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江戸の恋 「粋」と「艶気」に生きる(集英社新書)

  • 出版社:集英社
  • レーベル:集英社新書
  • サイズ:18cm/206p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-08-720140-6

江戸の恋 「粋」と「艶気」に生きる (集英社新書)

田中 優子 (著)

  • 全体の評価 43件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:71420pt
  • 発行年月:2002.4
  • 発送可能日:1~3日
  • 新書

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ユーザーレビュー- 「江戸の恋 「粋」と「艶気」に生きる」

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2003/04/20 23:26

江戸にも恋はあったのか!

投稿者:KENSEI(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

いつからだろう。<恋愛>はずっと明治以降、西洋から輸入されたものだと信じていた。12世紀のトルバドール(吟遊詩人)が始まりだなどと、まことしやかな言説を鵜呑みにしていた。
著者はいう。江戸では<結婚>と<恋愛>は別のもの。でも恋しい人を想えば、心はふわふわ浮かんでしまう。その甘苦しい心地こそが<艶気(浮気)>なのだ……<恋愛>とは<浮気>のことであった。そして<浮気>は<結婚>という現実からの遊離でもある。
初恋や心中、男色にまでおよぶ論考は、膨大な江戸の知識に裏打ちされると同時に、著者自身の経験や恋についての考察も織り込まれ、非常に親しみやすい。
性についても包み隠さない。セックスについて。遊郭や遊女について。春画は現代のヌード写真とは違って、男女が一緒に描かれていたそうだ。なぜか舞台は屋外が多いのも興味深い。
肝心の<浮気>の話。「めおと」と題された章に、夫と心中を誓った遊女を救うため、自分の着物を質に入れる妻の話が紹介される。不思議な話のように感じるだろう。まずは遊女が心中の約束を裏切る。でも裏切りは妻に懇願されたからだったのだ。逆にあっさりと承知した遊女の反応に、妻は遊女が一人で死ぬ気だと確信する。結婚は生活のためにするもの。着物は妻の財産。当時妻の財産は、離縁すればすべて自分のものになる。めおとは平等だった。妻はすべてを投げ打って夫に遊女を身請けさせようとする。借金を清算し遊女が自由になれば、居場所などどこにもなくなってしまうというのに。遊女は妻の願いに応えた。だから二人の間には女の義理ができた。今度は妻が義理を通す番だった。
ちくしょう、いい話じゃねえか。素直に胸をうたれ、同時に江戸の感覚がいまも絶たれずに流れていることを知る。著者は「江戸の恋」を綴りながら、江戸の恋以外の部分についてまで、読者を案内していく。江戸という豊穣な世界へ。
現代は結婚や恋愛について、議論は尽きない。<権利>をどう獲得するかが常に焦点だ。<浮気結婚>を前提にするから「身を寄せ合って生きる」ことが理解できないのかもしれない。男性側の古臭い意見だろうか。
でも、江戸の感覚はいまでも続いている。そう感じ取れば、もっと自然な暮らしが営めるのではないだろうか。押し付けでも借り着でもない。猿真似でもない。脈々と受け継がれているものを、だ。

だっていまもあの人を想えば、こんなにも心は浮き立ち、締め付けられる。
胸の内を結論付けに使うのは、いささか邪道だろうか。

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2002/09/02 11:27

江戸文化と「浮気結婚」した乙姫様

投稿者:栗山光司(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

恋を入り口に江戸を語り、江戸を入り口に恋を語る<うわき>なセンセイの「大江戸でござる」(先日、公共のこの番組で杉浦日向子と狐狸の化した美女二人、江戸マニア振りを発揮していた)の放送コードに引っ掛かるやも知れぬ艶話である。又は、実践してみたくなる恋愛講座にもなっている。

 江戸はいわゆる近代日本に貶められた異国とも言える。だが、あらゆる物語が一つずつ、腐り始め、崩れ去り、この世は益々住み憂くなり候のところ、三味を抱えて着流しでトリップ出来た怪し本である。耳元でエドを色っぽく囁かれた気がした。竜宮城に案内されて、乙姫センセイの品あるスケベイ話に惹きこまれた。
 勿論、このヤマトはエドであるはずはなく、江戸の美意識(モラル)どころか、モラルハザードの花盛りである。
 
 地女のじわゝ寝まるついりかなー加藤郁乎俳句集成より

 寝苦しくてやり切れない現は目の前に立ち塞がっている。遊女、遊男の浮く世は<うつつ>と対峙出来るのか。恐らく対峙出来ると断言するところから、出発するしかない。玉手箱を持ち帰った浦島太郎の度胸にかかっているのだ。
 ジョージ秋山の「浮浪雲」を読みたくなった。
 川沿いを着流しでふらついて、江戸の欠片をこの西の都で掛け集めようか。
 

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3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2003/06/15 22:48

幻想と現実。

投稿者:凛珠(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書を読むにあたっては、遊郭の娼婦は殆どが人身売買など貧困ゆえの産物で、強制売春をさせられていたのだという事実を踏まえるべし。娼婦の恋の駆け引きとは、客を逃して店の人間から折檻を受けたり、借金を返せず年季が伸びたりしないようにと取った命がけの行為。

 こうした遊郭でも、当時の男は通うことに恥も罪の意識も無かった。現代でも買売春を「援助交際」「自由恋愛」などと言ったり、発展途上国に買春に行ったりする日本人男性がいるが、これも「伝統」なのであろうか。豊な国で平和ボケした自意識過剰な女性は本書を読んで妙に悦んでしまうことだろうが、所詮は幻想だ。

 春画は交合図が多いから男性も裸体なのである。現代のグラビアでそうしたものを扱うわけにはいかないだろう(浮世絵美人画は現代のグラビアに相当するだろう)。また、女性だけが裸の春画は存在しているし、現代のポルノでもアダルトビデオは男性も裸体である。

 幾ら幻想で美しいものを創り上げようと、幻想は幻想でしかない。

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