- 出版社:創元社
- サイズ:20cm/275p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-422-93216-0
本の国の王様
リチャード・ブース (著), ルシア・スチュアート (著), 東 真理子 (訳)
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- 税込価格:2,100円(60pt)
- 発行年月:2002.1
- 発送可能日:購入できません
- 本
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商品説明- 「本の国の王様」
ブースは田舎町ヘイ・オン・ワイを「古書の町」につくりあげた後、ヨーロッパをはじめ各国で「古書の町」運動を展開。本探しの旅、業界の人々、地方再生への思いを綴る。『産経新聞』の連載を受けて単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「本の国の王様」
リチャード・ブース
- 略歴
- 〈ブース〉世界最大の古書ディーラー。イギリスの田舎町ヘイ・オン・ワイを「古書の町」に作り上げ、ヨーロッパ各地で「古書の町」運動を展開。
関連キーワード- 「本の国の王様」
ユーザーレビュー- 「本の国の王様」
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2006/10/05 17:26
「古書の町」ヘイ・オン・ワイの王様
投稿者:ろこのすけ(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
神保町の古書店主がある日突然この町を「独立国」とし、国王宣言したとしたら?
「何を馬鹿なことを」と一笑にふすのがせきのやまだろう。
この一笑にふされるようなことを実現した人がいる。
本書は世界ではじめて「古書の町」をつくり、独立国を宣言して王様になったリチャード・ブース氏の自伝である。
英国の小さな町ヘイ・オン・ワイはイングランドとウェールズの境界付近にある。
この付近は英国中でもっとも城が多い地域として知られている。
今にも崩れそうな塔と砦がある城を住みかとするブース氏はここに古書店を開店した。
ある日ブース氏がサンデーミラーの記者と話しているとき「ヘイはイギリスから独立する」と口走ったことから端を発し英国中の新聞社とテレビ局から取材が来てこの「古書の町」は世界中に知られることとなった。
日本からは「兼高かおる」が取材にやってきて「ケネディ大統領やサウジアラビアの国王もインタビューしましたけど、あなたは私がこれまでに会った中で一番面白い方だわ」と言わしめたとか。
ブース氏は子供の頃父に連れられ古書店に行ったのをきっかけとして古書店通いが好きになった。
人の何倍も本を読む読書好きの少年はやがてオックスフォードを卒業。
それから古本収集、本探しの旅は英国中をはじめとし、オーストラリア、アメリカ、カナダと続く。
ありとあらゆる場所をトラックで走り回り、手当たりしだい集めた本はウェールズの小さな町にかつてみたことがないほど大量となった。その様子を新聞が取り上げたおかげでウェールズ中から本好きがヘイに集まってくるようになった。それをきっかけに村に活気が生まれ、古書店を開く人が増えてきた。こうして「古書の町」が次第に出来上がってきたのだった。
その間の古書業界の内情、仕入れの様子など本にまつわる話が満載で本好きにはページを繰るのももどかしいほど。「カタログを見れば、まともな書店かどうか一目瞭然」という老店主の言葉をブース氏は生涯忘れないという。
また農村文化の危機を憂う著者は開発行政にも怒りのほこをおさめることができず反乱をおこす。
『「古書の町」は資本主義社会に生きる金銭欲と名誉欲に駆られた若者が作る町ではない』『「古書の町」を支えるのは、生まれ育った小さな町の行く末を憂い、隣人を気遣いながら、田舎で商売を続けることに幸せを感じる中年たちだ』
『「古書の町」はかならずしも商業的な成功をめざさなくてよいと考えている。儲けにならない活動にも立派な意味がある』というブース氏の地方再生への熱い想いは古書を愛する気持ちと重なる。
反骨精神とユーモアの精神、ちょっとはみだし加減の人柄がにじむ本書を読みながら「古書の町」へ想いを馳せてみるのも悪くはなかろう。
一度は行ってみたい「古書の町」ヘイ・オン・ワイ。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2002/07/31 02:29
行ってみたいな古書の町
投稿者:marikun(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここまで突き抜けていると、かなり興味深いですね〜。ウェールズ
の片田舎ヘイ・オン・ワイを「古書の町」にしてしまった、ブース
の自伝です。「古書の町」と言うのは、村が普通の生活機能を持ち
ながら、異様に古書店がたくさんあるというところで、ヨーロッパ、
アメリカ中から古書を集めてきて売っている町だそうです。
ところが、この「古書の町」を始めたブース自身が、かなり変わっ
た人物。もともとは結構裕福な家の生れなのですが、素行が悪くて
パブリックスクールから放り出され、その時入り浸っていた古書店
主に感化され(もともと本は好きだったのですが)、いきなりヘイ・
オン・ワイに「城」(これが文字通り、城!)を買い、自分の集め
た本を、売り始めるのです。しかしこれが、右も左も分からぬまま
に始めた商売なので、従業員に本は盗まれるわ、給料は二重取りさ
れるわの殿様商売。それでも本が大好きで、本の世界から離れるこ
とは出来ないのです。そしてとうとう、村のパブで酔った勢いもあっ
て「ヘイ・オン・ワイ」を独立国家にしてしまい(実際、紙幣・切
手なども発行している)その王様に収まってしまうのです。
いや〜、ここまで自分の好き勝手に生きている人物は(読む分には)
非常に面白いですね〜。一度破産しているので参考にはならないの
かもしれませんが、ヨーロッパでの古書の動き方というのも分かり
ます。お金があると、ここまで自分の夢?を実現できてしまうもの
なんですね〜。世界には色々面白い人物が多いです。こういう人に
は、ぜひ長生きして欲しいものです。
ただひとつだけ残念だったのは、あとがきによると訳者の判断で、
原書の一部がカットされているようです。う〜ん、せっかくの自伝
だから、抄訳でないものを読みたかった気がするのですが…。よほ
ど、ひどい内容だったのか? その辺も気になります(笑)
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2002/03/19 22:15
古本による町おこし第一号の功労者の自伝
投稿者:小池滋(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヘイ・オン・ワイという地名を聞いて、ハハンとうなずける人は、かなり本についての知識と愛情の持ち主だろう。英国の西南部、イングランドとその西にあるウェールズとの国境近くにある、ワイ川沿いの小さな町が、いまや世界中に名を知られるようになった。
1962年にリチャード・ブースという男が、この小さな町の消防署の建物を衝動買いして古書店を開いた。「こんな所で古書店の商売なんかできるわけない」と誰もが言った。母親からは「親不孝者」と呼ばれた。
ブースの父は陸軍の上級士官、母親は名家のお嬢さまだし、彼自身が名門パブリック・スクールのラグビー校に入ったくらいだから、普通ならオックスフォード大学かケンブリッジ大学へ進んで、典型的なエリート紳士になれたはず。ところが、いささか反体制的なへそ曲りであるところに、本好き──日本で言うなら「本オタク」──が重なって、とうとうラグビー校を退学処分となった。だが、父の奔走のお陰で、やっとオックスフォードに入れて貰った。
「本であれ、不動産であれ、デートの相手であれ、私は自分勝手な都合で選ぶ癖がある」(73ページ)とご本人が言うように、奇妙なカンで、ある特別のテーマの本を集めて通信販売して、結構古本商売が順調に進んだ。そこで彼は次に町の古城を買い取って住み着いた。第二、第三の店を開き、古書を求めて世界中を駈けまわった。
そして最後にヘイを「古本による町おこし第1号」に仕上げ、多くの古本屋をこの地に集め、ヘイ王国を作り、自分が国王に、そしてとうとう1998年には皇帝リチャード1世の王座に就いた。
冗談もいい加減にしろ、という人もいるだろうが、その後、世界の各国で(日本でも)古本による町おこし運動が実現し、地方にミニ独立国が誕生したところを見ると、この人はやはり先見の明のある天才なのだと思う。 (bk1ブックナビゲーター:小池滋/英文学者 2002.03.20)






