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ジョッキー

  • 出版社:集英社
  • サイズ:20cm/284p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-08-774567-8

ジョッキー

松樹 剛史 (著)

  • 全体の評価 42件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,57545pt
  • 発行年月:2002.1
  • 発送可能日:7~21日

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第14回小説すばる新人賞 受賞作品

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商品説明- 「ジョッキー」

【小説すばる新人賞(第14回)】乗り馬に恵まれないまま30歳を目前にした騎手・中島八弥。夢破れた兄弟子との過去を引きずる彼に、天皇賞の大舞台がめぐってきた。自分の未来を賭け、八弥はレースに挑むが…。第14回小説すばる新人賞受賞作。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「ジョッキー」

松樹 剛史

略歴
〈松樹剛史〉1977年静岡県生まれ。大正大学文学部日本語・日本文学科卒業。「ジョッキー」で第14回小説すばる新人賞を受賞。

ユーザーレビュー- 「ジョッキー」

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1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2007/05/03 11:09

競馬ファンでなくても十分に楽しめるけれん味のない好著

投稿者:katu(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

第14回小説すばる新人賞受賞作である。刊行当初から読みたいと思っていたのだが、読みそびれたまま月日は流れ、今更ながらようやく読んだ。

「競馬もの」にはディック・フランシスという大きな壁がある。それがミステリーであろうとなかろうとこの巨匠のおかげで読み手のハードルは非常に高くなっている。かくいう私もディック・フランシスの本はほぼすべて読んでいるので、「競馬もの」に対する目は肥えているつもりだ。それでも本作は面白かった。

主人公は中島八弥というジョッキーだ。千葉厩舎に所属していたのだが、ひょんなことから千葉厩舎を辞め、現在はフリーで騎乗している。なかなか騎乗依頼がないにもかかわらず、自分から営業もしないので、騎乗機会は週に一度あるかないかのおっつかっつの生活を強いられている。

そんな八弥が色々な厩舎の馬に騎乗するにあたって、その厩舎や馬の問題に巻き込まれることになる。読み進めるにつれ、何だかこれは時代小説に似ているなと思い始めた。主人公の八弥は「武士は食わねど高楊枝」を地で行く素浪人だ。まるで長屋のような美浦トレーニングセンターの厩舎群で起こる数々の事件を解決するかのごとく、数々の騎乗を経ることによって成長していく。

八弥には糺健一という兄弟子がいるのだが、その糺は今千葉厩舎にはいない。何故いないのかは最初は明らかにされず、徐々に分かる仕組みなっている。また、千葉厩舎の長である千葉徳郎の娘で厩務員をしている真帆子と八弥の関係も追々分かるようになっている。その辺の隠された人間関係を伏線にして、物語はラストの天皇賞へと向かっていく。

脇役陣もなかなか個性的だ。八弥の弟弟子でボンボンの大路佳康、美人厩務員の秋月智子、千葉厩舎のベテラン厩務員である亀造、競馬はロマンだと豪語する金満大馬主である伊能満、八弥と同期の天才ジョッキー生駒貴道。彼らの存在が物語を多彩に彩っていく。

クライマックスの天皇賞の一番人気は生駒の乗るオウショウサンデー。大路の乗るカッツバルゲル、秋月の乗るドロップコスモも出走する。果たして八弥の乗るオウショウエスケプは一世一代の大逃げでオウショウサンデーを振り切ることが出来るのか。最後はページを繰る手ももどかしいほど盛り上がったね。

k@tu hatena blog

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2003/02/09 11:47

他人をおしのけて抜きん出ることの矜持と震え。期待の若手が描くプライド回復物語。

投稿者:山本 新衛(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 小説すばる新人賞を受賞した本作は、男のプライド(自身と矜持) のありようを、新人とは思えぬ達者な筆さばきでかいている。競馬界を舞台にした、一匹オオカミの騎手物語である。▼騎手には、厩舎と契約した月給制のお抱え騎手と、固定した厩舎をもたないフリーランスの騎手が存在する。後者は、気の向かない騎乗は断れるが、そもそも騎乗依頼がなければ飯を食いあげる。フリーランスの騎手とは、その実力を他者に認知させなければならない人気商売なのである。▼孤高を生きるには、それなりの代償(まわりへの配慮) が必要なのだ。そして、自らの判断の是非をいつも迫られることになる。そのためには、常に確固たる自分を持つ必要があり、かつ、環境が男のプライドにさらなる磨きをかけていくのである。フリーランスの騎手という主人公の置かれた環境は、競馬界という狭い社会の中で、まさにそんな試練を課してやまない。▼作者は、ふたつの大きな山を用意した。一つは、初恋の娘が調教した愛馬に騎乗し、重賞レースを駆けるハラハラドキドキのシーン。そして、最後のどんでん返し。▼自信と矜持。これに執着を加えた男のプライドは、いつでも他者との関係の中でこそ、はじめて成り立ち得る。決して個人的な趣味への執着や、厭世的な孤独ではない。このことをはっきり、この若い作家が教えてくれた。▼競馬に関心のない方にも十分読み応えのある、ほんもののプライド回復の物語である。

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