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書店員レビュー
言葉の種
丸善京都本店さん
前に読んだ翻訳本に
(原作者が)すばらしいのは、そのうまさやなんかではなく、小説に対する作家としての誠実な姿勢であり、そこが読者を惹きつけるのだ
というような訳者のあとがきがありました。
作家でなくてもわたしたちは言葉をやりとりして、なにかを伝えあっています。
でも言葉はあくまで共通の記号みたいなもので、そこにこめられているものは、その発した人のエネルギーなのだとよく感じます。
気が合うとか、合わないとかいうことも、そういうことなのでしょう。
いつか落ち込んでいるときに、
「ボロ勝ちだから。大丈夫だから。もういつまでも、うじうじしなくていい!」
と友だちがきっぱり言ってくれて、ボロ勝ちってなにに勝つのかな・・・とちょっとおかしくて、そしてあたたかいもので胸がいっぱいになりました。
時間がたって、そのときわたしは友だちから、やさしい気持ちを受けとって、そしてほんの少し前に進むことができたのだなあと思いました。
わたしたちは意識しないで言葉という種をまき、作家は祈りをこめて言葉の種をまいているのだ・・・
そのことを静かにそっと語るゴフスタインの世界です。
紙の本
書くこと
2021/10/04 11:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:owls - この投稿者のレビュー一覧を見る
作家である主人公の創作過程、思い、願いが、短い文章で書かれていて、心にすんなり入ってきます。小さい絵もやさしく、静かな印象。作家ではなくても、書くことが好きなので共感しました。書くことが好きな人へすすめたいと思います。
紙の本
真摯に向き合うことの大切さ
2018/12/02 08:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵本の好きな人にとって、M.B.ゴフスタインという絵本作家は特別な人なのではないだろうか。
私は絵本編集者の末盛千枝子さんの本で彼女(そう、ゴフスタインさんは女性です)の作品を初めて知ったのだが、ネットには彼女のファンの皆さんのコメントがあふれている。
そんな彼女のことを少し。
彼女は1940年アメリカ、ミネソタ州セントポールで生まれました。大学で美術や創作を学んで、絵本の制作を始めたそうです。
残念ながら2017年に77歳の誕生日に亡くなっています。
彼女の魅力はなんといっても絵でしょう。
シンプルなタッチに淡い色合いがとても穏やかで、人の感情にはきっとこのような世界を求める要素があるのではないか、そんなことを考えたりする絵です。
そして、言葉です。
文章というにはシンプルで、でも深い意味をもった言葉がていねいに書かれています。
もちろん、私たちが手にするのは翻訳された絵本ですから、例えばこの絵本の場合は詩人の谷川俊太郎さんが訳されていて、彼女の言葉をとても大切にしているのがよくわかります。
子どもの絵本で「作家」について描くのはどうしてでしょう。
きっと彼女の中では、子どもであるとか大人であるとかは関係ないのだと思います。
子どもであれ面と向かいあって話すこと。
彼女が大切にしているのは、そういうことではないのかな。
この絵本の最後、「自分の本がいつか 人々の心に種子となって 蒔かれることを願っている」と結ばれています。