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三人寄れば虫の知恵

  • 出版社:新潮社
  • サイズ:16cm/302p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-130832-2

三人寄れば虫の知恵 (新潮文庫)

養老 孟司 (著), 奥本 大三郎 (著), 池田 清彦 (著)

  • 全体の評価 53件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:54015pt
  • 発行年月:2001.7
  • 発送可能日:購入できません

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ユーザーレビュー- 「三人寄れば虫の知恵」

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2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2006/08/04 12:32

国立昆虫博物館設立を!

投稿者:GTO(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

とにかく楽しそうなのがいい。昆虫が好きとか虫に詳しいとかでなくても充分に楽しめるのが不思議である。それは虫を語りながら、人を、社会を、世界を語っているからである。

 二酸化炭素の増加によって、地球が温暖化しているとか。毎年4万種もの生物が絶滅している。と大声で叫ばれるより、「(養老)子供のころは、アカテガニかベンケイガニかしらないけど、とにかく鎌倉にたくさんカニがいたんだよね。…それが驚くなかれ、いまや鎌倉には一匹もいない。」(p.17)「(奥本)その環境を整えるのにどれくらいかかりますか。東京だと10億ぐらいかかるかなあ。上流から全部、コンクリート護岸を剥がして、農薬、除草剤をやめてもらわないと駄目でしょう。」「(池田)そうゆう用水は、全部、東京オリンピックのあと、まわりを全部コンクリートで固めたドブになってしまいました。」(p.19)や「(奥本)ゴルフ場が昔の水田ぐらいある。そしてそこに農薬をまいている。」「(養老)ひどいよ、あれは。何を馬鹿なことをやっているんだ、といつも思う。 」(p.50)とか「(池田)あそこの木はみんな外からもって来て植えた木だから、木の種類は多くてもやはり虫はあまりいないんですね。」「(奥本)どんなに多様に植えても、人工の林は弱いですね。」(p.52)などの発言を読むほうがずっと環境問題を肌で感じられる。

 大上段に構えてくる新興宗教みたいな論でもなく、コマーシャリズムに毒された論でもないところがいい。環境問題は理念ではなく、感性と経済的観点から出発しなければ、具現化しない。具現化しないどころか魔女狩りになる恐れさえある。

 たとえば、「(奥本)高速道路で、自動車にぶつかって死ぬ虫の数の方が、昆虫採集で捕られる虫の数より格段に多いでしょう。」、「(池田)あれ[U字溝]は問題です。あそこに虫がみんな落ちる。」(p.59)なのに、採集は禁止される矛盾は養老が非難する都市主義、池田の非難する原理主義が社会を席巻している結果なのだろう。昆虫博物館ができないのもそんなことが原因なのだろう。

 硬い話は別にして、生き物に関するトリビアがいっぱい散りばめられていてとにかく楽しい読み物である。虫に限らず話の合う仲間とのおしゃべりほど幸せな時間はない。私にとって、書評は見知らぬ本好きの仲間とのそんな対話のきっかけと考えています。よければ、ブログにお立ち寄りください。

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2003/05/20 18:02

<虫を無視するな。虫の立場から一言も二言も言わせてもらおうか>

投稿者:まんでりん(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 漱石の『我輩は猫である』は、猫の目から見た近代日本の文明批評であるが、この本は、三人の人間の鼎談という形式をとってはいるが、その実、虫の側から見た現代日本(世界)の文明批評となっている。
 ネパールの子供たちは、見ず知らずの外国人のおじさんでも帰国すると言うと、また来てねとどこまでも追いかけてきて別れを惜しむ。
 文明の名のもとに、都会に暮らす現代日本の住人たちは、この地点からどれほどかけ離れてしまったのだろうか。
 狩猟採集生活と言われる暮らしを送っていたその昔、私たちの祖先は、虫を食べていたらしい。
 それほどの人口であり、その程度の食料であった。
 しかし、虫を食べて露命をつないでいたとはなあ。
 たくさん折り曲げ、いっぱい線を引っ張って読んだ。
 いつも新品同様にして読み終える私にしては、久しぶりの快挙であった。
 だから「虫屋」になるとまでは言わないが、虫を愛でるひとりとして大いに満喫させていただいた。

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2002/02/27 14:20

虫屋はとことんアナーキーだ

投稿者:Snake Hole(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 希代の「虫屋」学者3人による鼎談本,解説で南伸坊氏が喝破されている通り,この本はとても面白い。虫に関して何も知らなくても面白い。南さんは「虫好きの人にもきっと面白いと思うのだけれども,それは私が虫好きでないのでわからない」と書いておられるが,虫好きにも絶対に面白い。奥本センセや池田センセのムシの本を愛読し,「蟻の生活」こそ「青い鳥」のメーテルリンクの生涯最高傑作だと信じるワタシが言うんだから間違いありませんよ,南さん。
 内容を一言で言えば奥本センセイが「はじめに」で書かれている達見「虫屋はアナーキーだ」というコトを,もうこれでもかこれでもかはいはいセンセイ方,もう充分解りましたから勘弁して下さい、なに解っただとなにが解ったのか言ってみろ、虫屋はとことんアナーキーだと解りました、おおそれぢゃ虫屋がなんでアナーキーになるのか言ってみろ言えないかそれではちっとも分かってないってな具合にトコトン証明している鼎談なんである。
 中でも印象に残ったのが池田センセイが紹介しているチビナガヒラタムシの生態。こいつは一科一属一種というとんでもない虫で朽木を食って生活しているんだが,食い物の朽木がたくさんある環境に置かれるとめんどうくさいから変態せず親にならない。幼虫の段階でとどまってばんばん子供を産むので物凄い勢いで増えるのだそうなのだ。そんなのありか,と読み進むと,養老センセイがキノコバエもそうだと言う。キノコがたくさんあるときは幼虫のまま生殖しちゃう,キノコがなくなって来るとたちまち変態して翅を生やして飛んでいってしまう…,なんとまぁ(笑)。

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