- 出版社:筑摩書房
- サイズ:22cm/652,20p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-480-78611-2
ロートレアモン全集
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- 税込価格:9,975円(285pt)
- 発行年月:2001.3
- 発送可能日:7~21日
- 本
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商品説明- 「ロートレアモン全集」
【日仏翻訳文学賞(第9回)】高度に凝縮された反逆と呪詛の叫びを残して24歳で夭折した詩人の極限に紡がれたテクストを、明晰な新訳で。実証的伝記研究をふまえた註解を付す。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧- 「ロートレアモン全集」
| マルドロールの歌 | 3−226 | |
|---|---|---|
| ポエジー | 227−270 | |
| イジドール・デュカスの書簡 | 271−280 |
著者紹介- 「ロートレアモン全集」
ロートレアモン
- 略歴
- 〈ロートレアモン〉1846〜70年。ウルグアイ生まれ。本名イジドール・デュカス。ロートレアモンの筆名で散文作品や断章集などを遺す。
ユーザーレビュー- 「ロートレアモン全集」
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1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2001/06/11 12:17
「ロートレアモン全集」の決定版。世界でいちばん詳しい注釈つき。これは今年の文学の一大収穫だ。
投稿者:中条省平(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
ロートレアモンと『マルドロールの歌』について、なにを説明すべきだろうか? なにも知らない若い読者には、ともかく読んでごらんなさい、と言うほかはない。できるかぎり若いほうがいいのである、このマルキ・ド・サド以来もっとも有毒な書物を読むためには。幸いにも読みとおした人は、たぶん『マルドロール』にとり憑かれてしまうだろう。この神秘と猛毒の書には、永遠に滅びることのない、青春にのみ可能な輝かしい夢想がいっぱいに詰まっていて、あらゆるアプローチを許している。だれもが自分のマルドロール像を創ることができる。私にとってもこの本はいまだに特別である。高校生のころ、『マルドロール』を一気に読んだ暑い夏休みを忘れられない。そこには、真に未知の世界の目も眩むような陶酔があった。その驚きは今回の『全集』でも、ほとんど色褪せてはいない。それほどこの本はすごい。高い本だが、先端的な文化に興味のある人は迷わずに買ったほうがいい。一生の宝物になるはずだから。
だが、すでにロートレアモンを読んだことのある人も、思い切ってこの本は買う価値がある。これまでに『マルドロールの歌』は5回、『ロートレアモン全集』は3回も翻訳が出ているが、文句なしに、石井洋二郎訳『ロートレアモン イジドール・デュカス全集』は最高の出来栄えである。訳文が現代的でシャープだし、にもかかわらず、『マルドロール』独特の濃密な文体、鎖に鉄の分銅をつけて振りまわすような重いスピード感が出ているところがいい。読みやすいだけではなく、言葉の手応えがしっかりしているのだ。
そして、なによりも注釈が素晴らしい。ともかく『マルドロール』は謎の書物なのだ。本文だけを読んでも絶対におもしろいが、すこしでもロートレアモンと『マルドロール』について進んだ理解を得たい人には、できるかぎり詳しい注釈があったほうがいい。しかも、いまのところ、この日本語版は世界でいちばん(!)詳しい注釈のついた『ロートレアモン全集』なのである。すれっからしの読者は、本文の翻訳それ自体より、この膨大な(訳文よりもはるかに大量の)注釈のほうが価値があるなどと言い出すかもしれない。
たしかに、この注釈を拾い読みしていたら、一時間や二時間はあっというまに経過してしまうだろう。動物学、植物学、文体学、文学史、音楽史、パリの地理学、娼婦研究などなど、あらゆる水準の知識を総動員して、訳者はロートレアモンを読むという学問を心から楽しんでいる。こんなにリアルに文学の楽しみを教えてもらう経験は久々のできごとである。石井氏の努力に心から敬意を表したい。だが、石井氏は東京大学での激務のかたわら、わずか一年半でこの記念碑的な力わざをなし遂げてしまったというのである。訳者にとっても、よほどスリリングで充実した仕事だったのだろう。その意味でも、ここには文学の上質な快楽があふれている。
2001年のわが国における文学の最高の収穫のひとつと断言したい。 (bk1ブックナビゲーター:中条省平/フランス文学者・学習院大学教授 2001.06.10)



