- 出版社:徳間書店
- サイズ:16cm/331p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-19-905034-5
少年の時間 Text.blue (徳間デュアル文庫 Novel 21)
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- 税込価格:680円(19pt)
- 発行年月:2001.1
- 発送可能日:購入できません
- 本 文庫
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収録作品一覧- 「少年の時間 Text.blue」
| 鉄仮面をめぐる論議 | 上遠野浩平 著 | 11-52 |
|---|---|---|
| 夜を駆けるドギー | 菅浩江 著 | 53-106 |
| テロルの創世 | 平山夢明 著 | 107-154 |
関連キーワード- 「少年の時間 Text.blue」
ユーザーレビュー- 「少年の時間 Text.blue」
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2002/07/16 09:03
新しい「普遍」
投稿者:boogie(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハイブリッドエンタテインメントアンソロジーなどと銘打っているので一見すると何か新しいものという印象があるが、そんなことはない。読み進めるとすぐに普遍的なテーマを、さらにそれらを瑞々しい「現在」の感覚で書ききっていることに気付くだろう。たとえばこの短編集のなかで個人的に一番好きな「夜を駆けるドギー」などは、表面的には新しい媒体であるインターネットを扱っているが(実在するネット上のコミュニティでの常套句である「逝ってよし」「オマエモナー」などの言葉が使われていてびっくりする)、その実、主人公の成長を描いた普遍的なビルドゥングスロマン(成長小説)であることがわかる。他の作品についても近いことが言える。
新しい感性で書かれた普遍的テーマ。読んで損はない。
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2001/01/22 01:11
“いい”アンソロジー
投稿者:マイロン(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
楽しかった。読了して、まずそう思った。
アンソロジーとしてのバリエーションの豊富さに満足したのだ。読まずぎらいだった作家、読む機会のなかった作家、知らなかった作家、それに触れていままでの盲目さを後悔する。そんな楽しみ方をひさしぶりに味あわせてくれたアンソロジーだった。
編集の意図だとは思うが、“少年”という大テーマの上に、現在の諸問題というモチーフを重ね合わせている。
菅浩江「夜を駆けるドギー」はインターネットとロボットペット。
平山夢明「テロルの創世」は臓器移植。
西澤保彦「ぼくが彼女にしたこと」はストーカー。
山田正紀「ゼリービーンズの日々」は少年法改正。
安易に手をだしたなら、ただのシュプレヒコールになりかねない、極めて現在的なテーマだ。しかも形を変えずに、現況のまま提示しているのだから火傷しかねない。
しかし作者はそれを鮮やかに調理して、しかも部品として硬直させることなく、生き生きとした形で物語の枠のなかに嵌め込んでしまう。
なかでも、菅浩江と山田正紀の二作品は出色だ。「夜を駆けるドギー」はインターネットに耽溺し感情をもてあます陰鬱な少年を、さわやかなラストへと見事に誘う。「ゼリービーンズの日々」は、氏がSFを語るときに使用したことば「現実のなかのもうひとつの現実」を地でいく作品だ。“もうひとつの現実”を、量子論を援用して確かな技巧で構築していく。
それぞれの“技”も堪能できるアンソロジーだった。
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2001/05/22 15:40
良質の短編集
投稿者:にむまむ(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
良質の作品集に出会えてよかった。SFといっても最近はやたらと広がりすぎてしまってなんとも分かりにくくなっているが、短編で在るがゆえに凝縮した楽しさがあった。 只ちょっと好き嫌いの分かれる作品もあるように思える一面もある。分かりやすい作品が少なくなっている中でなんとも味わいのある一冊。
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2001/02/13 00:43
ジャンルの融合
投稿者:すの(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集にありがちな消化不良を起こしつつも、それを不満には感じない良質な作品達であった。『ブギーポップ』の上遠野さんにつられての購入であったが。
一気に読める勢いのある前半の作品
ぐっと重い感じの後半の作品
『テロルの創世』が個人的にお気に入りであり
そして痛恨の作品でもある。
非常に設定がしっかりしていて、入り込めた矢先に
急に終わってしまった感じがする。
この設定で長編書いてほしい!!
『鉄仮面をめぐる論議』は、上遠野さんの虚空牙シリーズだと
ここの書評で初めて知った。単独でも十分楽しめた。
『ぼくが彼女にしたこと』ちょっと暗くなったが
最後がいい味を出していた。少年独特の残酷さかなぁ。
私は女なので、後味は悪かったが上手いと思った。
『夜を駆けるドギー』まさに今だからでてきたSFという感じ
webでの常套句が日常会話にでてくるあたりとかは
ちょっと思い当たる、高校生の時の自分を思いだした。
『蓼喰う虫』自分の望みが叶うとしたら・・・
ちょっと考えてしまいました。これも設定が好きなので
この設定で短編を何作か書いてほしいところ。
『ゼリービーンズの日々』?ごめんなさい
私には、設定もキャラも合わなかったようです。
色彩が頭に浮かんでこないのが、一番痛かったかも。
巻末対談:非常に仲が悪そうで笑ってしまいました。
もしかしたら、凄く仲良しなのかもしれませんね>大森さん&山田さん
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2001/02/01 03:07
ジュヴナイルSFの「今」
投稿者:風野春樹(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
21世紀のジュヴナイルSFがここにある(ちょっと大げさかな)。
今でこそ同世代の作家が同世代向けに書くヤングアダルト小説にとってかわられてしまったが、かつてはほとんどのSF作家が少年向けのジュヴナイルSFを書いていたものである。もともと少年を描くのはSFの十八番だったのだ。
「ハイブリッド・エンタテインメント・アンソロジー」と銘打たれてはいるものの、本書は実質的にはSFアンソロジーと考えていいだろう。SFへの指向は、執筆者の選択や、本書と続巻『少女の空間』のタイトルが、往年の名SFアンソロジー『時間と空間の冒険』(ハヤカワSFシリーズ、当然絶版)から取られた、というところからも明らかだし、実際、収録されている作品は、西澤保彦の一篇を除いてすべてSFである。ベテランから新鋭まで多彩な作家が「少年」をテーマに競作した本書は、21世紀流のジュヴナイルの形を提示したユニークなアンソロジーといえるだろう。
まず、上遠野浩平の「鉄仮面をめぐる論議」は、「虚空牙」シリーズに属する一篇で、『ぼくらは虚空に夜を視る』と『冥王と獣のダンス』をつなぐ物語。菅浩江「夜を駆けるドギー」は、ネット用語や引きこもり、ペットロボットと、現代的な道具立てを使ってはいるが、少年の成長を描いて普遍的な感動を呼ぶ作品。平山夢明「テロルの創世」は、意外にも、本書の中でもっともストレートで力強い往年のジュヴナイルSFへのオマージュ。まさか猟奇ホラーで知られる平山夢明がこんな瑞々しい作品を書くとは、うれしい驚きである。杉本蓮「蓼喰う虫」は幻想的な「永遠の少年」ものだけど、やや荒削りで雑然としているのが欠点。西澤保彦「ぼくが彼女にしたこと」は、この本唯一のミステリだけど、この作者にしては水準作といえよう。山田正紀「ゼリービーンズの日々」はいかにもこの作者らしく想像力を爆発させた作品だが、設定に凝るあまり少年の内面にまで踏み込めていないのが残念。
作品にはややばらつきがあるものの、続巻の『少女の空間』ともども、ジュヴナイルSFの「今」が知りたい人は必読のアンソロジーである。
(風野春樹/精神科医 http://member.nifty.ne.jp/windyfield/)







