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商品説明
みんなもう少し薬を疑う必要がある。そんな思いで中立的な医薬品情報を出し続ける現役院長が、薬との賢い付き合い方を誠実さにユーモアをまぶして解説する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
別府 宏圀
- 略歴
- 〈別府宏圀〉東京大学医学部卒業。都立府中病院神経内科医長、都立神経病院神経内科部長などを経て、現在北療育医療センター院長。専門は神経内科。スモン訴訟で原告側証人として出廷した。
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紙の本
「薬」を服用する患者の視点から評価すると
2002/03/14 18:15
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投稿者:青木みや - この投稿者のレビュー一覧を見る
良い薬の条件とは一体何だろう? ごく単純な疑問だが、「誰にとって」、良い薬なのかで条件は変わってくる。患者にとっては、効いて、しかも副作用が「ない」ことが前提だろう。だが、医師からすれば、副作用のない薬はない。だから、効き目が強くて切れ味がよく、副作用は用量などでコントロールできる薬が望ましい。また製薬企業は、当然、収益が大事になる。
このようにひとくちで「良い薬」といっても、立場によって認識に違いが出てくる。「良い薬」とは、服用する患者の視点から評価したものでなくてはならない、それが医師であり、医薬品情報誌『正しい治療と薬の情報=TIP誌』の編集長でもある著者の主張である。
著者は情報をできるだけ公開し、条件をすべて提示した上で、個々の消費者が判断して選ぶべきだという。そして消費者は自分の健康や医療に関心をもとうと、呼びかける。その著者のスタンスの現れが、購読料だけでまかなう情報誌や市民が中心となった医薬品監視機構「薬害オンブズパースン会議」の活動である。
この薬は効かないなぁと思ったことはないだろうか? 新しい薬を作るには、薬効の有無を調べ、安全性を確認する。そして治療にどの程度有効なのかなど、さまざまなハードルを越えなくてはならない。その開発費は莫大な金額になるため、不都合なデータは隠したまま発売したい。最終的に薬害まで起こらなくても、消費者は効果のない薬を買わされているかもしれないのだ。本書は、みんなもう少し薬を疑ってみようという提案と、薬とつきあっていくための具体的なスキルが示されている。
第3章「医者の反省に終わりなし」は、薬だけでなく、医療社会そのものへの思いや反省、期待が語られ、著者の堅実な人間味を感じさせる。医療と上手につきあうために、手にとってみてほしい。
(青木みや/管理栄養士)