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死体は語る

  • 出版社:文芸春秋
  • サイズ:16cm/243p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-16-765602-7

死体は語る (文春文庫)

上野 正彦 (著)

  • 全体の評価 51件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:52014pt
  • 発行年月:2001.10
  • 発送可能日:1~3日

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6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/02/08 18:48

死者への尊敬と愛情

投稿者:Y_Akio(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

不自然死の死体を検案,行政解剖することを職務とする監察医の著書である。
一見病死や事故死に見えても,死体をよく調べてその声に耳を傾ければ,死体は色々なことを専門家の観察者に語ってくれる。「私は事故で死んだのではありません。青酸カリで殺されたんです。」といった具合に。
大変面白い。やはり「事実は小説より奇なり」だ。推理小説のファンにとっても面白いだろうし,また刑事訴訟,民事訴訟に関心のある人にとっても面白い。
1989年の著作であるので,内容が古くなっている点があるのはしかたがない。たとえば,父子関係の確定に,今は血液型鑑定でなくDNA鑑定が使われている。また,過労などが原因となって脳出血や心筋梗塞などで急病死したような場合,従来,労働基準監督署は,業務内容と発症の因果関係が不明確との理由で労働災害の認定をしなかった。しかし,監察医らのアピールの積み重ねや裁判所の判決の積み重ねにより,行政もついに労災の認定基準を緩和したのであった。
本書に一貫して流れているのは,著者の死者に対する尊敬と愛情の念である。死因を明らかにすることによって,死者の人権を守っているのである。
それにしても,このように重要な役割を果たしている監察医の制度が,財政の関係で,東京,横浜,名古屋,大阪,神戸の5大都市にしかないというのには,あきれ果てる。

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