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原子力は誰のものか

  • 出版社:中央公論新社
  • サイズ:16cm/205p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-12-203969-X

原子力は誰のものか (中公文庫 BIBLIO20世紀)

ロバート・オッペンハイマー (著), 美作 太郎 (訳), 矢島 敬二 (訳)

  • 全体の評価 41件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:78022pt
  • 発行年月:2002.1
  • 発送可能日:購入できません

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収録作品一覧- 「原子力は誰のものか」

原子力時代と科学者 7-30
核爆発 31-47
今日の問題としての原子力 48-72

関連キーワード- 「原子力は誰のものか」

ユーザーレビュー- 「原子力は誰のものか」

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2005/03/10 09:36

科学と技術と政治

投稿者:KAZU(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

ハンス・ベーテ博士が先日亡くなったとニュースで知った。

ロバート・オッペンハイマー、ハンス・ベーテ、ニールス・ボーア、エンリコ・フェルミ、そして、グレン・シーボルグ。それらのビックネームを聞いて皆さんは何を思い浮かべるだろうか? 今の理系離れの日本でも、まさか「そんな人しらない」ということは無いだろう。

彼らはノーベル賞を受賞した超一流の研究者群であり、そしてマンハッタン計画に携わった原爆の生みの親でもある。ちなみに水爆の製造は、旧ソ連のアンドレイ・サハロフ博士らによる。僕自身は、昔原子力関係の研究をしていたこともあり、シーボルグ博士やサハロフ博士に直接お会いしたことがある。特にシーボルグ博士は僕の研究について一対一で30分以上も議論してくださったのを、僕の研究人生の宝物としている。

話はそれたが、著者のオッペンハイマー博士をはじめ、上に挙げた超一流研究者に(もちろんノーベル賞受賞者であるという点以外に)共通することがある。それは、彼らは人生の後半において「反戦・反核」へと政治分野に進んでいくことである。

原爆のことに限定して話を進める。「科学」とは、核分裂・核融合という自然現象を突き詰める学問である。「政治」とはヒロシマ・ナガサキへの原爆投下を実施する行為である。そして「科学」と「政治」の間には、物理的に原爆を開発・製造する「技術」が存在するのである。不幸なことに、「科学」の分野と「政治」の分野では、人類の発展のレベルが余りにも違い過ぎ、それらの橋渡しをすべき「技術」はコントロール不可能になっているのが現在の状態であろう。数千年もの昔の思想や政治制度からあまり人類は発展しているとは思えないわけである。

人間は一人でそれら「科学」、「技術」そして「政治」の全分野において超一流になることは不可能である。著者のオッペンハイマー博士の苦悩はそのことを如実に現していると思う。そしてその苦悩を、「科学」の分野で超一流である著者たちだけに負わせてよいものだろうか。「科学」の発展と「政治」の発展のバランスを取るために、「科学」の足を引っ張るのではなく、「政治」のレベルを上げるのが筋であろう。

著者が「原爆の父」であることを僕らは非難することなど絶対にできないのである。

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