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人類の自己家畜化と現代

  • 出版社:人文書院
  • サイズ:19cm/201p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-409-53028-3

人類の自己家畜化と現代

尾本 惠市 (編著), 埴原 和郎 (ほか著)

  • 全体の評価 21件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,68048pt
  • 発行年月:2002.7
  • 発送可能日:7~21日

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商品説明- 「人類の自己家畜化と現代」

現代人は快適さを追求して、ついに家畜化した! 歯や顎の退化、抵抗力の減退、感性の衰弱、個性の喪失とクローン化…。現代文明と「人類の自己家畜化」との本質的な関係と問題の所在を、第一線の研究者が学際的に解明する。【「TRC MARC」の商品解説】

収録作品一覧- 「人類の自己家畜化と現代」

メタファーとしての自己家畜化現象 尾本恵市 著 15-32
人間の自己家畜化を異文化間で比較する 川田順造 著 33-62
自己家畜化の認知的側面 松井健 著 63-82

著者紹介- 「人類の自己家畜化と現代」

尾本 惠市

略歴
〈尾本〉1933年生まれ。東京大学大学院博士課程中退。同大学理学部教授、国際日本文化研究センター教授等を経て、現在、桃山学院大学文学部教授。著書に「分子人類学と日本人の起源」など。

関連キーワード- 「人類の自己家畜化と現代」

ユーザーレビュー- 「人類の自己家畜化と現代」

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3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2003/10/16 03:07

高度文明社会に適応できない旧石器人のゆくえ

投稿者:さいとうゆう(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 タイトルにある「自己家畜化」に惹かれてつい手にとってみたものの、肩透かしを食らった感は否めない。自然人類学から遺伝学、果てはペット法学まで様々な研究分野の知見が示されているのだけれども、その横断的な手法が禍してかどれも本質的な究明に達しているとは言い切れず、しかもそこかしこに散見するのが陳腐な自然回帰では、読んでいて鼻白むのも無理はない。

 自分の専門分野を現代的な領域へと接続しようという試みは大変結構なのだが、《幼児期からゲームなどの機械によって一種の「刷り込み」を受けた結果、親や周囲の人間との関係の薄い、まるで家畜のような子供たちが増えている》(埴原和郎)だの、《私はクローン人間は、それを造る人がある特定の期待を込めて造り、その結果造られたクローン人間を造った人の意図で束縛しようとすることが、造られたクローン人間の基本的人権を侵害する、と考えるので反対である》(武部啓)だのという言説は、申し訳ないがもう聞き飽きた。

 まずもって「人類の自己家畜化」なるものを、どの論者も否定的に論じているのが解せない。「歯や顎の退化」や「抵抗力の減退」、「感性の衰弱」から「個性の喪失」と、人類という種の劇的な環境変化に伴なう様々な「低下現象」を今さら報告されても、それぞれがすでに当たり前になっている私たちにどうしろと言うのだろうか?

 先ほど引用した二つのセンテンスに言及するならば、現代に生きる人間を形づくっているのはメディアである。子どもの自我はゲームとアニメで作られる。現代においては、自我意識も実存を賭けた自己実現の欲望も持たない子がいわゆる「普通の子」なのだ。そこをこそ議論の「前提」として思考しなければならないのではないか。また、「クローン人間」が出てくると、彼らの人権が侵害されると言うが、クローンであっても自己意識を持つのであれば、どこに問題があると言うのだ? 武部の前出の文章における「クローン人間」を、ただの「人間」に置き換えて読めば、まさに今日までわれわれがやってきたことそのままではないか。

 人間を造る両親がある特定の期待を込めて造り、その結果造られた子どもを造った人の意図で束縛しようとすることを、あえてしない親を探す方が難しい。それが基本的人権を侵害すると言うのであれば、間違っているのはむしろ「子どもの人権」の方である。「家族計画」のもとに家族を営んできたのはどこのどなたなのだろう? 技術的可能性と倫理的規制を主張する前に、なぜその「人権」そのものを疑わないのだ? 「人類の自己家畜化」を嘆く前に、なぜその現実に立脚した論点を示そうとしないのだ?

 「生物の最大の特徴は、多様性にある」(p.185)、または「人間とその思惟の事物的世界との関係は一方的であるよりも、両方向的にとらえられなくてはならない」(p.72)という言い方に「画一性」を感じとってしまうのは私だけではないだろう。《私は人類はあと100年、少なくとも1000年以内には滅亡するだろうと考えて》(藤田紘一郎)しまうのは一向に構わないけれども、免疫力低下による「アレルギー疾患」を抱え込み、洗脳されやすく精神的に虚弱化した家畜たる「動物」として生きざるを得ない「私」は、いったいどうすればいいのだろうか?

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