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紙の本
旅を続けるエマノン、今はどこに?
2002/03/23 16:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:山村まひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
地球に生命が発生して以来の膨大な記憶を、世代を超えて引き継ぐ少女・エマノン。祖母から母、母から娘へ、一世代に一人だけ「娘」を産み落とし、引き継がれる40億年の記憶。
しかし、ある時、母は男女の双子を産み落とした。兄の名は拓麻。
なぜ、兄が生まれたのか? 生まれなければならなかったのか?
幼い頃に別れた兄妹が再び巡りあうとき、その問いに答えが…?
20年ぐらい前に、SF雑誌に掲載されたときに初めてエマノンに出遭ったんじゃなかったかなあ…。私が一番SF小説をたくさん読んだ時期だったかもしれない。
エマノンがデュアル文庫でまた読めるようになって、今まで「梶尾真治」という作家を知らなかった世代にも読んでもらえて、ファンとしてもとても嬉しい。
しかも、今回はエマノンの長編バージョン。さらに新作だよ!
紙の本
エマノンシリーズ三作目
2001/11/18 18:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:十二番目の男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今までで一番長いエマノン。短編集形式の前二作とは違い、一冊で一話となっている。個人的には短編集形式の方がよかった。
生命発生以来四十億年の記憶を持っている少女、エマノン(nonameの逆綴り)。記憶だけを保持して個体から個体へと生まれ変わる彼女は、いつも親から子へ、一人の娘として生まれる。だが、二十世紀半ばに生まれたエマノンには双子の兄がいた。「なぜ兄は生まれたのか?」一作全体をまっすぐ貫く疑問。その答えは、物語の一番最後に、あっと驚く形で用意されている。
これはエマノンの物語と言うよりは、幼い日に生き別れた妹・エマノンを捜す兄・拓麻の物語。エマノンと同じく特殊な人間として生まれ、しかしながらエマノンのように自分の運命を知らない拓麻。端的に言えば、この小説は、その男の一生を描いている、ただそれだけとも言える。ただそれだけで、面白い。
静かなエンディングにはぐっとくるものがある。