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紙表紙の誘惑 アメリカン・ペーパーバック・ラビリンス

  • 出版社:研究社
  • サイズ:19cm/316p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-327-48141-6

紙表紙の誘惑 アメリカン・ペーパーバック・ラビリンス

尾崎 俊介 (著)

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  • 税込価格:2,31066pt
  • 発行年月:2002.5
  • 発送可能日:購入できません

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商品説明- 「紙表紙の誘惑 アメリカン・ペーパーバック・ラビリンス」

それはフラナリー・オコナーの小説から始まった。宗教的テーマを扱った「賢い血」でなぜ通俗的な表紙絵が使われたのか。数多くの表紙絵を紹介しながら、アメリカン・ペーパーバックの魔界をめぐる研究エッセイ。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「紙表紙の誘惑 アメリカン・ペーパーバック・ラビリンス」

尾崎 俊介

略歴
〈尾崎俊介〉1963年生まれ。慶応義塾大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課程単位取得。現在、愛知教育大学教育学部助教授。アメリカン・ペーパーバック出版史に関する研究で第9回福原賞受賞。

関連キーワード- 「紙表紙の誘惑 アメリカン・ペーパーバック・ラビリンス」

ユーザーレビュー- 「紙表紙の誘惑 アメリカン・ペーパーバック・ラビリンス」

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2002/06/18 22:15

2002/06/02朝刊

投稿者:日本経済新聞(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 アメリカにペーパーバックのようなものが出現したのは十九世紀前半、新聞の付録としてで、大きさも新聞とおなじだった。いまやすっかりお馴染みとなった新書判のものがあらわれるのは、二十世紀もだいぶたった一九三〇年代である。かのペンギンブックスがイギリスで成功したのに刺激されて、さまざまなものが登場し、結局、定価を二十五セントという「相当な安値」にしたポケットブックスが成功した。売るところは書店ではなく、新聞雑誌をあつかうニューススタンド。そこへの配送をどう安くあげるかが勝負だった。
 本書は、アメリカのペーパーバックの歴史を追いかけたものだが、なによりユニークなところは、アメリカのペーパーバックを支えている精神を探ろうとしている点。著者は、重い宗教的なテーマをあつかう大好きなアメリカの作家の小説が、遠い昔、ペーパーバックで刊行されたとき、ひどく通俗的な絵の表紙で飾られていたことを偶然知って、愕然とした。どうしてこんなことになるのか? アメリカのペーパーバックとはいったいどういうつくられかたをしているのか。その答えを探すために歴史をたどる。
 ポケットブックスの成功を知ると、イギリスのペンギンブックスも、当然のようにアメリカ進出を図った。総指揮をとったのは産みの親のアレン・レインで、かれが考えるペーパーバックとは「威厳ある軽薄さ」の実現。そうやってペンギンブックスをつくってきた。ところが、その信念がアメリカでは通用しない。ペンギンブックスのようにスマートな表紙にせよ、と指示しても、アメリカの支社からは、それでは売れない、と返事が来る。レインは自説を曲げず、やがてアメリカの支社は破綻。そして、そこにいた連中がつぎつぎと新しい会社をおこしてアメリカ流のペーパーバックをつくっていく。
 新聞雑誌がいっぱいのニューススタンドで目立つためには、表紙に工夫をほどこさなくてはいけない。多少の誇張も必要だ。しかし、デタラメはまずい。そんななかから生まれる珍案名案の数々。通俗的な表紙の謎がだんだん解けていく。ぐいぐいと読ませる力作である。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001

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