- 出版社:文芸春秋
- サイズ:20cm/229p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-16-320940-9
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商品説明- 「初夜」
婚期を逃した一人娘が子宮切除の手術を受ける前夜、布団を並べて眠る父の悲哀はやがて甘やかな妄想へと変わる…。究極の官能を貪欲に求め、その果ての奈落を味わう男と女。表題作を含む恋愛小説11篇。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧- 「初夜」
| ペット・ショップ・ストーリー | 5-28 | |
|---|---|---|
| 初夜 | 29-48 | |
| メッセージ | 49-72 |
著者紹介- 「初夜」
林 真理子
- 略歴
- 〈林真理子〉1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部卒業。コピーライターとして活躍後、「最終便に間に合えば」「京都まで」で直木賞を受賞。現代小説、歴史小説、エッセイと幅広く活躍。
ユーザーレビュー- 「初夜」
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2002/11/03 15:49
おそろしくも鋭い短編集中年女性必読
投稿者:pipi姫(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編ゆえに、細部の豊かさよりも、筋立てのおもしろさで読ませる作品ばかりだ。林真理子はフェミニズムの敵だと思っていたが、なかなかどうして、林真理子あなどるまじ。
この短編集のヒロインたちはいずれも中年女性。その多くが不倫の話なのだが、必ず一つは中年女性の琴線に触れる物語があるはず。人間の暗部を短い言葉で的確に剔抉し、剥き出しの虚栄心、嫉妬、情念、猜疑、欲望、羞恥、をずらりと並べてみせる。夜店の叩き売りのように、女と男の醜さを山と積み上げ売りさばくようなその筆致にはうならされる。
林真理子が描く女性達は誰も彼も既成の価値観に毒され、現実を変革しようなどという前向きの姿勢はどこにも見られない。確かにフェミニズムの敵だ。しかし、フェミニストが描いたって、現実は確かにこの通りではないのか。
読者はおそらく作家が描く登場人物たちと自分との距離を測り、その近さ/遠さを認識して安心するのだろう。例えば「メッセージ」では、自分勝手な優越感にひたる鼻持ちならない主婦が、不倫相手の男にこれからはめられていくであろう罠を予感させるそのラストシーンに慄然としながらも、読者は「ざまあみろ」という気持ちをくすぐられて溜飲を下げる。
この短編集に登場する主婦達がいとも簡単に不倫に走るのをみた女性読者は、自らの不倫願望をかきたてられつつ、ヒロインたちの恋がしっぺ返しを食うのを見てほくそえむ。読者の悪意をくすぐるおそろしい作品だといえよう。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2002/06/18 22:15
2002/06/09朝刊
投稿者:日本経済新聞(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
三十代以上の男女の恋愛を描く十一編を収める短編集。秘密を貫いたつもりだった不倫の思わぬ落とし穴、年かさの女性との恋愛の官能性、男性を知らぬまま子宮切除手術を受ける娘に対する父の危うい妄想など、大人の恋愛にまつわるさまざまな出来事を、丹念にすくい上げている。深い心理描写が印象的だ。官能的な場面にも美しさだけでなく、恐ろしさがある。恋愛物語の中に、現代を生きる人間ならではの屈折や想念が、たっぷりと織り込まれている。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001







