紙の本
心が病気にならぬよう。
2010/04/02 21:04
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
「いい人」をやめると楽になる 曽野綾子 祥伝社文庫
「いい人」の定義って何だろう。明確には書けないけれど、けして、いい意味ではない。「いい人」になると不幸が押し寄せてくる。「いい人」と呼ばれるようになってはいけない。
著者は自分の作品だと思いますが、それらを引用しながら、性悪説を前提として、生き方を示しています。無理をせずになすがままに生きる。他者に要求をしない。キリスト教徒としての気構えもあるのでしょう。世界のあるいは世間の片隅で、ささやかに生活する。「いい人」になると、神経が病となる。
老人になったら、周囲の者たちに迷惑をかけないようにすることを第一に考えたいものです。なるべく依存せずに知恵を出しながら自分のことは自分でやりたい。他者の領域に立ち入ってはいけない。他者とは距離を置く。他者の暮らしをうらやまない。この本を読みながら自分はそんなことを思いました。
紙の本
老人のたわ言…?
2016/01/07 11:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ベルたーす オリジナル - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょっと過激なタイトルをつけてしまったが、どうしてもそう思ってしまう。
著者が語る言葉はどれも当たり前だったり、既に多くの自己啓発系の本に載っているような言葉でどうも心に響かない。
人生で大事な事と言うのは、どうしても当たりまえのことや繰り返し言われている言葉になってしまいがちだが、それを人に対してストンと落とせるかどうかが書き手の腕の見せ所ではないのだろうか。
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著者が書いた作品からの抜粋で構成されているという、ちょっと変わった内容です。
ストレートに語っているのではなく、この小説のこの部分から、こういうことを感じて欲しい、といった具合です。全体的に慎み深い一冊。
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エッセイや小説からの抜粋だと、分かっていたら買わなかったと思うけど、面白かった。
「そうだよね」と、何度も思いながら読んだ。
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エッセイではないです。曽野さんのこれまでの著作からテーマにそったフレーズを抜き取って並べた本。なので流れにそってすいすいと読める類のものではなかったですがいちいちシンプルな考え方がサラリとクールに示されていて、格好良し。
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2009/07/19
本書は性悪説や自意識、礼儀、友情、人付き合い、
品性、死、憎しみ、関心、愛、本心などについて、
著者の出版物(小説やエッセイなど)から抜粋し、
より集めたものである。
著者自身の信仰に基づく思考も部分的にはあるが、
人生を長く生きてきた先達としての経験の蓄積には違いない。
以下抜粋
――――
「しかし家族でも恋人でもない人の評判など、
どうして私は気にしなければならないのだろう。」
「本当は、教育、結婚、毎日の生活、
老後、病気、死と葬式、などというものは、
強烈にその人の好みに従っていいものなのである。
他人がそうするから、とか、そうしないから、ということが、
すなわち自己からの逃走なのである。」
「医師と消防士だけが人命救助をするわけでもないのだ。
娼婦も酒屋さんもお風呂屋さんも赤ん坊も、知らないうちに、
自殺しようと思っていた人を生に向かわせたことがあると思う。」
「しかしほんとうは礼儀を失わないようにしながら、
ごく自然でなければならない。」
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「敬友録」なので色んな本の抜粋。なので一つ一つ状況の抜粋に把握しなくちゃいけないし、文体はコロコロ変わるし読みにくい。
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過去に著者が発表した作品からの抜粋のようです。
前後の文脈とのつながりで意味が変わるものも当然あると思いますが、
おもわず「なるほどなぁ」とか「あるよなぁ、そういうこと」と思ってしまう文章がたくさん載っています。
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タイトルを見て購入。
実は著者の今までの作品の中からの抜粋を並べてあっただけだった。
一覧を見てもどれも読んだことはない。
一番最初にまえがきにあった「どんな複雑なことも、平明に書けなければならない。平明な表現は慎みの一種である。分かりにくい表現が高級なことを書いている、と思うのは、大きな間違いで、それを悪文というのだ」と小説家希望だった著者が若いころ、同新雑誌の仲間から習ったというこの言葉が印象的だった。
書かれている内容に関しては、大いに同意することもあれば、そうかなと首をかしげるものもあったりで、それはそれで人それぞれだから構わないと思う。
昔、初めて夫の家に泊まった時に考えたのが、「嫁はなにをやってもいいことは言われないと諸先輩から聞いていた。気が利いて動けば『でしゃばり』と言われる、動かなければ『気が利かない嫁』と言われる。ならば最初からダメ嫁でいたら、気が楽だわと・・
力を入れるべきところと抜くところを心得ていればいいのではないかなと思っている。
年を重ねてくると、だいたいが横柄になってくる。
私は、「いい人」より「可愛いおばあちゃん」を目指そうと思う。
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タイトルに惹かれ読んでみた。確かに書かれている考え方ができると、楽になると思うし、ためになると思えた部分もあった。
でも、読み進めていくうちに「~するべきだ」「べきでない」という著者の固い文章表現が気になり、後半は楽になるどころか窮屈に感じてしまった。
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3日くらいで読み終わったよ。
今まであまり自分の中にはなかった考え方が満載で、
ある意味目からうろこな感じがした。
これを貸してくれた親友の生き方は、
この本とシンクロしてるなぁ。
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いい人をやめると楽になるとは?
日本では、いい人の反対は、悪い人だと多くの人が思っている。しかし、現実には、いい人でも、悪い人でもない中間の人がほとんどだ。
(人を善悪だけで判断しない。)
なぜなら、日本人は、
黒か白で、物事を片付け、その中間の膨大な灰色のゾーンに人間性を見つけ、心惹かれることが、ないからである。
いい人をやっていると、疲れる。理由は、いい人は、ちょっとそうでない面を見せるだけで、すぐ批判される。
人はみな、あるがままでいいのである。
【引け目というのは、人間的】
【社会の中にもほどほどの悪がないところは、むしろ巨大な腐敗に結びつく。】ほどほどという形容詞がつく状態ほど、愛や許しを思わせるものはない。
【人がするからいい、のではない。人がしてもいないし、人がしなくてもするというのが、勇気であり、品位である。】
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これを読んだ結果、僕はいい人でないと判明。ただ過労で倒れた時はいくつか当てはまるものがあった。
働き過ぎの人は読んだ方がいいかも。
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著者の作品から人間関係に関するものを抜粋してまとめたもの。まず最初の感想、全然いい人をやめてない。この本に出てくるのはいい話、いい人ばかり。現実的な厳しい話もあるけど少なくとも悪の話はない。「いい人とは」というタイトルの方がよっぽど納得する。一章で「人はみな、あるがままでいい」と言っているが、二章以降は延々それを否定しているような…。結局なにが言いたいのか。そして話が理想論的過ぎる。NGOに参加してグローバルな視点を持っている人がどうしてこんなことを書くのか不思議だが、カトリックの教育を受けていると聞けば妙に納得。言っていることはほとんど正しいしと思う。しかし自分はこうはなれないし、もしこの本に書かれてるような世界があったらそれはどんなにつまらない世界だろう。
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曽野綾子さんの潔さが好きだ。「それでもプリミティブな人々は、日本人と違って「人は皆平等だ」などという幻想に毒されていないから、自殺もせずに差別や憎悪や蔑視の中でも逞しく生きて行く。」という分が好きだ。ぼんやり待っていても平等はやってこないし、平等には扱われない。