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言語の興亡(岩波新書 新赤版)
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2001.6
  • 出版社: 岩波書店
  • レーベル: 岩波新書 新赤版
  • サイズ:18cm/221,13p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-00-430737-6
  • 国内送料無料
新書

紙の本

言語の興亡 (岩波新書 新赤版)

著者 R.M.W.ディクソン (著),大角 翠 (訳)

言語の興亡 (岩波新書 新赤版)

842(税込)

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紙の本

言語及び言語学が興味深い分野であることが判る

2003/06/01 14:21

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 作者自身によるまえがきと翻訳者によるあとがきから引用する。言語と言語との関係を探る研究は、これまで二つのモデルに準拠してきた。言語同士が親子関係でつながっていることを示す、系統樹モデルと、語形や文法範疇が隣接言語の中に伝播波及していく関係を示す、言語圏モデルである。本書では、言語の発達を全体的に見渡す視点から、これらの統合を試みている。言語は時事刻々と変化しているものであり、生れたり死滅したりしている。生物学の用語を借りて独自の断続平衡というモデルを提唱し、言語が民族の移動や社会形態等の変化に対応して、収束や拡張、分裂を繰り返してきたと論じている、また、世界の多くの少数言語が急速に話者を失い、言語の多様性が永遠に失われる前に、一つでも多くの少数言語が調査研究され、記録に留められるべきであると、訴えている。
 専門用語も多く使われており、読みにくいところもあるが、言語及び言語学が興味深い分野であることが良く判り、興味を引き付けられた。

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紙の本

言語進化モデルとしての断続平衡理論

2001/12/11 06:01

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:三中信宏 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『言語の興亡』は著者の主張が鮮明に示された本である.著者が古生物学の「断続平衡モデル」に目をつけた動機は,歴史言語学における「系統樹モデル」への疑念に発している.シュライヒャーの系統樹モデルとシュミットの波紋モデルは,歴史言語学における対立パラダイムとして有名だが,ディクソンはこの両者は断続平衡モデルのもとで統一できるのではないかという仮説を立てる(pp.4-5).

 言語進化の断続平衡モデルでは,ある地域の言語群は長期にわたる平衡状態のもとで【言語圏】−「ちがった語族に属する言語が複数存在し,そのような言語がそれぞれ地域外の少なくとも一つの同語族の言語に見られないような言語特徴を共有しているような地域」(p.22)−を形成していく.私が理解した範囲では,言語圏とは生物地理学でいう areas of endemism に相当する地理的概念である.平衡期には言語の相互借用を通じて,ある「収束」が生じているとディクソンは考えている.この平衡が何らかの原因(自然・経済・社会など)で中断されるとき,言語は急速に「拡張-分裂」(p.129)の過程を経て,祖語からの由来による類縁族が生じる.

 著者は,「分断」期には系統樹モデルがうまく適用できるが,「平衡」期にはむしろ地域伝播に基づく言語圏モデルがよりよくあてはまるだろうと考えている(p.198).言語系統の収束(平衡)と分岐(分断)のサイクルによる著者自身の言語進化観−図6-1(p.140)の模式図−を断続平衡モデルによって表現したと私は理解した.

 言語系統学に地理的な次元を積極的に導入するという著者の意図には私も同意できるのだが,それが比較法に基づく言語系統推定そのものへの批判になぜつながるのか,その点が私には納得できない.たとえば,祖語が実在しないという批判,あるいは「比較法」は適用できないという批判は,確かに推定の過誤の可能性を指摘している点では正しいのだが,その批判の内容は,著者が進化プロセスに関する「モデル」と歴史推定の「ロジック」とを単に混同しているに過ぎないからだと私は考える.

 むしろ,著者の「言語進化モデル」が経験的にどのようにテストできるのかを考えたとき,そのよりどころは言語系統関係のより精密な推定以外にはありえないのではないか.私としては,言語系統学と言語地理学のさらなる合体を著者は目指しているという積極的なメッセージを本書から汲み取りたい.

 本書の言語進化観については上述のように根本的な欠陥があると私は見るのだが,実践に向けての著者の提言には全面的に同意する.著者は,なぜいまの言語学者はフィールド・ワークを軽視するのかと批判し,「本当になすべきことはただ一つ−現地に行き,言語を記述すること!」(p.207)と檄を飛ばす.オーストラリアの現地語族の広範なフィールド・ワークをこなしてきた著者のメッセージには重みがある.

※関連書
ネトル&ロメイン『消えゆく言語たち』

---
【目次】
謝辞 i
はじめに 1
第1章 序説 9
第2章 ことばの伝播と言語圏 21
第3章 系統樹モデルはどこまで有効か 41
第4章 言語はどのように変化するか 77
第5章 断続平衡モデルとは何か 95
第6章 再び祖語について 135
第7章 近代西欧文明と言語 143
第8章 今,言語学は何を優先すべきか 161
第9章 まとめと展望 195
補論 比較方法の発見手順では見誤ってしまうもの 209
訳者あとがき 215
参考文献 (1-13)
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2006/07/13 22:40

投稿元:ブクログ

【本文抜粋】
どんな言語も、彼らがどう考えているか、何に価値を置いているか、何を信じているか、外界をどう分類しているか、彼らの生活をどう秩序だてているかなど、その話者の世界観を内に包んでいる。言語が死ぬということは、人間の文化の一部が奪われるということだ―永遠に。

今日の言語学の最も重要な仕事、実際唯一の本当に重要な仕事は、フィールドに出ていき、まだ可能なうちに言語を記述することだ。形式文法主義者の理論の自画自賛は今でなくてもよい。いつでもできることだ。言語学的記述は今行わなければならない。

2016/02/05 06:00

投稿元:ブクログ

通勤で持参した本を読み終えてしまい,帰りがけに買った岩波新書の一冊。こういう時に神保町は便利だ。ほんの10分ほどあれば,重い本か軽い本か,どの分野がいいかなど選び放題。
本書を手にとったのは理由がある。明治学院大学の講義でパレスチナ問題について学び直したが,その過程で「反セム主義」という言葉を知った。これ端的に反ユダヤ人主義なわけだが,ユダヤ人の母語であるヘブライ語は,インド=ヨーロッパ語族ではなく,セム語族という系譜になることが当時の言語学で明らかになり,それがユダヤ人をヨーロッパとは異なるものの根拠として用いられたという話。
現代言語学はそうした民族の話や地理の話とは無縁な気がするが,現代言語学の古典ソシュールの『一般言語学講義』でも第Ⅳ編が「言語地理学」にあてられている。19世紀初頭のドイツの言語学者ヴェルヘルム・フォン・フンボルトも地理学者である弟のアレクサンダーが南米旅行で記録してきた現地の言葉に関する資料を自らの研究に活かしたなんて話もあるくらいで,19世紀の言語学の中心は世界における言語の多様性をいかに説明するのかという比較研究を中心としていたらしい。

はじめに
第Ⅰ章 序説
第Ⅱ章 ことばの伝播と言語圏
第Ⅲ章 系統樹モデルはどこまで有効か
第Ⅳ章 言語はどのように変化するか
第Ⅴ章 断続平衡モデルとは何か
第Ⅵ章 再び祖語について
第Ⅶ章 近代西欧文明と言語
第Ⅷ章 今,言語学は何を優先すべきか
第Ⅸ章 まとめと展望
補論 比較方法の発見手順では見誤ってしまうもの

言語同士を比較し,似ている似ていないでグループ化し,進化論の影響下ではそれを生物の系統分類と同じように類型化するというところまでは知っていたが,やはり言語学でも系統分類が万能ではないらしいというのが,本書の主張。生物分類に関しても昨年何冊かの本を読んだが,やはり生物種についても言語についても,観察できるのはせいぜい数十年である一方で,それらが変化を遂げていくにはその10倍とか1000倍とかの時間がかかるのだ。
結局は進化という現象を信じても,それが具体的にどう変化したのかを資料に基づいて根拠づけるのは簡単ではない。言語学においてそうした系統樹のモデルを確立した一つの事例が有名なインド=ヨーロッパ語族であり,著者によれば,その成果に異論はないという。インド=ヨーロッパ語族はそのモデルでよく説明できるものだが,世界中の言語がそのモデルで説明できるかというとそうではないという。
著者によれば,言語の変化には,変化をあまりせずに長い間経つという「平衡期」と,短い時間に変化していく「中断期」があるという。そこで提案されるのが断続平衡モデルというものだが,やはりこの辺になると説明が複雑で分かりにくい。
それに加え,著者はヨーロッパによる植民地支配の問題なども議論しており,かなり視野が広い。最終的に著者の主張は言語学における民族誌的研究の必要性だ。現在次々と失われていく言語を記録するために,言語学の博士論文は,そうした言語集団をフィールドワークし,その言語体系を記録していくようなことをすべきだと主張する���

2011/05/14 09:25

投稿元:ブクログ

[ 内容 ]
現在地球上に存在する約五千の言語は、どのように発達してきたのだろう。
オーストラリアの言語学者ディクソンは、変化の少ない長い平衡期と、言語が急激に拡張・分裂する短い中断期が繰り返されたとする新しい仮説、断続平衡説を提示する。
さらには、異文化接触によって消滅してゆく少数言語に対して、言語学はいま何ができるかを熱く語る。

[ 目次 ]
第1章 序説
第2章 ことばの伝播と言語圏
第3章 系統樹モデルはどこまで有効か
第4章 言語はどのように変化するか
第5章 断続平衡モデルとは何か
第6章 再び祖語について
第7章 近代西欧文明と言語
第8章 今、言語学は何を優先すべきか
第9章 まとめと展望
補論 比較方法の発見手順では見誤ってしまうもの

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

2014/05/21 21:24

投稿元:ブクログ

なんとなく、現在、世界で使われているあらゆる言語は、ある一つの言語から枝分かれしてできたもので、綿密に調査を重ねれば、系統図が描けるんじゃないかと思っていた。そうだよなぁ、そんな単純じゃぁないんだよなぁ。
これから何世代か後も、世界が多種多様な言語で満ちあふれる複雑な世界であるといいな。

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