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ツルはどこからやって来るのか

  • 出版社:葦書房
  • サイズ:19cm/218p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-7512-0795-4

ツルはどこからやって来るのか

鴨川 誠 (著)

  • 全体の評価 未評価1件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,89054pt
  • 発行年月:2001.2
  • 発送可能日:7~21日

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商品説明- 「ツルはどこからやって来るのか」

ツルたちが渡る道を線として引くには、ツルと一緒に飛ぶしかない。万羽鶴の里・出水平野からシベリアの北帰行ルートを、ヘリコプターや人工衛星まで動員してついに突き止めた!【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「ツルはどこからやって来るのか」

鴨川 誠

略歴
〈鴨川誠〉1935年長崎県平戸市生まれ。九州大学大学院研究生満了。名城大学農学部客員教授。著書に「キタタキ 生きていた幻の鳥」など。

関連キーワード- 「ツルはどこからやって来るのか」

ユーザーレビュー- 「ツルはどこからやって来るのか」

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2001/04/23 18:16

少年の日にツルと出会った感動なのか

投稿者:岡埜謙一(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る


 「ツルはどこから」といっても棲息地を探すのではなくて、棲息地からどこを通って渡来してくるのか、帰っていくのかという話である。ツルの渡来地としては鹿児島県出水市と、山口県熊毛郡八代の2カ所が知られているが、このうち本書で取り上げているのは出水に渡来するツルである。北海道釧路市近郊の鶴居村のタンチョウヅルも有名だが、ここのツルは渡りはしないで一年中棲みついている。長崎県平戸市に生まれた著者が初めてツルの渡りを見たのは1940年の秋、著者5歳のとき。おそらく出水市に向かう途中のツルだろう。それ以来ツルに取り憑かれたかのように、著者はツルの渡りルート(ツルの道)解明にのめり込む。高校時代(1952〜1955年)に生物クラブに入部して出水市に渡来するツルの渡りルートの一端を見つけ、その全貌を解明したのが1985年。30年という歳月を費やしている。本書は初めてツルと出会ったときからルート解明まで、じつに半世紀に渡る調査記録である。
 私は2年前の3月はじめ、たまたま所用で出水市に行く機会があった。この年は1万羽以上のナベヅルやマナヅルが渡来していたが、この時期はすでに渡り(帰り)の最中で、数十羽ずつの編隊を組んで飛び去るツルの群を何度も見た。せっかくだから渡来地に行ってみた。展望所に上がると、まだ数千羽のツルたちがいた。かなり離れていても、さすがに数千もの数となると鳴き声がすさまじい。もちろんそこだけでなく、畑で採餌している小さな群が出水市や隣の阿久根市周辺のあちこちにいた。著者たちの調査によると、帰り道になる秋の渡りの際、出水市から天草を経て、長崎半島、平戸島、対馬とほぼ直線的なルートで朝鮮半島まで飛ぶ。棲息地はまだ遙か遠くのシベリアである。陸地伝い、島伝いに飛ぶのは悪天候のときなどに一時避難するためと考えられるが、普通は途中で休むことなく朝鮮半島まで一気に飛んでいくらしい。著者はこのルート解明のためにヘリコプターやモーターグライダーまで駆使している。本書には、そのとき上空から撮影した珍しい渡り中のツルの写真も多数収録されている。
 ツルの渡りルートを解明したところで、もちろん社会的にはなんらメリットはないだろう。鳥に興味のない人にとっては、ただの壮大な無駄と映るかもしれない。それを承知で著者をここまで一心不乱に駆り立てたのはいったい何だったのだろう。少年の日にツルと出会った感動なのか。ツル、いやほかの渡り鳥すべてにとっても渡りは命を懸けた大冒険であり、いまだ謎だらけであるが、私には著者の動機のほうがより興味深い。

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