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夏の庭 The friends 改版(新潮文庫)
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.2 836件
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この著者の新着情報

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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2001.5
  • 出版社: 新潮社
  • レーベル: 新潮文庫
  • サイズ:16cm/218p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-131511-6
  • 国内送料無料
文庫

紙の本

夏の庭 The friends 改版 (新潮文庫)

著者 湯本 香樹実 (著)

【ボストングローブ・ホーンブック賞(1997年度)】【「TRC MARC」の商品解説】

夏の庭 The friends 改版 (新潮文庫)

464(税込)

ジュンク堂書店千日前店

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新潮文庫の100冊 2016 109巻セット

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書店員レビュー

ジュンク堂書店松山店

小学6年生の夏休み、...

ジュンク堂書店松山店さん

小学6年生の夏休み、同級生のおばあさんが亡くなった。

-だれかが死んだらどんな気持ちになるか-

そんなこと全然知らなかった3人の少年は、
町外れに暮らすひとりの老人を観察し始めた。

死ぬっていうのはどういうことなのか。
そんな好奇心から始まった老人の観察だったが・・・。


この本を初めて読んだのは中学生の時でした。
今でも大好きな作品で、号泣したのを強く覚えています。

生きていながら屍のような老人が、3人の少年と触れ合い交流し、
死ぬどころかだんだん元気になっていく。
その中で、おじいさんのお茶目な一面や少年達の優しい心、
読んでいて微笑ましく心が温かくなります。

死ぬっていうのはどういうことなのか。
決して悲しいだけではないんだな、と思わせてくれる作品です。


文庫・新書担当 藤渕

みんなのレビュー836件

みんなの評価4.2

評価内訳

紙の本

子供たちと老人の心の交流。おもしろかった。

2005/10/11 14:02

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る

小学生の仲良し3人グループの内の一人が、親戚のお葬式に出るため学校を休む。戻ってきた彼は、ほとんど会ったことのない人なので特別悲しみは感じなかったと言うが、死体を見たことがあるか、死とは何か、死ぬとどうなるのか、グループ内で大きな話題となる。
近所にすぐに亡くなりそうな一人暮らしの老人を見つけた彼ら、死ぬところを見ようと毎日観察しはじめるが・・・。
真剣に観察を続ける少年たち、それに気付きからかい気味の対応を見せる老人、それでムキになり、意地になって後を追い回す子供たち、そのうちにいつしか少年たちと孤独な老人の間に生まれる奇妙な心の交流。
ちょっとだけ大人に近付く子供たちと、彼らのおかげで無気力に過ごしていた毎日を変えることのできた老人の姿が、さわやかにほほ笑ましく綴られていきます。
ほんのわずかの時間で読んでしまえるほどの長さですが、十分な満足感を味わえ、読み終わったあと素直におもしろかったと言える一冊です。

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紙の本

失われ行く命の行く末と、決して失われないもの

2008/05/24 02:44

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ろこのすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る

薄い本なのに実に良い本であった。
登場人物は六年生の三人の少年たちと老人である。

喧嘩しながらも呼吸がぴったりあう三人の少年、木山、河辺、山下。
この物語は木山である僕が語り手となって進んでいく。

木山は両親の関係がどうやらぎくしゃくしているようで母親はアルコールばかり飲んでいる。肥満児の山下は魚屋の息子、河辺はメガネがないと歩けないほどの近眼で母親だけの家庭。どうやら父親は離婚してほかに家族がいる様子。

山下のおばあちゃんが亡くなり学校を休んだことがきっかっけで河辺、木山の二人の少年は人が死ぬということはどんなものか知りたいと思うようになる。

少年たちの家の近くに古びた平屋の家があり、そこにひとり暮らしのおじいさんがいて、どうやらもうすぐ死にそうだという噂を聞いた少年たち。

あろうことか少年たちはこのおじいさんが死ぬ瞬間を観察したいと思うようになり、見張りを続ける。

一日中、コタツにはいってテレビをみつづけている生きるしかばねのようなおじいさんは、少年たちの見張りに気付いてから日に日に元気になる。
いつしか少年とおじいさんの不思議な交流がはじまり、僕(木山)はこう思うようになった。

(死ぬということは息をしなくなることだと思っていたけれど、それは違う。生きているのは、息をしているってことだけじゃない。それは絶対に違うはずだ。)

またあるときはおじいさんの庭の花にみずやりをしていたとき、虹ができたのを見てこう思ったのである。

(虹はいつもみえないけれど、たった一筋の水の流れによって姿を現す。光はもともとあったのに、その色は隠れていたのだ。たぶん、この世界には隠れているもの、見えないものがいっぱいあるんだろう。虹のように、ほんのちょっとしたことで姿を現してくれるものもあれば、長くてつらい道のりの果てに、やっと出会えるものもあるに違いない。僕が見つけるのを待っている何かが、今もどこかにひっそりと隠れているのだろうか)

と云う風に少年たちはおじいさんとの交流の中からいろいろなことを考え答えをみつけていく。

(からだはあとかたもなく消えてしまっても思い出は空気の中を漂い、雨に溶け、土に染みこんで、生き続けるとしたら・・・いろいろなところに漂いながら、また別のだれかの心に、ちょっとしのびこんでみるかもしれない。時々、初めての場所なのに、なぜか来たことがあると感じたりするのは、遠い昔のだれかのいたずらなのだ)

失われ行く命の行く末と、決して失われないものがあることを「死」を通して学んだ少年たちのひと夏の物語だった。

この物語が死を通して多くのことを学びました、「はい終わり」でないところが良い。つまり死は人間の終止符であるという物理的なことでなく、少年たちがこれから経験するであろう人生の苦難に対して「亡き人=死」を自分の心の支えとして立ち向かおうとする「力」をあたえたところにある。

人は愛するものの死に慟哭するが亡き人はこの物語のように自分の心の礎として不滅の命を得るものなのだ。

読み終わってこんなにすがすがしく心が洗われたことは久しぶりのように思った。


※この作品は映画化され舞台化されたとか。10カ国以上で刊行が決まり、日本児童文学者協会新人賞、児童文芸新人賞、米国バチエルダー賞、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞を受賞した作品。

読了に一日もかからなかった薄い本であるけれど、どんな長編よりも心に深く感動を与えた本だった。

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紙の本

私の中の何かが洗われたような気になる名作

2008/04/27 00:55

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:homamiya - この投稿者のレビュー一覧を見る

小6の3人組男子が、「人が死ぬところを見たい!」という子供らしい発想から、1人暮らしのおじいさんを見張る事にするが、やがておじいさんにバレて、怒られたりからかわれたりしながら、次第に仲良くなってゆく。
小学校最後の夏休みの出来事、みじかいみじかい物語で、あっという間に読めてしまう薄い本だが、これを読むと、私の中の何かが洗われたような気になる名作。

3人の男の子が、子供なりにいろいろ考える。


「ヘンだよなあ。だれだって死ぬのに、どうしてこわいって思うんだろ。やっぱり死ぬまでわかんないのかな」

「オレはまだヒラメのお造りができない。できないうちは死ぬのはいやだって思う。できないうちに死んだらどうしようって思うとこわい。でも、ヒラメのお造りができるようになったら、いつ新でもいいって気になるかっていうと、わかんないけど」

「でも、どこかにみんながもっとうまくいく仕組みがあったっていいはずで、オレはそういう仕組みを見つけたいんだ。地球には大気があって、鳥には翼があって、風が吹いて、鳥が空を飛んで、そういうでかい仕組みを人間は見つけてきたんだろ。だから飛行機が飛ぶんだろ。音より早く飛べる飛行機があるのに、どうしてうちにはおとうさんがいないんだよ。どうしておかあさんは日曜日のデパートであんなにおびえたような顔をするんだよ。」


子供だからってこんなにストレートに言わないだろうと思うが、子供を通じて作者は言いたいことをストレートにぶつけてくる、そのおかげで短い本にたくさんの真理がつまっている。

3人とおじいさんが仲良くなった頃のシーンがすごく好きだ。
いかにも日本の夏っぽい情景で、私も子供のころに体験した夏の庭・・・その空気を思い出すし、大人になってから、既に失った場所や人の思い出として、この情景を思い出したら、なんともいえない切なさがしみるのもわかる。

キンモクセイの木がある庭、乾いた洗濯物がほっこりとつまれ、縁側に腰かけて熟れたスイカを食べる。「入ってますかー」と頭をたたいてじゃれあう。台所からみた庭は、夏の陽にあふれて、四角く切りとられた光の箱のよう。そして・・・

「あ」「雨だ」
乾いた白っぽい土の上に、黒いしみがいくつもできていく。やがてそれは庭全体に広がり、大粒の雨の降る音がぼくらの耳をおおった。湿った土と蚊とり線香の匂いが、強く立ち上がる。

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紙の本

とにかく泣ける本

2008/08/06 18:42

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オリビア - この投稿者のレビュー一覧を見る

湯本香樹美という人は、どうしてこうも“人の死”を通した人と人とのふれあいを描くのがうまいのだろう。
「夏の庭」では、おじいさんと子供たちの反目する関係が徐々に親密になっていく様にどんどんと引き込まれ、あたかも自分が第4の子供になったように子供たちの中に同化してしまう。思いっきり本の中に入り込んだそのとたん、人の死を突きつけられる。そして、結局泣いてしまうのを止められない。
身近な人の死を疑似体験することで、現実世界の身近な人との関わりを考えさせられる本。
とにかく、泣ける。そして、読み終わった後に清々しい気持ちになれる。湯本さんの「ポプラの秋」もおすすめ。

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紙の本

綺麗な涙を流す事ができました。

2004/05/13 17:45

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:日和 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「死ぬ」ということはどういう事なのか。
死んでしまったら人はどうなるのか。
死に対して人は様々な考えをもち、そして時には恐怖すら抱くと思います。
この物語の3人の主人公達も、「死」に対し興味をもち、その結果近所の今にも死にそうなおじいさんを観察し始めます。
子供と触れ合う事によって、口には出さないけれど毎日が楽しくなった老人。
また老人と触れ合う事で学校や塾では学べない生きていく上で大切な事をたくさん学んだ子供達。
そんな老人と子供達の一夏の物語です。
「死ぬ」という事で、一人の人生は終わってしまいます。
しかしその人が生きた証というものは生き残った人の心の中に残ります。
そうやって多くの命が残りの人の中で生きる。この大きな流れがこの世界を創っている。
この物語によって死というものをただの悲しむべきもの、怖いもの以上に、自然の流れとし、前向きなものとして受け止める事ができるようになりました。
一つ一つのかけがえのない命の終わりの時にその意味を見出せるようなきがする。
ラストは純粋に涙がこぼれ、読んだ後には、哀しいだけではない温かい何かが心の中に残りました。
とても素敵な物語です。

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紙の本

現代の私たちが忘れかけているものに再度光を当てる作品!

2016/02/24 08:54

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

この作品は、湯本氏の中編小説で、世界各国の言葉に翻訳され、世界中で読まれている、いわば「児童文学」ともいえる傑作です。ある夏の日、やんちゃな小学生3人が、近所に住むあまり人付き合いのない老人を「いつ死ぬか」ということで面白半分に観察をし始めます。老人は、それに気付き、最初は少し憤慨しますが、その後はどんどんと元気になっていきます。そして、気が付くと子どもたちとの交流が始まっているのです。古い道具の使い方、戦争の話など老人の経験が語られ、それが子供たちの心に浸透していきます。現代社会に生きる私たちが忘れかけている人と人とのふれあい、心の交流を描いた傑作です。

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紙の本

おじいさんとおとこのことなつのおもいで

2016/01/31 20:01

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る

疲れた心に再読。死ぬってなんだろうって思ったり、塾やサッカーに翻弄されたり、お化けを半信半疑ならがらも80%信じてたりと小学生らしい小学生男子3人と、勝手にそろそろ死ぬだろうと観察されたおじいさんとの絆の話。最初はただ単なる観察対象物だったおじいさんと言葉をかわし始めてからの交流速度がはんぱない。ずぼらだったおじいさんもシャキシャキしはじめるし、上手に子供たちを手伝わせるし一枚上手なのが年の功だね。コスモスだけじゃなくておじいさんも心配だったんだよね、台風の夜。食卓の上のぶどう4房は永遠に忘れられないね。

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紙の本

新潮文庫の100冊が出会い

2015/08/21 00:25

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夜メガネ - この投稿者のレビュー一覧を見る

変わり映えの無い古い地方の図書館のようだった「新潮文庫の100冊」の中では、
燦然と光り輝いて見えたものだ。 しかも夏。 Yonda?の黄色い紙カバーもかかる。
2冊買えば、何かしらの景品に応募できた時代だった。
(今より景品が豪華だったので、なかなか手放せない。)

本を読んで、目頭が熱くなりボロボロ泣く経験をしたはじめの一冊。
中高生の夏休みにこれ以上うってつけな本は、思いつかない。
というか、これを読んでから様々な方向へ行って欲しい。

湯本さんは、寺山修二氏に師事しており、詩的で美しい日本語の使い手だ。
この作品は祖父母の家の仏間で書いたとあとがきにあった。

同じテーマで別の切り口の作品がある。
   新潮文庫から初めて選ぶなら、近年はこの2冊が間違いないはず。
       湯本香樹実/著「夏の庭」と、梨木果歩/著「西の魔女が死んだ」

…「こころ」を読むのは、論文用に読むスピードが上がってからでも遅くない。
残りの人生で、今日より若い日はないのだから。

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紙の本

あたたかい気持ちになります

2015/08/14 12:08

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投稿者:john - この投稿者のレビュー一覧を見る

取り上げる題材が重いものなので、はじめ驚きますが、読みすすめるうちに、それはとても自然なことを思い知らされ、あたたかい気持ちになります。

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過去への旅

2003/07/29 10:12

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オレンジマリー - この投稿者のレビュー一覧を見る

この三人の少年達のように、昔、私も死というものの「正体」に好奇心を抱いた。
死後の世界、幽霊、天国と地獄といった特集はテレビで見ていたし、どんな事をしたらどんな地獄に落ちるという漫画を熱心に読んだ記憶も甦った。
この本を読んでまず思うことが、身に覚えがあるということだ。
とても読み易く、半日で読んでしまった…。私は本を大体二日かけて読むのにこれは珍しいと自分でも驚き!
読み終えてしばらく経った今、感じる事は初心に返れるということ。そしてこの本の力によって忘れかけて記憶の片隅に色褪せた思い出が、再び活気付いたということ。
近所に当時あった古い大きな家で独り暮しをしていたお婆さんを思い出して、でもその古い家は今はもうなくて、寂寥感が満ちた。少年達の気持ちにぴったりと重なれたのは、そんな自分の記憶があるからだと思う。
読んで損はない、切にそう思う。
過去へ旅をした気分を味わえました。

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もう一度夏を過ごせたら

2003/01/08 01:09

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:金山鉋 - この投稿者のレビュー一覧を見る

自ら進んで「感動モノ」を読むことは少ない。
本書も友達に進められて、いつものように『だけど感動モノは云々…』と前置きしながら読んだものだ。
少年とおじいさん。聞いただけで話の中身は想像がついてしまう。善良なおじいさんと、やっぱり純真な子供たちの交流。なんか退屈そうだ。
ところがところが…。
死にそうなおじいさんを観察する?
いつ死ぬか? こっそり?
予想外の冒頭に驚きつつ、一気に読んでしまったのは、退屈が嫌いな子供たちと、退屈が嫌いなおじいさんが、私の退屈心を拭い去ってくれることを予感したからなのかもしれない。

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紙の本

子供にも大人にも名作です

2002/10/06 22:03

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yaeba - この投稿者のレビュー一覧を見る

一人暮らしの老人を3人の男の子が観察しはじめた。「老人が死ぬ瞬間を見たい」というイタズラな好奇心から始まったこの観察。いつしか、おじいさんと男の子達は心の交流を深めていく。
観察前はぐったりしていたおじいさんが、彼等に観察されてからはすごく精力的になる。やっぱり、人ってだれか他の人がいることで、見られていることで、やる気になるもんなんだな。

すごく心温まる&夏らしいお話なので、子供の感想文にぴったりというかんじ。そして大人も充分味わって読める。こういうのが名作っていうんだろうな、と思った。

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紙の本

どこか大人びた少年3人とおじいさんとの奇妙な交流の物語

2002/07/15 17:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:大空アゲハ - この投稿者のレビュー一覧を見る

◎子供の頃に感じたワクワク感を思い出させてくれた。小学生の頃、街のはずれにある廃虚に仲間と一緒に探検に出かけた時のこと。昆虫を取る網と大きなザルを抱えて川へ魚を取りに行ったこと。巣の中を出入りするアリの様子を日が暮れるまで見続けていたこと。台風の時に勇気を試す、などと言いながら家のまわりを一周したこと。まざまざと、脳裏に浮かんでは消える。

◎この「夏の庭」に出てくる木山くん、川辺くん、山下くん、どの子も小学生なのに、どこか大人びているところがある。よくよくストーリーに耳を傾けていると、3人とも家に事情を持っているようだ。

◎木山くんは、お母さんがねんがら年中お酒を飲んでいるいわゆるアル中で、子供である彼がなだめ役だ。川辺くんは、お父さんがおらず、お母さんひとりに育てられた。そして、山下くんは、おばあちゃんが亡くなったばかりで死人というものを初めて目の当たりにする。好むと好まざるに関わらず、我慢しなければならないというか、無理矢理にでも大人にならなければやっていけない状況が3人には揃っている。

◎しかし大人びているとはいえ、彼らも、まだやんちゃで好奇心旺盛な少年たちであり、ズケズケと無神経なことも平気でいってのける子供っぽい部分もある。そんな彼らが、ひとつのあるエピソードを通してまた一段と大人になっていく。近所のおじいさんとの交流の中で、である。そして迎える切ない結末。

◎ストーリーの中に出てくる小道具がよりいっそう切なさを掻き立てる。おじいさんの庭にみんなで植えたコスモス。台風にも負けずに、美しく大地に根をはっている花の情景は、どんなに哀しいことがあっても乗り越えてやる、というその物語の決意の現れにも見える。次に、山下くんが懸命に研ぎ続ける包丁の音。今までのろまだと馬鹿にされていた彼が見せたその一面からは、少年の、ただまっすぐに損得も考えずに何かを信じ続けようとするひたむきさがあらわれている。

◎そして、おじいさんが少年たちの為に見せてくれた花火。ドーンと夜空に打ち上がる花火は、夏の風物詩であり、夜空に散った一瞬がものすごく美しく輝いているからこそ、終わった後にはとてつもない寂しさが残る。

◎この「夏の庭」を聴いて改めて思ったことは、幼い頃の思い出はどれも夏の花火みたいだ、ということだった。子供の頃に体験したことにはすべて、驚きと発見とものすごい衝撃が混じっている。花火のように輝いている。そして、すこし切ない。

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紙の本

気が付くと涙がこぼれていました。

2002/04/01 01:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ORA - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「死ぬ人が見てみたい」という理由で、一人暮らしの老人を観察し始める小学生達の話です。購入時に本のあらすじ紹介を見て、なんてひねくれた子供の話なんだろうと思いましたが、読んでみると意外なほど普通の子供でした。
 自分は祖母が実家にいたのであまり感じないのですが、この本の中に出てくる小学生にとっては、老人はリアリティーのないくらい遠い存在。だからこそ、「死ぬ人が見たい」という理由で老人を観察する行動にでたのでしょう。核家族化が進んでくると、ほんとうに老人と子供の距離は遠くなるのかもしれない。そんなことを考えてしまいました。

 ラストは、そんなに感情移入して読んでるつもりはなかったのですが、ふと気が付くと自分が涙を流してることに気づきました。淡々とした文章で「泣かせる話」という雰囲気はなく、自分でも泣くとは少しも思わなかったのに、本当に自然と涙がこぼれたという作品。読後も後味悪いものはなく、純粋によい本に出会えたなぁと思いました。

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紙の本

腕白ボウズは「死ぬ」ことをどう感じた?

2002/03/08 21:08

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かいらぎ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「死ぬ」とはどんなことだろう? 3人の6年生たちは、「死ぬ瞬間」を目撃するために一人暮らしの老人を見張り続けることにした。しかし、観察の対象であるべきその老人は、いつしか子供たちの「おじいちゃん」になり、子供たちがそれまでは知らなかったことを体験することになる。「死ぬ」ことを見ることが目的だった彼らは、それ以上に大切なものを得ることができた。
 「死」を恐れ、目を背け、自分の領域外として捕らえる姿勢から、自らの中に取り込んでいく、そんな心の流れが自然に受け入れられる物語だ。

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