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2012/01/24 12:12
投稿者:小金魚 - この投稿者のレビュー一覧を見る
よしもとばななの作品は当然たくさんある。でも、この「キッチン」はそれら作品の中でも、群を抜く最高のものだと2012年の現在でも思う。
初期のよしもとばななは、その作品の中で「人の死」の場面が多く出てくる。この作品も例外ではない。「人の死」はもちろん多くの人の心の琴線に触れやすいものである。そのため、子供っぽい表現方法であるとも思われがちだが、やはり、「人の死」が心の琴線に触れるのは間違いなく、そのゆさぶりはほかの何物にも代えがたい。やはり、「人の死」を扱うことには意味があると思う。
この作品は、その全体がセピア色のイメージで覆われている。不思議だ。作品内容では、様々な季節が出てくるのに、登場人物たちが幸せな時も、悲しい時も、いつもセピア色の切ない雰囲気なのだ。
今まで、私はこの本を多分年に1度は読んでいる。年に1度はよしもとばななブームが来るためでもある。でも、よしもとばななの本の中でも、初めに読みたくなるのはこの本であるし、この本以外にはない。何度読んでも涙が出てしまう。
現在のよしもとばななにはない、作品の雰囲気だと思う。
人は変化してゆくものだし、よしもとばななさんも様々な変化を遂げているから、当然当時のような作品は現在かけないと思う。でも、だからこそ、現在のよしもとばなな作品しか知らない人がいたら、ぜひ読んでもらいたい作品だと思う。よしもとばななの作品にある、軽く読めるタッチはあるので、軽い気持ちで手に取ってみるとよいと思う。
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2003/08/11 21:24
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
今更、吉本ばなな(やっぱり、過去の作品は、よしもとんばなな、でなくてもいいんでしょ?)おまけに彼女のデビュー作『キッチン』だなんて、と言われそうだけれど、1988年の出版当時、あまりに騒がれ過ぎて手を出さなかった本。版元に敬意を表して、福武文庫で読みたいところだけれど、今はないのでパンダマークの文庫で行こう。
すでに、斎藤美奈子の『文壇アイドル論』で、いかにこの本が世のおじ様たちを魅了、ノックアウトしたかを教えられたけれど、たしかに、その後のばななの本を、何冊か読んだ私としては、これほど面白いと思った作品はなかった、といいたい。鮮度は全く落ちていないし、性別、年齢を問わず楽しめる。まさにキッチン、カツ丼の美味しさを思い出す。
本は、表題作の「キッチン」、その続編「満月 キッチン2」、「ムーンライト・シャドウ」の三篇からなる。最初の二作は連作で、主人公で祖母を亡くした桜井みかげと、彼女を家で預かろうとする大学の友人 田辺雄一、そして母親のえり子(実は整形して美女となった父親)の三人が織り成す悲喜劇。先に、長女に読ませたら「あの、美女のお父さんがいい」と言う。何を言っているのか分らなかったが、読んで納得。
この母親である父親が雄一の母親と過ごすうちに(説明が悪いのではなく、設定がそうなのだ)、雄一の母親に当たる人と一緒に育てられていた父親は(念押すが無論、雄一は未だ生まれていない)恋に落ちて駆け落ち、そして雄一が誕生。で、その母親は亡くなってしまう。そこで、父親は母親になることを決心して整形をする。どう書いても混乱するだろうなあ。ま、ここらは小説を読んでもらったほうがいい。まず勘違いすることはないはず。
続編には、悲劇とカツ丼をめぐる冒険がある。これがいい、思わず胸が熱くなる。昔、「卒業」という映画があった。あのダスティ・ホフマンが、女装してカツ丼をもって夜の町を走る、そういうイメージ。うーん、愛って素晴らしい。想像できないって? それはあんたが悪い。私は、この場面(「卒業」とちゃうよ)が一番好き。
以上の2編に、カツ丼で言えばお新香の「ムーンライト・シャドウ」がついてくる。これは、ばななが日大在学中に書き上げ、大学の芸術学部賞をとった作品。お漬物というよりは、お味噌汁くらいの充実感はある。三篇に共通するのが「死」「性」「食」だと、ばななの先生曽根博義さんが書いている。満腹満腹。
でも、自分より優れた学生を生徒に持つ教授というのは、複雑な心境なんだろうなあ、でもお父さんがあそこまで有名だと、屈服というか「ハハアー」と納得しちゃうだろうなあと、いらぬ心配をしてしまった。とりあえず天才は、遠くにありて思うもの。近くにいては煙たいか。
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2016/04/21 16:41
投稿者:saya - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校生の頃大好きで何度も読み返した本です。久しぶりに読んだけどやっぱり良かったです。えり子さん大好きです。二人のあったかい関係が良かったです。主人公がいい子過ぎないところが人間らしくていいです。
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2016/02/13 12:15
投稿者:シマリス - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉本ばななさんの『キッチン』は、いつか読もう読もうと思いつつ、読む機会を失いかけていた作品でした。そんな時、ネットの電子書籍の欄でおすすめ作品の欄にこの作品があり、「電子書籍で読んでみるか。」と思い、読み始めました。すると、どうして今までよまなかったのか、と後悔するほど素晴らしく、作品の世界に引き込まれ、1日で読み終わってしまいました。特別奇抜な内容でも、特別普遍的な内容でもなく、この作品が持つ独特の世界観は、私の心を掴んで離さず、ほっこりと、じんわりと温めてくれるような優しい世界でした。あらすじを見て、気になっていて、人に勧められて、何でもかまいません。1度読んでみることをお勧めします。
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2002/07/19 19:31
投稿者:水素 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この物語のラストが好きである。とても好きである。そこを読み返すたびに、ああ、なにがあったって生きてゆけるんだ、生きていかなくてはならないのではなく、生きていけるんだなあと思う。
私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う、という超有名な冒頭から始まる吉本ばななの処女作。新しい表紙も何気に貫禄(?)があって素敵。
自分の子供に読ませたい本だと思う。
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2009/03/29 09:29
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
キッチン 吉本ばなな 新潮文庫
3編の作品が収録されています。かなり以前、出版された当時に読んだことがあるような気がしますが、まったく印象に残っていません。わたしは若かったので読解力がなかったのでしょう。
「キッチン」台所で死んでいた兄のことを記してあった「コンセント」田口ランディ著が思い浮かびました。桜井みかげさんは猫のようです。田辺雄一君の母親えり子さんはすばらしい。えり子さんの言葉は嘘臭くもあるが、その言葉が何を意図するのかについて深く考えさせられます。血縁関係、家族、なにげないことがしあわせ、台所をしあわせな場所にしたい気持ちが伝わってきます。
「満月 -キッチン2-」身近な人たちが次々と亡くなる記述には気が滅入ります。この続編の意味は何だろう(ないほうがいい)。みかげさんは仕事に就いているが労働をしていない。作者は会社組織で働いたことがないのではなかろうか。わたしは、みかげに嫉妬する雄一の彼女の意見に賛成です。みかげさんはだらしない。のんびりした生活をおくっているくせに不満ばかりが多い。腹が立ちます。オカマ話は、IKKO著「超オンナ磨き」を思い出しながら読んで楽しくなりました。食べ物(カツ丼)に物語を誘導させようとするのはよかった。作者は家族に飢えています。
「ムーンライト・シャドウ」若い頃の作家は、登場人物を殺したがる。さつきさんと等君、そして、うららさん。キッチンとは違って積極的な男女関係から物語は始まりました。作家と「死」は近い。この作家は作品作成にあたり、自ら「死」に近づこうとしているようです。本気で死のうとしているのか、そうでないのかが、作家自身にも見分けがつかないのではなかろうか。まだ幼い。後半部にあるうららさんがする解説部分は必要がなかった。
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2016/03/02 19:28
投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1988年の作品発表当時、すごく話題になっていたので、作家名と題名だけは記憶していた。当時は学生で、話題になってるからといってほいほい本が買えるような経済状況ではなかった。28年たって、電子書籍化され、しかもかなり割引になっていたのを見かけたので、今更ですが読んでみることにしました。
「キッチン1」は台所が一番好きという主人公桜井みかげが、両親の代わりに育ててくれた祖母の死と向き合うお話。生前祖母に世話になったという田辺雄一の誘いに乗って、田辺家に居候することに。母(元父)えり子さんと3人の同居生活は面白おかしく、じんわりとあたたかくみかげの心を癒していきます。
「満月 キッチン2」は桜井みかげが祖母の死後居候していた田辺家の母(父)えり子さんが殺され、その息子雄一と共にみかげがその突然の死と向き合う話。天涯孤独になってしまった二人の心がふわふわと揺れ動きながら少しずつ、しかし確実に寄り添っていきます。
「ムーンライト・シャドウ」では恋人の等が交通事故で亡くなってしまった後の話。主人公さつきはジョギングして、心のバランスをとろうとする。等の弟柊には彼女がいて、よく4人で会っていたが、等がその弟の彼女を車で送っていく途中に事故に会ってしまった。柊は兄と彼女の両方いっぺんに亡くしてしまった。彼女のセーラー服を着て、彼女の死を悼む柊。それはちょっとどうなの?と少々引いてしまいますが、人の死との向き合い方は人それぞれ。残された二人はある不思議体験をきっかけに、本当の意味で「別れ」を受け入れる。
3編とも残された人の心の動きにスポットを当てて書かれており、全体的にとてもセンチメンタル。身近な人の死後、一応日常生活を続けていても、どこか現実感のないふわふわした感じや、突拍子もないことを衝動的にしてしまったり、突如として激しい絶望感に襲われたり。そういう情緒不安定な細やかに描写されていて、柔らかな共感を抱かせるように思います。
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2016/05/04 09:06
投稿者:yu_kotikita - この投稿者のレビュー一覧を見る
人に勧めてもらって初めて読んだ吉本ばななさんの本。
泣けるけれど、決して悲壮感ではない。
人の生と死について感じる作品です。
何度も読みたい、きっとその時々に新たに感じるものがあるt思います。
投稿元:
2004/10/16 10:23
雄一のお母さん(お父さん?)が、変わった人だけどすっごい憧れです。あたしはあんな生き方はできないけど、とっても尊敬する人のうちの一人です。
投稿元:
2004/10/24 01:32
吉本ばななにはまっていちばんにすすめられた本でした。
なるほど、すごく好きになっちゃう。死にネタが多いばなな作品のだからやっぱり泣いてしまう、そんな悲しさよりも、胸をいっぱいにするのはやっぱりピンク色のきゅうっとしたもので。誰かと手を繋ぎたくなるような気持ちになります。
投稿元:
2005/05/02 12:47
私的には、「キッチン」よりも「ムーライト・シャドウ」のほうが好きです。困ったな〜
20050428:読了
投稿元:
2010/10/13 23:17
本との出会いって、今まさにこのタイミングで出会うことが、人生に必要不可欠だったと言ってもいいものだったりする。時に、「これは本を通して送られてきた、神様からのメッセージか?」と思わされるくらい衝撃的な文章に出会うことも多々。
そしてこの本はそんな出会いだった。
私はいつも本とセットでメモも持ち歩いていて、特別感動したり、勉強になったり、心に留めておきたい文章、そして先に書いた神様からのメッセージに出会ったときは書き写しておくのだけれども、この本でその作業をやろうと思ったら丸一冊書き写さなくてはいけない文章の宝箱。
私が常日頃感じている感情を、私には作り出せない世界観と文章で的確に表現されている。
この本は一生手放せない親友だ。最高のカウンセラーを見つけた。
投稿元:
2005/12/29 10:02
ばななワールドにハマるきっかけとなった本です。
大切な人を失ったときのみかげの空虚な気持ちに、共感しました。
登場人物たちの温かみが、心に伝わる作品です。
投稿元:
2004/11/21 13:53
吉本さんの作品で一番最初に読んだもの。ここから吉本ワールドにハマったと言っても過言じゃないくらい、大好きな話です。
投稿元:
2004/12/24 14:40
前の彼氏?から返ってきて、読み返した。本もやっぱり文章がすごい!って思うけど、返ってきてうちらの関係もひと段落ついたなってなんか感慨深い。。。ありがとう。