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収録作品一覧- 「神を観ることについて 他二篇」
| 神を観ることについて | 11-154 | |
|---|---|---|
| オリヴェト山修道院での説教 | 155-182 | |
| ニコラウスへの書簡 | 183-222 |
ユーザーレビュー- 「神を観ることについて 他二篇」
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2007/11/14 02:26
神の実在
投稿者:濱本 昇(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
神の実在を信じる私に取って、神の存在を前提に書かれた本書は、心地よいものがあった。しかし、本書で論じる神は、キリストである。私は、キリスト教で信じるイエスの神性については、何か胡散臭いものを感じる。イエスは、悪まで人間イエスであり、神性は、後世の人間が権威として、賦与したものではないかと私は、考えている。三位一体という考え方自体に無理を感じる。本書では、この三位一体も3つのペルソナの一つの統合と、私には理解に苦しむ説明をしていた。
本書は、神が実在すること、神の権威、神の可能性・絶対性、神の真理、神を観る事等、神との付き合い方を切々と論じている
著者は、哲学者であり、その思想は、「知ある無知」「推測について」という著で論じられている。「知ある無知」については、その題名からソクラテスの「無知の知」に通じるものがあるような気がして、面白そうに思う。
本書は、聖書を信じるものに取っては、涙物だと思う。私も、一部、不満はあったものの、心地よく読めた一冊であった。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2002/04/06 22:32
クザーヌスの神秘的思弁の頂点
投稿者:オリオン(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
訳者によると、ニコラウス・クザーヌスの神秘的思弁の頂点をなすとされる「神を観ることについて」(DeVisioneDei)は、クザーヌスの思想の神髄に向けたクザーヌス自身による「手引書」である。
「神のイコン」(iconDei)──その顔が巧みな画法で描かれていて、どの位置から見ても見ている人がその像から見られているかのように錯覚する「万物を見ている人物像」──をめぐる経験から説き起こし、突然、「主よ、あなたの観ることは愛することです」「あなたの観ることはあなたの存在することです」「あなたの観ることは生命を与えることです」「あなたを観ることは、あなたを観ている者をあなたが観て下さることに他ならないのです」──訳注でも指摘されていたが、『エックハルト説教集』(岩波文庫、93頁)に「わたしが神を見ている目は、神がわたしを見ている、その同じ目である」という文章が出てくる──と、「至福直観」(visiofacialis)が開示する摂理を語り出す。
以下、「知ある無知」(doctaignorantia)や「反対対立の合致」(coincidentiaoppositorum)の思想、目に見えない「原像」(exemplar)とその「似像」(imago)、普遍から個別への「縮減」(contractus)と「引き寄せ」(attrahere)、神による万物の「包含」(complicatio)と「展開」(explicatio)、そして神の三一性──「愛する者」と「愛されるべき者」と「両者の結合」の三者の一致としての神──や媒介=通路=門としてのイエス論へと、クザーヌスの語りはしだいに熱を帯びていく。
眠気と退屈の虫を噛み殺しながら、ほぼ三時間近く自らを罰するようにして読み継いでいくうち、三一論あたりまで来るともうすっかり熱中していた。以下、印象に残った言葉を脈絡なしに抜き書きすると、まず「主よ、あなたの眼は屈折することなく万物に到達します」(51頁)と「耳を傾けることが、人間になることなのです」(61頁)という本文中の言葉。
それから、クザーヌスが神を取り巻く城壁として「包含と展開の合致の城壁」と「反対対立の合致の城壁」を挙げていることに関して、「この「城壁」とは、人間の最も一般的な認識推論能力である理性が、自力で天国に入ろうとする際に自らつくり出す「航空機における音速の壁」のようなものと考えられる」、そして城壁の「門」とは神人であるイエス・キリストのことであるとする訳注(240頁)。







