかになる周辺の事実。そして、最後の関係者一同を前にしての謎解き、はっきり言ってすごいと思います。
ただ、個人的には、翻訳ものに慣れていないためなのか、途中で何度も立ち止まって、乗り切れずに最後まで行ってしまって残念ではありました。
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2002/07/31 02:07
とっても正統派
投稿者:marikun(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
殺人の罪を着せられ15年前に投獄された男が、仮出獄してきた。
やっと手に入れた自由を、本当の自由にするため、ビル・ホルトは
自らに罪をなすりつけた、真犯人探しを始める。殺されたのはビル
の幼なじみでもあったアリソン。幸せな結婚生活を送っていたはず
の彼女が、どうして殺されてしまったのか?容疑者は身内同然の6
人。果たして真犯人は誰なのか?
非常にオーソドックスなミステリですね。探偵役の主人公は、自分
の無実を証明するため、15年も前の事件を、関係者達に強引に突
きつけます。味方になってくれるのは、女性新聞記者ただひとり。
文章中で、とうとつに過去の場面が挿入されるため、読んでいてや
や戸惑わされました。容疑者の一人ひとりを犯人と仮定し、実際に
犯行が可能だったかどうかを検証していくタイプの小説は、その容
疑者達のキャラクターが、際立っていないとなかなか難しいと思い
ますが、やはりこの作品もその壁を越えられていないような気がし
ます。それぞれの人物の視線から、事件が再構成されていくと言う
のも、非常にオーソドックスなパターンですしね…。結構あちこち
で評価されていた作品だと思うのですが、ちょっと私にはモノ足り
ませんでした。
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2001/01/18 20:41
ミステリーコーナーより
投稿者:西上心太(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
幼なじみのアリソンと私立探偵を殺した罪で、無期懲役の刑に服していたビル・ホルトが、仮釈放を受け16年ぶりに故郷に帰ってきた。彼の目的はただ1つ、無実の罪に陥れた真犯人を探し出し、殺すことだった。犯人はかつて自分の仲間や家族であったグレイストーン社の役員の中にいるに違いない。ホルトは役員たちの当惑を尻目に、彼らの当日の行動を調べ始めるのだった。
マゴーン名義では3作目の紹介で、日本では地味な存在であるが、イギリスでは戦後最高の本格ミステリ作家という評判という。なるほど、本書を手に取ればその言が少しもオーバーでないことが証明される。現在と過去の回想シーンを融通無碍に配置し、さり気なく伏線を張り巡らせるテクニック。次々と容疑者を俎上に載せ、仮説を構築し破壊する様は「毒入りチョコレート事件」を髣髴させ、極めてスリリングである。一瞬にして世界が反転する290ページの最後の1行を見よ! 早くも今期の本格ベスト1候補が出現した。







