- 出版社:白水社
- サイズ:20cm/225p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-560-04709-X
シェイクスピアを盗め!
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- 税込価格:1,785円(51pt)
- 発行年月:2001.1
- 発送可能日:購入できません
- 本
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商品説明- 「シェイクスピアを盗め!」
舞台は400年前のロンドン。孤児の少年ウィッジが、当時人気絶頂のシェイクスピアの台本を「盗む」役目を言いつかった! ユーモアたっぷり、スリル満点の痛快な冒険物語。全米図書館協会最優秀賞受賞。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「シェイクスピアを盗め!」
ゲアリー・ブラックウッド
- 略歴
- 〈ブラックウッド〉青少年向きの小説を数多く書いているアメリカの作家。本作で1999年度の全米図書館協会ヤングアダルト部門最優秀賞等を受賞。
ユーザーレビュー- 「シェイクスピアを盗め!」
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2006/01/17 17:55
頑張れ、ウィッジ君!
投稿者:読み人(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、あまり期待していなかったにも拘らず、大変面白く、掘り出し物でした。
本書の舞台設定は、シェイクスピアがリアルタイムで活躍していた英国です。
孤児院で育ったウィッジ君は、自分は実は、さる高貴な方の御落胤であることを、夢見る少年。
しかし、ある日、とある博士に貰われて行きます。
この博士、自分で開発した、速記術をウィッジ君に授けます。
ところが、この博士自分では、この速記術を使えません。
なんかこの速記術の実験の意味も含めてウィッジ君に訓練したみたい、、。
併し、ある日、怪しげな紳士がこの博士宅を訪れ、
速記術を使えるウィッジを、貰い受けていきます。
新しいご主人が、ウィッジ君に与えた、命令とは、
この速記術を屈指して、シェイクスピアの劇作を公演を見に行って、
全て、記録してくるというもの、、、。
えーぇ、、驚き、怯える、ウィッジ君ですが、
果たして、ウィッジ君の運命は、、、。
なんか、シェイクスピアを絡めた、軽いミステリを
装丁なんかから、想像していましたが、実は、巻き込まれ型の
冒険小説っぽい仕上がりで、はらはらどきどきの展開が続きます。
なんの、身を守る手立ても、バックアップもない、ウィッジ君
が、健気に奮闘し、可愛いです。
実は、本書英語圏では、YA(ヤングアダルト)向けの良書だとか、
日本では、大人のコーナーにありましたが。
もう一つ、本書で驚いたのは、
この本に出てくる人の殆どが、実在の人だと、いうこと、
この速記術を開発した怪しげな博士も、
速記術に関しては、知りませんが、実在の人で、
この後、シェイクスピアの劇団が出てくるのですが、
そこで、登場する、大人の劇団員も殆ど実在の人だとか、、。
英語圏では、シェイクスピアに関する知識は基礎教養なのかも
しれませんね、、。
(この後に、映画「恋するシェイクスピア」を見たのですが、
実在の劇団幹部の人々で、名前が一致する人を見分けられませんでした)
勿論、本書では、当時の劇団の運営や、興行、脚本の
権利など丁寧に描かれています。
当時は、日本の歌舞伎と同じで、役者は、みな男性でした。
それに関する、涙ものの良いエピソードも、ありますよ、、。
続編の「シェイクスピアを代筆せよ!」も既刊みたいです。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2002/04/06 19:12
疾走感と清涼感がミックスされたようなコミカルで爽やかな青春アドベンチャー
投稿者:かけだし読書レビュアー(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
シェイクスピアを盗め! といったタイトルに惹かれて何気なく読み始め、気がつけば喉越しのよい蕎麦を流しこんでいるようにするすると一気に読破。いやぁ、面白い。
主人公は両親のいない少年ウィッグ。孤児院にいたところ、徒弟を求めにきた牧師のブライト博士に連れられ速記術を習うことに。そこで他の牧師の説教を書きとって博士に渡すという説法泥棒の仕事を手伝わされるのだが、間もなく今度は実業家のサイモン・バスに雇われ、シェイクスピアの演劇を盗むことに。その方法は単純明快。速記術の腕を活かし、演劇を見ながらその台詞をまるまる書き写すというもの。かくしてウィッグは剣の達人フォルコナーと共にロンドンに行くのだったが。
大胆なアイデアも面白いが、主人公のウィッグ少年の冒険物語としても楽しめる。序盤は孤児院にいたのに、ひょんなことからロンドンで鉛筆とメモを手にシェイクスピアの演劇を観ることになるのだ。はじめて足を運ぶロンドン。はじめて観る演劇。そういったドキドキ感が伝わってくる。また彼の垢抜けない台詞も面白い。何しろ返事も「はい」ではなく「へい」何処かとぼけたキャラクターである。
シェイクスピアの演劇を盗む、といった設定ということもあって、物語の方にはシェイクスピア本人を含め実在の人物が登場し、当時の演劇風景や一座の舞台裏もしっかりと描かれている。知識がある人はニヤリとさせられるだろうし、そうでない人も当時の演劇事情を垣間見るような楽しさがあるだろう。青少年向けに書かれた物語のようで文章も読みやすくテンポもよい。読んでいて楽しい作品に仕上がっている。1999年度全国図書館協会ヤングアダルト部門最優秀作賞をはじめとして様々な賞に輝いた一作。
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2003/04/14 17:47
盗めなかったシェイクスピア
投稿者:Yan(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
芝居の台本を盗んで、別の芝居にかける。と言う事があったらしい。著作権がない時代なので、盗まれたら損、盗めばおおもうけと言う事になる。少年ウィッジは孤児だったけれど、速記術を学ばされてその能力のために身を売買されて、シェイクスピアのハムレットを速記させられる羽目に…
速記をした手帳がなくなり、どたばたのなかでウィッジは少年役者の見習いになる。
台本を盗もうとしながらも、どうもそれができない彼。知らないうちに宮内大臣一座の人々と心を通わせていくところが読んでいてなんだかうれしい。それは孤児だった彼が、友達家族、信頼といった人としての愛情に目覚めていくからだと思う。特に同じ年頃のサンダーやジュリアンとの駈け引きがさわやかだ。サンダーに友達だろ? と初めて言われてとまどっていた彼もその意味に気づいていく。女である事を隠して役者になりたがったジュリアンが役者を追われたときに思った同情心。そう言うものがウィッジの成長を物語っているようだ。
Yanの花畑
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2006/07/02 20:17
衣食足りて礼節を知る?
投稿者:栗太郎(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
貧しい孤児の少年ウィッジは、シェイクスピアの新作芝居「ハムレット」を盗むよう命じられます。盗むと言っても、厳重に管理されている台本その物を盗むのではありません。彼の武器は「速記術」。当時としては(現代でも?)特殊技能でしょう。それは彼を孤児院から引き取ったブライト博士が仕込んだもので、彼はウィッジに愛情や家庭を与えはしなかったけれど、一生役に立つ技能をくれたと言えます。ウィッジは最初その技能を説教泥棒(他の牧師たちの説教を書き取って、それをブライト博士がそのまま説教する)のため使い、次に芝居の台本を盗むために使います。
生きることで精一杯のウィッジの善悪についての判断基準は「善とは自分が得をすることであり、悪とは自分が損をすること」でした。
ところが速記したメモ帳を落としてしまったことで、ウィッジは芝居一座にもぐりこむことになります。俳優たちと知り合い共に芝居を作っていくうちに、彼の心は少しずつ変わっていきました。はじめて出会った仲間たち、友だち、やりたいこと。それまでウィッジは未来のことなんて考えたこともないのでしょう。殴られず飢えずなんとか今日を生き延びることで頭は一杯で。でもウィッジは「正直」「信頼」「忠実」「友情」といった言葉を少しずつ自分の心の辞書に増やしていくのでした。
ウィッジの中にはじめて芽生えた将来の夢は、悪人一味から逃れられないという諦めや、仲間に対して嘘をついているという後ろめたさに、何度も押しつぶされそうになります。速記術で芝居を盗むことをやめたウィッジをあざ笑うように、一座の裏切り者が台本を盗み出し……物語は怒涛のクライマックスへ。
400年前のロンドンや、当時の芝居一座の様子、人びとの生活が生き生きと描かれ、ウィッジの友人たちも魅力的です。特に一座の少年俳優ジュリアン、彼はある事情から俳優を続けられなくなり一座を去って行くのですが、行く末が気になります!
続偏「シェイクスピアを代筆せよ!」もお勧めです。こちらは、ロンドンでペストが流行り劇場が閉鎖されたため旅回りに出たウィッジたちの出くわす冒険談です。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2006/06/08 00:02
少年が見たシェイクスピア一座
投稿者:TYANA(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
エリザベス一世の時代のイギリス。
少年ウィッジは孤児院から引き取られ、速記を発明した博士に仕込まれて、シェイクスピアの戯曲を盗み取ろうという悪巧みに巻き込まれます。
著作権が確立していない当時、出版される前の戯曲を他の劇場でも舞台にかけることが出来れば、大きな儲けに繋がる!そんな時代だったんですねえ。
ウィッジを金で買った雇い主に脅されて、仕方なく劇場の周りをうろちょろするうちに、意外な成り行きで役者仲間に加わったウィッジが、しだいに自分の居場所を得ていく…
シェイクスピア本人を含めて実在人物が登場、劇場の裏側が子供の視点で面白く描かれています。
ヤングアダルト向けでやや軽めですが読みやすく、「恋に落ちたシェイクスピア」を思わせるエピソードもあって、時代色が良く出ています。
続編もあるそうなので楽しみ!
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2011/11/21 21:25
遠くて近い世界
投稿者:ががんぼ(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
『ハリー・ポッター』シリーズを始め、児童文学界は活況を呈しているように見える。そんな中では、9から12歳ぐらいの読者を対象とするらしい本書は、大人には格別面白いわけではない。プロットは大人の基準からすれば平板だし、語り自体にそう力があるわけでもない。だが、シェークスピア時代のイギリスを舞台に、劇団に関わる人々を中心に据え、主人公の少年がシェークスピアの台本を盗めるかどうかが話の中心になっている、というのははなはだユニークで魅力的な設定である。『恋に落ちたシェークスピア』という映画もあったが、アメリカ人である作者がこういう話を書くところを見ると、やはりシェークスピアは時代も地域も越えた巨人ということだろうか。脇役とはいえ、他でもないシェークスピア御大も登場、ギャグを飛ばして見せて、シェークスピアを知っている大人たちをニヤリとさせる。
子供にとっては、その日常とは時代も地理も生活もまるで違った世界を目の当りにすることになるし、それでいて、古今東西を問わない子供の不安や喜びに共感できるのは楽しい経験だろう。主人公のウィッジは語り手でもあるのだが、田舎で育った孤児としてまるで世間知らずな彼の言動は、とぼけていて、かつ大らかなユーモアがあって楽しい。本書は、親の愛情も安定した生活も知らずにいた少年が、劇団の仲間との交流を通じて、人としての信義に目覚め、絆を結ぶことを学んでいくという成長小説でもあるが、その過程には役者としての修行や、少年小説には付きもののケンカや、剣を交える戦いのシーンなどもあって、けっこうスリルもある。大したことはないと思いながら、気がつけばけっこうはまってしまった。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2001/02/08 18:15
シェイクスピアの活躍する17世紀はじめのロンドンを背景に、孤児のウィッジの奇想天外な生を描く青春小説
投稿者:大笹吉雄(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
読後感の非常にさわやかな青春冒険小説である。わが国の最近の小説について語る資格を持たないが、テンポがよくてさらっとしていて、どぎつい描写がなくてユーモアがあって、生き生きしていて活力をくれる……というような、いい意味で楽天的な本作のごとき小説は、あまりないのではなかろうか。ふとサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を連想させる。そういえば、この作者もアメリカ人だ。
加えて、演劇にも関心のある人にとってはもう一つの楽しみがある。十七世紀初頭のロンドンを舞台にする本作は、主人公のウィッジという少年が俳優になるので、シェイクスピアの活躍していた当時の演劇界の裏側を、ウィッジとともに垣間見ることが出来るのである。そのシェイクスピアも登場する。
孤児のウィッジは牧師のブライト博士に引き取られ、そこで速記術を教え込まれる。博士は速記術の開発者で、いい説教を集めて本にするとの名目で、ウィッジを近くの教区へ行かせ、ほかの牧師の説教を速記させる。
速記に上達したころ、ウィッジは、新しい主人サイモン・バスに買われる。バスは事業の一つとして芝居の一座を経営している。が、すぐれた座付き作者がいないので観客が少ない。そこで客を増やす手段に、ヒットしている舞台の戯曲を盗むことを思いつく。といっても、一冊しかない台本はどの一座も厳重に管理していて、盗み出すのは容易ではない。そこでウィッジを観客として劇場に行かせてその場でせりふを速記させ、それを台本に起こして上演しようというわけである。
折からグローブ座では、シェイクスピアを擁する宮内大臣一座が『ハムレット』を上演していて、評判が高い。バスは早速ウィッジを芝居見物に行かせる。むろん、『ハムレット』のせりふを盗ませるためだ。ウィッジは必死で速記するが、次第に舞台に引き込まれていく。そのせいもあってせりふを完全には盗めず、穴を埋めるために別の日にもう一度劇場へ行く。が、ウィッジのちょっとしたいたずらがきっかけで劇場が火事になり、ウィッジはつかまる。その言い逃れに役者志望だと告げたことから、せりふを盗みに来た一座の一員に迎えられる。バスはウィッジをどうするか。
当時は女優がいなかったので、ウィッジは女役を演じる少年俳優として舞台に立つが、その楽屋裏や街の様子が活写されていて、さながら十七世紀にタイムスリップした気にさせられる。同時に、孤児として育ったウィッジが人間的に成長していく物語でもあり、グローブすなわち地球という名の劇場で、一座という家族を得る話でもある。
どの世代も楽しめるが、わけても十代から二十代の、若い人たちに勧めたい。訳文もとても読みやすい。 (bk1ブックナビゲーター:大笹吉雄/演劇評論家・大阪芸術大学教授 2001.02.09)







