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ドッグファイト

  • 出版社:徳間書店
  • サイズ:20cm/355p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-19-861350-8

ドッグファイト

谷口 裕貴 (著)

  • 全体の評価 44件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,68048pt
  • 発行年月:2001.5
  • 発送可能日:購入できません

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商品説明- 「ドッグファイト」

【日本SF新人賞(第2回)】地球統治軍に占拠された、植民惑星ピジョン。精神感応波で操作されるロボットに対抗できるのは、この星で独自に発展を遂げたテレパス、「犬飼い」だけであった…。日本SF新人賞受賞作。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「ドッグファイト」

谷口 裕貴

略歴
〈谷口裕貴〉1971年和歌山市生まれ。竜谷大学文学部史学科卒業。「ドッグファイト」で日本SF新人賞を受賞し、作家デビュー。

ユーザーレビュー- 「ドッグファイト」

全体の評価
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1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2002/07/04 18:27

単純に読んで楽しめる娯楽作品

投稿者:かけだし読書レビュアー(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

面白い。なんというか映画を見ているような物語。SFといえば難解な理論
が含まれた、少しとっつきにくい作品もあるけれど、このドッグファイトは
独特の世界観と視覚的な描写、そして映画的なプロットでグイグイと読み手
を引き付けるような娯楽作品。

惑星ピジョンに住む犬飼いのユス、機械いじりの好きな少女キューズ、政治
家を目指す地元の有力者の息子クルスなど、穏やかな三人の交流が序盤に描
かているが、ここを読んでいるあたりでもう、長くは続かないであろう平和
と、その先の展開を予測してドキドキしてしまう。そして突如現れた地球統
合府統治軍と彼らの戦い。冒頭から最後まで息もつかせぬ物語とは多分、こ
ういった作品のことをいうのだろう。

少し最後がはしょりすぎている点と、もう少し描き込んでほしい部分もあっ
たが、犬飼いといった独特の設定を含めて魅力的な要素も多く、手に汗握る
ような物語を読みたいと思ってる方に強くお薦めしたい一冊だ。

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1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2001/06/24 10:29

日本の知性化シリーズとなれるか。

投稿者:seimei(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 テレパスで犬と交感し共同体クランを作り上げ生活する犬飼いが住む惑星ピジョンにある日、地球統合府統治軍がテレパスの指揮する軍用ロボット“ディザスター”を中心に侵略をする。犬飼いの有族シリウスの名を持つユス、友人のクルス、キューズを中心にしたパルチザンは、“ディザスター”の眼を通り抜けられる犬たちで反攻を開始する。
 日本にもスペクタクルなSFを描ける作家が出たのかと嬉しくなりました。テレパスの使い方は斬新とは言えませんが、戦術としての犬の運用が巧いし、その戦闘ゆえの悲劇と主人公の悲哀も納得できる構成になっている。クルス、キューズの描きこみ不足によるパルチザンの葛藤や最後の駆け足の、この宇宙世界の未来史となる骨格となるであろう外縁宇宙から生まれたシャドウ(異聖人の幽霊といわれている)の影響下による主人公の意識の拡大の唐突さなど欠点も目立つ。
 デモ、人類の遺伝子の進化シミュレーションをしているサンクチュアリ、そこから生まれた精神感応力を持つ能力者アフタースケール、地球統合府統治軍がもつ一方の進化シミュレーションを行なっているジオ、そして外縁星への侵略など、スケールの大きいキーワードで楽しませてくれる。もしこの設定で未来史シリーズを描くならば、この本書はブリンの知性化シリーズの『知性化戦争』の位置となる予感がする。順番は逆になるが、次で『スタータイドライジング』並の傑作を期待したい。

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2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2004/02/10 21:44

カバー画が生来範義、と聞いただけで感動した日々も遠いものになってしまった。それでも生頼に画をつけてもらった出口は幸運だ。長嶋茂雄にコーチしてもらうようなものだから

投稿者:みーちゃん(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

受賞ものに弱い、まして新人賞ものとなれば、ハズレがあるのが分っていても手を出さずにいられない。哀しい性(さが、だよ)、病だなあと思う。でも、こまめに読んでいれば宝の原石のようなものにぶつかることがある。はたして、谷口はどんな石なのだろう、そんなことを思いながら読み始めた。

数十匹の犬を繁殖させ、訓練し自分の分身であるかのように扱うユス。犬の苦痛に精神感応(古いなあ、エスパーでもいいのだけど、それも古いしなあ)し傷つく彼にも、大切な友人がいる。上流階級に属するクルス、第二レベルの少女キューズ。二人とも、階級は違うけれど親友だ。でも彼が最も信頼する犬はクラン。そんなユスに、子犬のミスティとドリブルを里子に出す日が近づいている。

エアロスクーターの手入れをしているある日、クルスの家が襲われ、彼を除く家族は殺される。襲撃者から逃れようとするユスは途中で最愛の犬を失う。累々たる犬達の死体、テレパス故の想像を絶する痛み。

精神の直接支配を武器に迫る地球統合府統治軍。支配者ヨハネスと部下のロレーンに追い詰められるユスたち。惑星ビジョンに迫る4億の地球人。少女ロレーンの妖しげな行動。レーザーで殺戮を繰り返すディザスター。ユスと精神感応する犬達。地球の名の下での暴力。 

第二回SF新人賞受賞作。カバー画は生来範義。犬を話に上手く取り入れたところが味噌だろう。古典的なSFといっていい。文章もしっかりしているし、犬と人間との結びつきというのも悪くない。でも、友人の家族が殺されたり、愛する犬が傷ついたりした時の主人公の悲しみが伝わって来ない。

どこに原因があるのか、考えてみたい。それから、無いものねだりかもしれないけれど、纏まりが良すぎるのも気になる。破格、という言葉はこの作家には当てはまらないのかもしれない。

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2001/05/26 23:22

豊かな力量を持った大型新人の登場

投稿者:喜多哲士(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 第2回日本SF新人賞受賞作。
 植民地惑星ピジョンに突如地球統合府の統治軍が現れ、精神感応で動くロボット〈ディザスター〉を操り、星を制圧する。〈ディザスター〉に対抗できるのはテレパシーによって〈犬飼い〉と心を通じあわせる犬たちのみ。〈犬飼い〉のユスは、幼なじみのクルーズやキューズたちの率いるパルチザンに協力し、統治軍と激しい戦いを繰り広げる。
 新人離れした迫力あるタッチで読者を惹きつける。さらに、テレパスたちの心理描写を通じて訴えられる戦いの愚かさ、虚しさ、哀しさがストーリーを通じて無理なく表現されている。
 本書は単なるアクション小説ではない。SFだからこそなし得る舞台設定によって、アクションの向こうにある人間ドラマを展開しているのだ。読み手はユスと犬たちの精神的な交流を通じて人間性とは何か、心が通じ合うとはどういうことなのかを実感させられることだろう。
 豊かな力量を持った大型新人の登場である。今後の作者の活躍におおいに期待したい。

(喜多哲士/書評家・教員・童話作家
http://www4.justnet.ne.jp/~tetsuji-kita/)

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